パリ五輪を目ざす大岩ジャパンの最新序列。10月シリーズではメキシコ、アメリカと対戦する。(C)SOCCER DIGEST

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 来年4月中旬に開幕するU-23アジアカップの予選で、U-22日本代表は2勝1分の成績で首位突破。パリ五輪のアジア最終予選を兼ねる本大会行きの切符を手に入れた。

 予選を戦った23名の選手たちは一度所属クラブに戻ったが、大岩剛監督をはじめとするスタッフ陣は即座に次なる戦いへ。顔触れが異なる22名の選手を引き連れ、中国の杭州で開催されているアジア競技大会に臨んだ。

 現在も大会は進行中で、“もうひとつのU-22日本代表”は10月4日の準決勝で香港に4−0で快勝。他国が24歳以下の選手と最大3名のオーバーエイジ枠を起用できるレギュレーションで戦うなか、一戦ごとに逞しさを増した日本は同7日に韓国との決勝を控えている。

 そうした最中の5日の午後に、10月8日から始まるアメリカ遠征(14日にU-22メキシコ代表戦、17日にU-22アメリカ代表戦)のメンバーを発表した。

 スタッフ陣は1か月以上も出ずっぱりで、オンライン会見に臨んだ大岩剛監督の表情からは少なからず疲労の色も見えたが、次なる戦いに向けて意気込みを語った。
 
「(今までの活動と)一次予選のバーレーンでの戦いを踏まえて、もう1つレベルアップする。チームとしても個人としても、レベルアップしていくことが必要だと思います」

 今遠征に挑むメンバーは、U-23アジア杯予選を戦った面々がベース。4日に発表されたA代表に招集されたGK鈴木彩艶(シント=トロイデン)や、直近のゲームを負傷で欠場しているMF斉藤光毅(スパルタ)らが選外となっており、予選からは7名の選手が入れ替わった。

 アジア大会に出場しているメンバーはスケジュール的に招集できなかったが、今回新たに加わった選手たちにとっては大きなチャンス。パリ五輪の最終予選まで約半年しかなく、そこから3か月弱で本大会を迎える点を踏まえれば、新参組にとっては貴重なアピールの場になる。

 今回のメンバーで最も注目したいのは、左SBのバングーナガンデ佳史扶(FC東京)だろう。今年3月にA代表デビューを飾っており、パリ五輪世代で屈指の実力者。大岩ジャパンでは怪我に泣かされていただけに、今遠征は指揮官の信頼を勝ち取るために重要な戦いになる。

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 また、U-20日本代表組からチームに加わったチェイス・アンリ(シュツットガルト)と福井太智(バイエルン)も注目のタレントだ。

 チェイスは昨年6月のU-23アジアカップ以来の大岩ジャパン選出となる。ドイツ挑戦1年目となった昨季は新たな環境に馴染めず苦戦を強いられたが、今シーズンはU-23チームでレギュラーポジションを獲得。身体能力と吸収力の高さでメキメキと力を付けており、層が薄いCBで台頭できるか注目だ。

 今年1月に鳥栖からドイツに渡った福井は、U-20ワールドカップで存在感を示すと、今季はバイエルンのセカンドチームでプレーしながら、9月26日に行なわれたDFBポカール1回戦のプロイセン・ミュンスター戦でトップチームデビューを飾った。

 球際の強さと正確な技術は折り紙付きで、海外勢に怯まないメンタリティも魅力のひとつ。アンカー起用であれば藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン)、インサイドハーフなら松木玖生(FC東京)、山本理仁(シント=トロイデン)、鈴木唯人(ブレンビー)、三戸舜介(新潟)とポジションを争うが、常連組に食い込む力はある。U-22代表に初めて招集した大岩監督も期待感を隠さない。

「太智も自分がU-18(代表で監督)を担当した時に間近で見ている。彼がどれくらい成長しているかを踏まえたうえで、今回期待をして招集させてもらった」
 
 チームに新たな風を吹かせられるか。コアメンバーに刺激を与える意味でもU-20組の突き上げを楽しみに待ちたい。

 Jリーグ勢では、サイドアタッカーの近藤友喜(横浜FC)と新井悠太(東洋大/東京V内定)が新たにメンバーに加わった。近藤は4月の候補合宿で招集を受けていたが、海外遠征は初となる。今季は右サイドを主戦場に力強い突破を見せており、小柄ながら当たり負けしないパンチも持ち合わせているのも魅力だ。

 新井は東洋大の3年生で、25年シーズンから東京Vに加入することが決まっている。すでにJ2で8試合に出場し、2ゴールをマーク。昇格争いを繰り広げるチームで左サイドの切り札として奮戦。キレのあるドリブルは目を見張る。

 ともに前橋育英高出身で、近藤が3年生の時に新井は1年生。そんな縁もあるふたりがU-22代表で可能性を示せるかも今遠征の見どころだ。

 徐々にチームの骨格は固まってきたが、序列を覆す可能性はある。パリ五輪に出場するアメリカや、東京五輪で銅メダルを獲得したメキシコに対し、若武者たちがどのようなプレーを見せるのか目が離せない。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)