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プロ野球阪神の優勝マジックが2023年8月29日に消滅した。優勝争いは依然として阪神が首位を走り広島が5.5ゲーム差で追う。両者の直接対決は残り7試合。自力優勝の可能性が復活した広島は阪神を逆転できるのか。J-CASTニュースは、巨人、ヤクルトなどでコーチを歴任した橋上秀樹氏(57)に分析してもらった。

「阪神にとって直接対決が7試合残っているのは不気味」

29日に優勝マジックが消滅した阪神は30日のDeNA戦で黒星を喫し2連敗。一方の広島は29日からの巨人3連戦を2勝1敗で勝ち越した。橋上氏は「ペナントレース終盤に入っての5.5ゲーム差は広島にとって現実的に厳しい数字だと思います」とした上で逆転優勝の可能性に言及した。

「阪神にとって広島との直接対決が7試合残っているのは不気味だと思います。逆に広島にとっては良いモチベーションになる。広島は3位に落ちる可能性が減り、阪神を追撃する態勢が整ってきた。巨人戦での2勝は勢いが付くような勝ち方でした」

3連戦初戦では2点ビハインドの8回に末包昇大外野手(27)が、高梨雄平投手(31)から逆転の3ランを放ち5−4で勝利。2戦目はエース大瀬良大地投手(32)が6回3安打無失点の好投を見せ、菅野智之投手(33)との投手戦を制し2−1で勝利した。

橋上氏は「広島は投手力にしても攻撃力にしても特別穴があるチームではなく及第点のあるチーム」と評し、次のように分析した。

「モチベーションがあれば強さを発揮できる。今は阪神とのゲーム差が5.5で直接対決が7試合残っている。これがモチベーションとなりしっかり阪神を追うことができる。目標がしっかり目の前にぶら下がっているということが広島にとって大きなポイント。ゲーム差からいって3位のDeNAをあまり気にしないで戦える。後ろを見ながら前を追いかけるのは非常に苦しいもので、阪神に集中できるのはプラス材料になる」

「広島は先発投手の頭数がある程度揃っている」

もうひとつのプラス材料としてリーグ優勝を経験している投手が今なお主力として活躍していることを挙げた。

「床田(寛樹)投手を筆頭に先発投手の頭数がある程度揃っている。ここにきてリリーフ陣の調子もだいぶ戻ってきているので安心して戦える。投手に関しては強かったころの広島を知る選手が多く、これもプラスの材料になる。リーグ連覇をしていたころに主力として投げていた投手がまだ残っているのはチームとして大きい」

ペナントレースは終盤に差し掛かり広島の残り試合は23試合。9月1日から本拠地マツダスタジアムでリーグ最下位の中日と3連戦を予定し、8日から敵地・甲子園球場に乗り込み阪神との直接対決に臨む。

橋上氏は「勝負所となるのは8日からの阪神との3連戦。阪神は3連敗さえしなければ良いという気持ちで臨んでくると思います。ここで広島が3連勝すれば雲行きがだいぶ変わってくるでしょう」と語った。