都心から草津温泉の手前までスムーズに行けるようになります。

嬬恋から峠を抜けて長野県上田市まで

 群馬県渋川市で関越道から分岐し、草津温泉の近くをとおり、最終的には峠を越えて長野県上田市へ至る高規格道路「上信自動車道」の整備が進んでいます。


一部開通済みの上信自動車道(画像:群馬県)。

 これは国道353号・国道144号のバイパスとして、吾妻川を遡上し、JR吾妻線に並行します。道中の長野原町役場は草津温泉の玄関口で、これまで渋川から延々と下道を走っていた温泉ルートの利便性が向上します。

 気になる事業進捗ですが、すでに嬬恋村までは、全工区で開通見通しが発表されています。

【事業中】国道291号〜金井IC:渋川市内で途切れている約1.9km
【開通済み】金井IC〜箱島IC:渋川市内の約7km
【事業中】箱島IC〜道の駅あがつま峡付近:「吾妻西バイパス」の2023年度開通を皮切りに、2027年度までに全区間開通予定
【開通済み】八ッ場ダム切り替え区間。長野原町役場までは現道拡幅で対応
【事業中】長野原町〜嬬恋村:「長野原嬬恋バイパス」として2029年度に開通予定

 以上が全通すれば、JR吾妻線の終点・大前駅付近まで、高規格道路の整備が完了します。

 さて、ここから先が本格的な山岳区間。嬬恋高原から鳥居峠を抜け、標高を下げて上田市へ到達し、上信越道の上田菅平IC付近へ接続します。約31kmが、事業化をめざす調査区間となっています。

 国鉄もかつてこの峠を越える予定があり、末期に差し掛かる1961年に長野市北側の豊野まで抜けていくルートが決定されましたが、地質の問題などもあり結局実現することはありませんでした。

 長野県側は2023年の「上田地域広域連合広域計画」で、上信道について、2027年までに「調査区間」を脱却し整備区間となりたい、つまり事業化を果たしたいとしています。