ロシアも巻き込み日本近海で演習の可能性も? 人民解放軍海軍と関係強める南ア海軍 艦船を中国に派遣へ
2月には中露と共同演習も行った。
実現すれば2008年以来の派遣
南アフリカ海軍が中国へ艦船を派遣する意向であることが、2023年7月28日、南アフリカのメディアで報じられました。
南アフリカ海軍で最大クラスの軍艦であるヴァラー級フリゲート「スピオエンコップ」(画像:南アフリカ国防省)。
同件は、中国人民解放海軍の中国海軍第43次護衛艦隊のアフリカ親善訪問で同国のケープタウンに入港した7月24日に、南アフリカ海軍のモンド・ロベーゼ中将が発言したようです。
南アフリカ海軍は、2023年2月に中国、ロシアと共に南アフリカ東部ダーバン沖のインド洋合同演習を行ったこともあり、西側諸国は警戒感を強めています。
現状、南アフリカは中露を組んで西側陣営に対抗する可能性はないとされていますが、3か国ともBRICS(新興5カ国)に数えられており、中国とは貿易では最大のパートナーでもあります。また、ロシアとは旧ソ連時代にイギリス政府が事実上黙認しているなか、明確にアパルトヘイトに反対していた経緯で関係が深く、最近ではロシアへの武器輸出疑惑も浮上したこともあります。
具体的な派遣の時期は明らかとなっていませんが、南アフリカ海軍の艦艇が中国派遣されることになれば、2008年以来になります。また、日本やアメリカをけん制する目的で、ロシア巻き込み共同演習する可能性も否定はできません。
なお、中国海軍第43次護衛艦隊、南アフリカのほかに、コートジボワール、ガーナ、ナイジェリア、ガボンなどにも訪問予定で、南アフリカのヨハネスブルグでは8月22日から24日までBRICSの首脳会談も行われます。