JR東日本は、常磐線各駅停車の天王台駅と取手駅のホームにホームドアを設置すると発表しました。実はこのホーム、平日のラッシュ時しか列車が発着しません。

常磐線各駅停車の天王台と取手駅にホームドア整備

 JR東日本は2023年7月21日(金)、ホームドアの整備拡大計画を公表。2023年度は、既に公表している12駅に加え、常磐線各駅停車の天王台駅、取手駅、金町駅、亀有駅、南武線の稲城長沼駅、南多摩駅に整備することを明らかにしました。天王台駅、取手駅のホームはあまり列車が発着しない「閑散ホーム」ですが、なぜ今回整備対象となったのでしょうか。


常磐線各駅停車(画像:写真AC)。

 常磐線各駅停車の天王台駅と取手駅のホームは、平日の朝夕ラッシュ時だけ列車が発着します。平日の日中時間帯と土休日は、常磐線各駅停車の運行が我孫子駅までとなるため、1本も列車が来ない閑散としたホームとなっています。
 
 常磐線は綾瀬〜取手間が複々線となっており、天王台駅と取手駅にも快速用と各駅停車用のホームがそれぞれ設置されています。快速のホームには終日列車が発着する一方で、各駅停車のホームは持て余し気味の状態です。
 
 ホームドアが未整備の駅も多い中、なぜ今回あまり使用されていない天王台駅と取手駅の常磐線各駅停車のホームが整備対象となったのでしょうか。
 
 JR東日本によると、「ホームドアの設置対象駅を決めていく際は、乗降者数だけではなく、材料の納入状況や車両のホームドア開口位置が揃っているかなど、総合的に判断して準備が整った駅から設置しています」(広報部)と話します。乗降者数が少なかったり、使用頻度が低いホームのホームドア整備を後回しにするわけではないようです。

 常磐線各駅停車には、特急車両のようなドア位置が異なる車両が入線せず、ドアの開口位置が揃っているため、その点では特急が走る他路線よりもホームドアを設置しやすい状況です。
 
 ちなみに天王台駅と我孫子駅に設置されるホームドアは、通常のホームドアより軽量化された「スマートホームドア」となる予定です。平日の朝夕ラッシュ時しか稼働しない異色のホームドアになりそうですが、利用者の安全性は高まります。