濃厚視されていたミラン加入が絶望的となった鎌田。(C)Getty Images

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 フランクフルトを退団した鎌田大地は、ミラン入りが濃厚視されていた。最終局面で大きな問題となったのがEU圏外選手の獲得枠だったが、強化部の刷新も少なくない影響を与えたと見られている。

 22-23シーズン終了直後の6月6〜7日、ミランは共に鎌田の獲得を進めてきたテクニカルディレクターのパオロ・マルディーニとスポーツディレクターのフレデリック・マッサーラの退任を発表。アメリカ人オーナーのジェリー・カルディナーレと補強方針で揉め、事実上の解任だったというのが大方の見方だ。

 イタリアメディア『Stadiosport』は7月18日、「ミランの恥。マルディーニの最後の思い出がミラネッロによって消し去られる。アメリカ人は完全に頭がおかしい」という刺激的な見出しを打った記事を掲載。「マルディーニとマッサーラの追放後、移籍市場ですべてが変わった」と報じている。

 同メディアは、まずイタリア代表のMFサンドロ・トナーリをニューカッスルへ放出した件を「マルディーニとマッサーラがいれば、残っていたではないかという疑問は常に残る」と指摘。「売却は重要な転換を意味する」と続けた。

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 そして、ミランを去った2人の代わりに補強を進めるCEOのジョルジョ・フルラーニとチーフスカウトのジョフレー・モンカダについて、「彼らはマルディーニとマッサーラの視界を完全に歪め、消し去った」と綴っている。

「フルラーニとモンカダの計画は、マルディーニとマッサーラのそれとは大きく異なる。後者は基本的に(若い)タレントを求めており、可能な限り平均年齢が低いチームを好んだ。一方、新しい人たちは、若すぎず、年寄りすぎないプロフィール、つまりキャリアの最盛期ではないにしてもそれに近い選手を探している」

 記事は、鎌田に関して「ミランに加入するはずだった」とし、こう続けている。

「マルディーニとマッサーラの別れ以来、最後の直線での交渉が続いていたカマダは加入しない。日本人の攻撃的MFは最終的にアトレティコ・マドリーに移籍する可能性があるが、ミランがポールポジションに立ったため、ドルトムントも待機を続けていた」
 
 全てが変わってしまったミランの新体制を厳しく非難した。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部