今年のセレクトセールを盛り上げた種牡馬キタサンブラック(撮影:下野雄規)

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 7月10日(月)、11日(火)に北海道苫小牧のノーザンホースパークで行われたセレクトセール。2日間で450頭以上のバラエティに富んだ幼駒が上場され、総売上は281億4500万円を記録した。

 2日間を通じて注目を集めたのは、この1年ビッグレースでの活躍が目立ったキタサンブラックの産駒。昨年は計10頭が上場されたが、億超えは不在で、8200万円で落札されたランドオーバーシーの2021が最高価格だった。一方、今年はインクルードベティの2022が1歳セッション最高価格となる3億1000万円で落札されるなど、活況な購買が目を引いた。

 昨年、今年の落札馬一覧は以下の通り。

【今年の落札馬一覧】
・1歳
インクルードベティの2022 3億1000万円
アルテリテの2022 8800万円
ダイヤモンドディーバの2022 1億7000万円
アイムオールレディセクシーの2022 2億9000万円
ファッションプレートの2022 8200万円
レッドレイチェルの2022 3700万円

・当歳
ファディラーの2023 3億8000万円
アンジュシュエットの2023 6200万円
アメージングムーンの2023 1億9000万円
セルフプリザヴェーションの2023 5200万円
ダンダラの2023 1億1000万円
ジョイニデラの2023 5000万円
シナジーウィスパーの2023 4300万円
ビーコンターンの2023 6000万円
キラーグレイシスの2023 3億2000万円
コミカルの2023 5000万円
エントロピアの2023 1億4500万円
ヴィヴィッドヴィジョンの2023 3100万円
シェイリーンIIの2023 8200万円
オーロリンチェの2023 3400万円
ウォークロニクルの2023 2億9000万円

【昨年の落札馬一覧】
・1歳
カトマンブルーの2021 2500万円
ランドオーバーシーの2021 8200万円
デロングスターの2021 4700万円
マニーズオンシャーロットの2021 4600万円

・当歳
ケルシャンスの2022 5400万円
プリュスの2022 6200万円
ギモーヴの2022 6000万円
ミスティックリップスの2022 4700万円
ローズカリーナの2022 3500万円
レーヴドゥラメールの2022 4600万円

 振り返ると、昨年のセレクト時点で重賞勝ちしていたのはイクイノックスのみ。市場もまだまだ様子見という雰囲気だったが、その後続々と重賞ウイナーが誕生したことで、評価が大きく押し上げられた。もちろんイクイノックス自身もGI・4連勝や世界ランキング1位に輝き、価値の引き上げに貢献したことは言うまでもない。

 その評価は種付け料にもあらわれている。キタサンブラックは500万円で18年に種牡馬入りしたが、21年には300万円にまで落ちた。だが、その後は産駒の活躍にのって年々上昇。昨年は再び500万円にアップしたのにもかかわらず、種付頭数は177頭を確保した。そして今年は1000万円となったが、早々に満口となっている。

 いよいよ来年からはイクイノックス、ソールオリエンスらの活躍後に交配された産駒が市場に登場。来たるセレクトセール2024でどのような評価を受けるのか、時期尚早だが今から楽しみだ。