「デートで見る映画にもピッタリだと思うので、ぜひカップルの方にも楽しんでいただきたいです。僕のようなホラーが苦手な人同士でも面白さを感じていただけると思うので」

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 映画『忌怪島/きかいじま』でホラー映画に初主演した、なにわ男子の西畑大吾。監督は、『呪怨』や『犬鳴村』『樹海村』『牛首村』の“恐怖の村”シリーズなどを生み出してきたジャパニーズホラーの巨匠・清水崇。今作が決まる前から、監督の作品を見ていたという。

「清水監督の作品は、もちろん怖いです。でも、登場人物たちの人間関係や、作品全体としてのストーリーがしっかり描かれているので、恐怖だけではない。だから、ホラーが苦手な僕からしたらありがたいです」

 今作で西畑が演じたのは、天才脳科学者の片岡友彦。

「友彦は、非科学的なものをまったく信じない人。その人が、“イマジョ伝説”が残る呪われた島に来て、信じていないものに直面したとき、どんな声を出すのか、目線をどう動かすのかということはすごく考えました。台本には“叫び”としか書いていないとしても、それが“キャー”なのか“ギャー”なのか。もしくは、“ワー”か“ヤー”か。そういう細かいところから清水監督と話しながら友彦を作り上げていきましたね」

共演者がライブ会場にも

 天才らしく、数式を勢いよく書き続けるシーンもある。

「結構、すんなりと覚えることができて。撮影の20分くらい前にめっちゃ数字が並んだ紙を渡されたんです。“覚えられへん”と思いながらも、規則性があったので意外と頭に入ってきて。何を書いているのかはわからなかったけれど、手が動きましたね。もしかしたら、天才かもしれん(笑)」

 昨年の4月から5月にかけて奄美大島で撮影された今作。作品とは対照的に、撮影現場は和気あいあいとしていたと話す。

「僕は東京と奄美を行ったり来たりで、観光らしいことはあまりできなかったのですが、キャストのみなさんで泥染め体験をしに行かれたことがあって。僕のために泥染めのTシャツを作ってプレゼントしてくださいました。みなさん、今作で初めて共演させていただいた方ばかりですが、島での生活で“あのお店が美味しい”とか“ここにいろいろと売っている”と情報交換していたこともあって、すっかり仲良くなりました。

 ムードメーカーの平岡(祐太)さんは、なにわ男子のデビュー曲『初心LOVE(うぶらぶ)』のダンスを覚えてきてくださったりして。ライブ会場にもいらしてくれて、客席からめっちゃ手を振ってくれました(笑)。すごく優しいお兄ちゃんで、いまでもたまに飲みに行かせていただいています」

 今作の公開に続き、7月29日からはSixTONESの松村北斗とダブル主演するドラマ『ノッキンオン・ロックドドア』(テレビ朝日系、毎週土曜日)がスタートと俳優としての評価も高まっている。

「特別にこういう作品に出たい、こんな俳優になりたいというものがあまりないんです。“なにわ男子”の西畑だからこそ、今回の映画にも出演できていると思っていますし。ただ、自分が出演した作品はより良いものにしたいですし、携わらせていただく以上、やっぱりたくさんの方に見ていただきたいです。そして、作品に触れてくださった方に、なにわ男子を知っていただきたい。そんな思いがあります」

ホラー以外の“怖いもの”は「人」!?

 次は、キラキラのラブコメ作品にも挑戦してほしいと伝えると、苦笑いする。

「ちょっと恥ずかしいです……。もちろん、声をかけていただけるならぜひ! また、ホラー映画でも出演させていただきたいです」

 現実と仮想(メタバース)というふたつの空間で繰り広げられる、逃げ場のない恐怖に支配される映画。主演ながら、試写を見て大声を出してしまったと語る西畑にホラー以外の怖いものを聞くと“人”と答える。

「“なんで、そんなことをするんだろうな”って思うこと、ありますよね。怖いけれど、人は人がいないと生きてはいけない。大げさな表現かもしれませんが、人の支えがないと生きられない。もうひとつ挙げるとしたら、時間。お金では買えない、大切なもの。

 自分に、あとどのくらいの時間が残っているのかわからないとかって考え始めると、怖いなって思います。それと、納豆! 昔から苦手で。何度も挑戦しているんですけど、やっぱり克服できなくて。怖いなって思ってしまいます(笑)」

●赤い色が効果的に使われている映画

 なにわ男子での僕のメンバーカラーが赤なので、自然と赤い色を目で追ってしまいますね。野球だと、広島東洋カープの選手を目で追ってしまうみたいな(笑)。あと、鼻の粘膜が弱いので、たまに鼻血が出てしまうことがあって。赤といえば、鼻血の赤のイメージもあります(笑)。

●なにわ男子のメンバーも『忌怪島/きかいじま』を見た?

 ある企画でメンバーと一緒に見ました。基本、みんなホラー系は苦手やと思います。僕、1回見てストーリーを知っているのに、それでも怖くて。怖いシーンが近づくたびに体育座りしながら見ていました(笑)。映画が終わったあと、みんなため息をついてましたね。

映画『忌怪島/きかいじま』
6月16日全国公開 配給:東映
(c)2023「忌怪島/きかいじま」製作委員会