2023年クラシック候補たち
第18回:ショウナンバシット

 牡馬クラシック第1弾のGI皐月賞(4月16日/中山・芝2000m)は、ソールオリエンスが圧巻の末脚を繰り出して完勝。次なるGI日本ダービー(5月28日/東京・芝2400m)においても最有力候補と目されている。

 とはいえ、そもそも皐月賞の前までは"本命なき大混戦"と言われていた今年の3歳牡馬戦線。それを思えば、舞台が替わることによって、他の馬たちの躍動も十分に考えられる。とりわけ、皐月賞上位組にはその期待がかかる。

 5着と健闘したショウナンバシット(牡3歳/父シルバーステート)もその1頭だ。


日本ダービーでさらなる躍進が期待されるショウナンバシット

 栗東トレセンの須貝尚介厩舎に所属する同馬は、昨年11月にデビュー。同レースでは3着に敗れたものの、2戦目の未勝利戦(12月18日/阪神・芝1800m)で白星を飾った。

 そして、続く3歳1勝クラス(1月14日/中京・芝2200m)も快勝。重馬場も苦にすることなく、道中2番手から直線早め先頭に立って押しきった。

 その後、リステッド競走のすみれS(2月25日/阪神・芝2200m)に参戦。インの2〜3番手で運んで、直線でも最内を突いて抜け出すも、大外から脚を伸ばしてきたシャザーンに4分の3馬身及ばず2着となった。

 それでも、中2週で挑んだリステッド競走の若葉S(3月18日/阪神・芝2000m)を勝利。逃げるラスハンメルを最後の最後でとらえて、皐月賞の出走権を手にした。

 迎えた皐月賞は、ハイペースのなか、後方13番手を追走。3コーナー手前から、インコースを徐々に進出していって、直線入口では4番手まで上がってきた。そこから馬場の中央に出して抜け出しを図るが、さらに外から強襲してきた面々との叩き合いに屈して5着に終わった。

 ともあれ、クラシックの舞台で掲示板を確保したショウナンバシット。同馬に関わるスタッフは、その奮闘ぶりには満足しているようだ。関西競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「ショウナンバシットについて、スタッフは『使うごとによくなっているし、レースを経験しながら力をつけている』と目を細めていました。皐月賞に関しては、『3〜4コーナーにかけて早めに動いた分、最後に甘くなった』と分析。展開や仕掛けどころ次第ではもっと上の着順を狙えた、といった口ぶりでした」

 はたして、ダービーに向けての陣営の手応えはどうなのか。トラックマンによれば、同馬の直近の様子からいい感触を得ているという。

「テンションの上がりやすいタイプでしたが、『この中間は落ちついていて力みがない』とスタッフ。皐月賞からコンビを組んでいるミルコ・デムーロ騎手も、調教に騎乗して『前走よりよくなっている』と話していたようです。

 距離延長も陣営はプラスに捉えていますし、『馬場も不問』とのこと。流れや位置取りによっては、上位進出のチャンスは十分にあると思います」

 3歳馬の頂点を決する競馬界最高峰の舞台。ショウナンバシットは皐月賞5着から、さらなる躍進を見せるのか。注目したい。