2023年クラシック候補たち
第17回:コナコースト

 3歳牝馬クラシック第1弾のGI桜花賞(4月9日/阪神・芝1600m)は、リバティアイランドが圧巻の勝利を飾った。続くGIオークス(5月21日/東京・芝2400m)でも、断然の存在に挙げられている。

 とはいえ、桜花賞で差のない2着に入ったコナコーストも注目の1頭である。


桜花賞では2着と奮闘したコナコースト

 栗東トレセンの清水久詞厩舎に所属するコナコーストは、昨年8月の新馬戦を快勝したあと、年明けまで休養。2戦目にはリステッド競走のエルフィンS(2月4日/中京・芝1600m)に挑んだ。4、5番手の好位で運んで、直線でもしっかり伸びて2着と奮闘した。

 続く3戦目は、桜花賞トライアルのGIIチューリップ賞(3月4日/阪神・芝1600m)に出走。道中は中団前目の6番手を追走し、直線に入って外から脚を伸ばした。残り200mをきってからさらに加速し、逃げるモズメイメイ、先行したペリファーニアをゴール前で一気に追い詰めたが、ハナ差の2着に終わった。

 それでも桜花賞の出走権を得て、4戦目にはその大一番に臨んだ。スタートから2番手につける積極的な競馬を見せると、直線では外から迫るペリファーニアに一度はかわされそうになりながらも、そこから粘り腰を見せて残り100mまで先頭をキープ。あわや、という競馬を見せたが、最後はリバティアイランドの驚異的な末脚に屈して2着に敗れた。

 惜しくも戴冠はならなかったが、コナコーストがレベルの高い走りを見せたことは間違いない。ゆえに、陣営もこの桜花賞での走りを高く評価しているという。関西競馬専門紙のトラックマンがそうした陣営の声を伝える。

「コナコーストについて、陣営は『(桜花賞では)完璧なレースをしてくれた』と称賛。『先行して追い出しを待ち、直線で迫ってきた3着馬ペリファーニアを最終的に振りきった。高い力を証明してくれた』と、満足そうに語っていました」

 おかげで、陣営はオークスに向けても前向きな姿勢を崩していない。「この馬の特性がより生きる」と、虎視眈々と一発を狙っているようだ。

「オークスの2400mという距離について陣営は、『やってみないとわからないが』と前置きしたうえで、『追って味のある馬だし、レースでは長くいい脚を使う。その特徴は2400mのタフなレースでプラスになるのでは』と好意的にとらえていました。

 体調についても、『これから乗り込んでいけば、いい状態でレースに迎える』ときっぱり。終始力強い口調で、それなりの手応えを感じているようでした」

 しぶとい走りを武器にして、好走を続けているコナコースト。オークスで"絶対女王"リバティアイランドにひと泡吹かすことができるのか、楽しみである。