代々木上原といえば、落ち着いた雰囲気の住宅街が多い。

本日ご紹介する『ラ・ファソン古賀』も、そんな静かなエリアのマンション1階に潜む。

この一軒が、都内でも知られた名店たるゆえんは、喧騒とは無縁の大人好みなムードだけではない。

“百戦錬磨のシェフ”によるその実力が、食べ慣れた大人の心を掴んで離さないのだ!



代々木上原駅南口を出て徒歩2分。坂を上ると、駅の喧騒は静寂へと一変。洗練されたエントランスに期待が高まる

界隈でも特に落ち着いた「坂の上」に潜む一軒が目的地


前身の『コム・シェ・ヴ』時代から数えれば、すでに22年。古賀義英さんは、この街のフレンチを牽引してきたいわば重鎮だ。

今からちょうど10年前に、北口から南口に移転。

駅から至近でありながら、一本路地を入った静かなエリアに料理人人生の集大成として『ラ・ファソン古賀』をオープンした。



移転を機に「お客様の反応をすぐに知ることができる」念願のオープンキッチンを設置。マンションの隣り合ったふた部屋をつなげている店内には、クラシックなフレンチ然としたテーブルスペースもある


『シェ・イノ』『トロワグロ』と、日仏を代表するグランメゾンで修業したことからソースに並々ならぬ思い入れがあり、味わいの土台になるフォンは手間と時間を惜しまず、今も魂を込めて引いている。

その仕上がりは見事で、旨みとコクはかなり強いが後味は驚くほど軽く、季節の食材の持ち味をきっちりと引き立てている。




鹿に添えられたグランヴヌールソースのキラキラとした輝きに、思わず見惚れる。




スグリジャムなどを合わせたソースが、ジビエの濃厚な旨みと共鳴。

「蝦夷鹿シンタマのロースト グランヴヌールソース」。




旬野菜も美しい「マダイ、ハマグリのアラナージュ 筍、蕪、菜の花 アンティポワーズソース」。

料理はすべてコース(14,300円)より。


〆はフォンが命の名物カレーで!

従来のカレーの概念を覆す名物「ソースキュリー」は、事前予約でディナーの〆にオーダーが可能。ソースのさらりとした舌触りと凝縮した旨みに悶絶


長いキャリアの中で古賀さんが一貫して伝えてきたのは「毎日でも食べたくなる優しいフレンチ」。

香味野菜の他、魚ならアラなど、動物性の旨みがフォンの要だが、余計な脂は丁寧に取り除いてクリアで雑味のない味に仕上げている。

そんなシェフの手仕事が目の当たりにできるカウンターがあるのも、この店の魅力。大切な人と、折に触れて通いたくなるのである。



代々木上原で過ごすハレの日のデートの鉄板といえる名店『ラ・ファソン古賀』。

旬を軽やかに、そして優しく伝える円熟したその技を、ぜひ堪能いただきたい!


■店舗概要
店名:ラ・ファソン古賀
住所:渋谷区上原1-32-5 ロイヤルテラス 1F
TEL:03-5452-8033
営業時間:ランチ 11:30〜(L.O.13:30)
     ディナー 18:00〜(L.O.21:00)
定休日:水曜、第1・3火曜
席数:カウンター8席、テーブル16席


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