【新常識】アボカドは「緑色」を選ぶのが正解!?買った後の保存は…え、そんな方法で?【農家直伝】

写真拡大 (全7枚)

以前、別の記事でアボカドは「緑色」のものを買って、家で追熟(収穫後、一定期間おいて甘さを引き出すこと)させるのが正解と紹介しました。クリーミーな味を楽しみたいなら、この追熟が不可欠ですが、家庭で追熟させる裏ワザやその後の保存テクについて、新潟県で希少な国産アボカドを栽培する関根邦仁さんに伺いました。

【アボカド新常識】えっ、スーパーでは「緑色」を買うのが正解!?おいしいアボカドの選び方【農家直伝】

「アボカドは、多くの場合、食べ頃になると皮の色が緑色から黒色に変わります。ただ、ベストな食べ頃は2日程度と短いんです。スーパーで黒色のものを購入すると、実は熟しすぎていた…なんてこともありえます。なので緑色のものを買い、家で追熟させるのがオススメです」(関根さん)




目からウロコの新常識です!保存&追熟はリビングがおすすめ

「アボカドの追熟は、常温が基本です。ただし27℃以上だと高温障害、5℃以下だと低温障害といって、果肉が黒く変色して味も落ちてしまいます」(関根さん)

わたしは、今まで黒色のアボカドを買って、そのまま冷蔵庫の野菜室に直行させていたので、かなりの割合で果肉が黒くなっていました…。

「理想的な温度は、20℃前後なので、保存するならリビングがおすすめ。冬場なら暖房、夏場なら冷房が効いていることが多いからです。直射日光の当たらない場所に置いてください」(関根さん)



なるほど~。人が快適だと感じるくらいの温度が、アボカドの追熟にも適しているというわけですね!

ちなみに、追熟を早める方法ってあるんでしょうか?

「効果が表れやすいのは、室温を高めにすることです。先ほど20℃前後が理想と言いましたが、23~25℃くらいで保存すると、かなり早く食べ頃になると思います」(関根さん)

「どうしてもこの日に間に合わせたい!」なんて時は、いい方法かもしれませんね。

「逆に、10~15℃くらいの低めの室温で保存すると、追熟期間は長くなります。これは個人的な意見ですが、低めの温度でゆっくり追熟させた方が、味わいはより濃厚に、おいしくなるように感じます」(関根さん)

食べ頃になった後は、野菜室で保存

アボカドが熟して食べ頃になったら、新聞紙でくるんでからビニール袋に入れ、口を結んで密封し、冷蔵庫の野菜室に入れておくとよいそう。





「剥きだしで保存するのではなく、新聞紙にくるんでからビニール袋に入れることで、湿度が調整できるので、数日間は食べ頃をキープできますよ」(関根さん)。

国産アボカドは、収穫するまでがとにかく大変

ところで、アボカドって、実のつく確率(着果率)がと~っても低い作物だってご存じですか?

なんと「1万の花のうち、収穫できる実は1つ」だとも言われているとか。

「アボカドは品種によって、AタイプとBタイプがあるんです。Aタイプは、午前中に雌花が開花して午後に閉じ、同じ花が翌日の午後に雄花に変身して開花して、数時間だけ花粉を出すんです。Bタイプは、開花のパターンが雌雄逆になります」(関根さん)

へぇ~!雌花と雄花の咲くタイミングがずれるから、着果が難しいんですね。



「開花期はハウスに受粉のためミツバチを入れていますが、着果率はとても低いです。うちの農園では桃なども育てているんですが、もう比じゃないくらい、アボカドは実がつきにくい。そのうえ、雨風などに関係なく、自然に落ちる生理落果も多くて、やっとついた実も、大きくなる前にどんどん落ちていくんですよ」(関根さん)



「しかも、アボカドは隔年結果といって、実をつけた翌年は花が咲かないんです。だから、収穫するまでが本当に大変なんです。でも、それがアボカドという植物の自然な姿ですから。それに寄り添うように、何とかやっていくしかないですね」(関根さん)

アボカドはどこでも手に入る身近な食べ物だと思っていましたが、栽培にこんな苦労があるなんて、知りませんでした!
生態を知ると、アボカドに対する愛着もさらに湧いてきたような気がします。
関根さん、ありがとうございました!

せきね農園

関根邦仁さん

新潟市白根地区の、歴史ある農家の9代目。ビジュアル系バンドのボーカルとして活動したのち、2013年に就農。「自分なりの農業に挑戦したい」と、2015年にアボカドのハウス栽培を開始。テレビなどのメディアにも多数出演し、国産アボカドの魅力を広めている。
●ホームページ
https://sekinenouen.com/
●インスタグラム @sekine.farm
https://www.instagram.com/sekine.farm/