サッカー日本代表、ウルグアイ戦で試したいW杯からの課題と新戦力

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森保一監督 Photo by Markus Gilliar - GES Sportfoto/Getty Images

サッカー日本代表は3月24日(金)、国際親善試合でウルグアイ代表と対戦する。16強入りしたワールドカップ(W杯)カタール大会からチームの半分近くが入れ替わり、次の2026年北中米大会へ向けた最初の試合で、どんな編成でどんなスタートとなるのか。

カタール大会から続投の森保一監督は、2026年大会への第一歩となる試合で「新しい目標、新しい大会へ向けてチャレンジすることを選手たちに表現してほしい」と試合の前日会見で語った。

コーチとして帯同した2018年ロシア大会から監督として準備した2022年カタール大会までにチームとして積み上げ、W杯舞台でドイツ、スペインなど世界的強豪に通用した部分と足りなかった部分を踏まえて、3年半後の舞台へバージョンアップしたいという思いが見える。

「カタール大会までのチームの積み上げを活かしながら、2026年へ向けて何をつくっていけるか。これまでと同じことをやるにしても、『新しいものを作る』という気持ちを忘れずに取り組んでほしい」と話す。

W杯で素早いカウンター攻撃や守備を固めて粘り強く戦うことはドイツやスペインという世界的強豪相手にも発揮し、一定の効果を収めることができた一方で、ボールを保持しながら主導権を持って攻撃する戦い方は未完成。

今後への宿題として残っている。それをどこまで実践できるか。W杯後初の対戦相手となるウルグアイという南米の強豪は、世界を意識した戦いを試すには十分な相手だろう。

 今回の試合では先発の構成にも注目だ。

カタール大会を戦ったメンバーは15人が選出されているが、中盤から前線の選手が中心。試合経験も豊富なベテラン勢が多かった吉田麻也選手(シャルケ04)ら守備陣は負傷辞退の冨安健洋選手(アーセナル)を含めて選ばれておらず、両サイドバックを含めて初選出組が多い。

バングーナガンデ佳史扶選手(F東京)や半田陸選手(G大阪)ら若手にとってはチャンスだ。W杯でも最終ラインを務めた板倉滉選手(ボルシアMG)とセンターバックで誰が組むのか。どんなパフォーマンスを見せるのか、興味は尽きない。

 DF菅原由勢選手(AZ)はカタール大会へ向けたチームづくりでも何度か招集を受けていたが、昨年6月などを含めて負傷で見送ることが多かった。それだけに今回へかける思いは熱く、強い。

 「この機会は最大のチャンス。活かすも殺すも自分次第。しっかりサッカーで表現する必要がある。勝利への執着心は絶対に出さないと」と話している。

 負傷辞退の冨安選手に代わってメンバー入りした町田浩樹選手(サンジロワーズ)は、「自分の特徴である空中戦や対人の強さはもちろん、左利きのセンターバックの重要性は高いと感じているので、ビルドアップなどで違いを作っていければ」と意気込んでいる。

 試合前日には、W杯で活躍した前田大然選手(セルティック)が別メニューでの調整で、久保建英選手(レアル・ソシエダ)も新型コロナ感染の陰性確認が出ずにホテルの部屋での調整となった。このため、二人のウルグアイ戦への出場は難しそうだ。

 だが、カタール大会後、所属クラブで活躍を続けるMF三笘薫選手(ブライトン)やFW上田綺世選手(Cブルージュ)、MF堂安律選手(フライブルク)らは健在。

また、オーストリアリーグで公式戦14得点と好調のFW中村敬斗選手(LASK)は代表デビューを狙っている。森保監督は三笘選手のウルグアイ戦での先発起用を明言した。

 ゲームキャプテンを務める遠藤航選手(シュツットガルト)は、「若い選手も入ってきて新たな競争が始まり、チームとしてこの3年半、どう成長していくか。競争とチームとしての底上げはやっていかないといけない。自分たちがしっかりとボールを動かして、チャンスメイクしていくことにトライしていきたい」と話している。

ウルグアイとの対戦成績は日本の2勝2分4敗。今回のウルグアイは欧州でプレーする、カタールW杯メンバーに加えて若手も多く含めたチームとなっている。

 日本代表は24日のウルグアイ戦後、28日(火)には大阪でコロンビア代表と対戦する。


取材・文:木ノ原句望

■日本代表3月国際親善試合メンバー

ポジション 名前(所属)出場試合数
GK シュミット・ダニエル(シントトロイデン)11
GK 大迫 敬介(広島)3
GK 谷 晃生(ガンバ大阪)1
DF 板倉 滉(ボルシアMG)16
DF 冨安 健洋(アーセナル)32
DF 伊藤 洋輝(シュツットガルト)7
DF 橋岡 大樹(シントトロイデン)2
DF 角田 涼太朗(横浜F・マリノス)0
DF 瀬古 歩夢(グラスホッパ―)0
DF 菅原 由勢(AZアルクマール)1
DF バングーナガンデ佳史扶(FC東京)0
DF 半田 陸(ガンバ大阪)0
MF/FW 遠藤 航(シュツットガルト)47
MF/FW 伊東 純也(ランス)42
MF/FW 浅野 拓磨(ボーフム)41
MF/FW 守田 英正(スポルティング)20
MF/FW 鎌田 大地(フランクフルト)26
MF/FW 西村 拓真(横浜F・マリノス)3
MF/FW 三笘 薫(ブライトン)13
MF/FW 前田 大然(セルティック)11
MF/FW 堂安 律(フライブルク)33
MF/FW 上田 綺世(Cブルージュ)12
MF/FW 田中 碧(デュッセルドルフ)18
MF/FW 町野 修斗(湘南)5
MF/FW 中村 敬斗(LASK)0
MF/FW 久保 建英(ソシエダ)22