令和4年版消防白書によると、令和3年の出火件数は3万5,222件。1日平均で100件近くの火災が発生している計算になります。寒さが厳しい季節は空気が乾燥し、暖房器具の使用が増えることから、火災発生のリスクが高まると言われています。十分に注意をしたいところですが、住宅で発生する火災はどのような原因が多いのでしょうか。

最も多い火災の出火原因は「たばこ」

出典:令和4年版消防白書「災害の現況と課題」(P58)

令和4年版消防白書「災害の現況と課題」によると、火災の出火原因はたばこが最も多く、3,042件。次いでたき火が2,764件、コンロが2,678件となっています。なお、全火災のうち住宅火災に絞って見ても、発火原因の最たるものは「たばこ」という結果に。以下、ストーブ、電気器具、コンロと続いています。

たばこによる火災は全火災の8.6%で、主な経過別出火状況をみると「不適当な場所への放置」が1,921件と、3分の2近くを占めています。住宅火災の死者発生状況を時間帯別に見ると深夜の時間帯が多く、発火源から最初に着火した物は寝具類が最多となっていることから、寝たばこによる火災が多いと推測できます。

また、コンロによる火災は全火災の7.6%を占め、種類別でみると、ガスコンロによる火災が最も多い結果に。主な経過別出火件数は「消し忘れ」が最多でした。

突如として発生し、命を奪われることもある火災には十分な注意が必要です。たばこを消さずに放置してしまう、コンロから目を離して消し忘れてしまうといった不注意が、命運を分けることもあります。火の扱いには十分注意をして、住宅火災を未然に防ぎましょう。