長年の不適切な会計処理が発覚していた

 平野町(株)〈旧商号:小池イマテクス(株)、TDB企業コード:580123845、資本金1億円、大阪市中央区平野町1−8−7、代表清算人藤木久氏〉は、大阪地裁より11月16日特別清算開始命令を受けた。

 当社は、1950年(昭和25年)7月に設立した化粧フィルム商社。合成樹脂の張り合わせ加工紙類や樹脂フィルム類を中心とした建装材や化粧板のほか、扇風機など家電製品の卸売りを手がけていた。70年以上の業歴を有する老舗として、大手の建材商社や建材メーカー、ハウスメーカーなどを主体に営業基盤を確立。97年9月期には年売上高約215億4400万円を計上していた。

 しかしその後は、2007年6月施行の改正建築基準法の影響により、建材・建装向けの需要が落ち込んだことで売り上げは減少傾向で推移。さらに、リーマン・ショックによる建築業界低迷の影響を受け、2010年ごろの年売上高は100億円内外にとどまっていた。加えて、新型コロナウイルス感染拡大以降は住宅向け商材がさらに落ち込んだこともあり、2021年3月期(決算期変更)の年売上高は約79億7500万円にまで落ち込んでいた。

 そのようななか、2022年7月に過年度からの不適切会計が発覚。多額の特別損失を計上し約41億4700万円の大幅な債務超過に転落(2022年3月期を修正)。そのため、抜本的な立て直しおよびグループ再編を目的に第二会社方式による事業再生を企図。2022年9月に別途設立した小池イマテクス(株)(TDB企業コード:088061128、2022年4月設立)へ事業を分割すると同時に、当社は小池イマテクス(株)から現商号へ変更。同年9月8日株主総会の決議により解散し、9月15日に大阪地裁へ特別清算を申請していた。

 負債は申請時点で約36億円(負債の大半は関係会社が占めており債権者は数名のみ)。