第3世代RTXアーキテクチャとなる「ADA Lovelace」アーキテクチャを採用したGPU「GeForce RTX 4090」を搭載したASUSのゲーミンググラフィックボード「TUF-RTX4090-24G-GAMING」は、サイズが約35cm×15cm×7cmもあり、従来の常識では考えられないほどの大きさと性能を誇るグラフィックボードとなっています。このTUF-RTX4090-24G-GAMINGを実際にPCに組み込み、いろいろとベンチマークソフトを動かしてその性能を確かめてみました。

ASUS TUF Gaming GeForce RTX® 4090 24GB GDDR6X | Graphics Card | ASUS Global

https://www.asus.com/jp/motherboards-components/graphics-cards/tuf-gaming/tuf-rtx4090-24g-gaming/

TUF-RTX4090-24G-GAMINGを動かすために組んだPCのパーツは以下。スペックシートによると推奨PSUは850Wということで、電源の容量は1000Wを選択。

PCケース:Coolermaster CM Stacker

CPU:AMD Ryzen 5 7600X

マザーボード:Asrock X670E Taichi Carrara

ストレージ:WD_BLACK SN750 1TB NVMe

メモリ:Crucial CT16G48C40U5 PC5-38400(DDR5-4800)288pin DDR5 UDIMM 16GB

電源:MPG A1000G PCIE5



組み立て完了。



TUF-RTX4090-24G-GAMINGのサイズは348.2mm×150mm×72.6mmで、占有スロット数は「3.65」となっています。Coolermaster CM StackerはBTX規格のタワー型PCケースでかなり大きいのですが、それでもかなりギリギリ。TUF-RTX4090-24G-GAMING自体のPCIe端子は1本なのですが、グラフィックボード自体が非常に分厚いので、キャプチャーボードやサウンドボードなど、他のPCIeデバイスを挿すのはほぼ不可能。



特にTUF Gamingのロゴが描いてある向かって右側が少し外に突き出ているのがネック。



TUF-RTX4090-24G-GAMINGを取り付けるために内部にあるベイユニットを外す必要がありました。



さらに、TUF-RTX4090-24G-GAMINGの重量は2.35kgもあるので、そのままだと重さで曲がってしまう可能性があります。TUF-RTX4090-24G-GAMINGに付属している支えを使います。



支えはあくまでも簡易的なものでネジ止め式ではなく、TUF-RTX4090-24G-GAMING本体の下に画像のように差し込むようにして使います。



今回はなんとか左側の下に差し込むことができましたが、PCIeスロットから離れてる右側には差し込むことができませんでした。取り付け後に見ると、やはりTUF-RTX4090-24G-GAMINGがやや右に傾いて見えるのが不安なところ。ケースによっては別途金具を用意する必要がありそうです。



ドライバは公式に配布されているGeForce Game Ready ドライバーのバージョン526.47をインストールしています。

GeForce Game Ready ドライバー | 526.47 | Windows 10 64-bit, Windows 11 | NVIDIA

https://www.nvidia.co.jp/download/driverResults.aspx/194115/jp

インストール後、nvidia-smi.exeから確認。ちゃんと認識されています。



nvidia-smi.exeではGPUの温度や消費電力、クロック周波数を見ることができます。



なお、インストール直後のVBIOSはバージョン95.02.18.00.60。



この時、最低電力制限が10Wになっていました。



この後、VBIOSをバージョン95.02.18.80.93にアップデートしました。



すると、最低電力制限が150Wに上がっていました。



GPU-Zで取得した情報が以下。



赤外線サーモグラフィのFLIR i3でグラボを撮影すると、だいたい40度前後。



ちょうどGPUがある位置を撮影すると、48.4度でした。



MSIのバーンインベンチマークツール「MSI Kombustor」の「FurMark-Donut-6500M(GL)」で、解像度3840×2160ピクセルのフルスクリーンでストレステストを10分間走らせてみました。



10分経過しても表示される映像がカクカクすることはありませんでした。



FurMark-Donut-6500Mを回していくとグラフィックボードの温度は上がっていき、GPUのある位置を測定すると60.7度。



GeForce RTX 4090搭載グラフィックボードは電源ケーブルの融解が問題となっていました。排気の熱が集まりやすいポイントですが、測定してみると64.8度。



FurMark-Donut-6500Mの表示を見ると、GPUの温度は64度でした。



なお、ベンチマーク中はPCケースのフタを開けたままにしていたのですが、フタを閉めると気流が悪くなるためか、GPU温度が90度近くまで上がることもありました。以下はフタを開けた直後に撮影した画像。



ただし、nvidia-smi.exeを見ると「GPU Shutdown Temp」が104度、「GPU Slowdown Temp」が99度、「GPU Max Operating Temp」が90度となっており、GPUの温度が90度を超えると制限がかかるようになっています。



また、OpenGL版MSI-01のベンチマークを解像度3840×2160ピクセルのフルスクリーンで実行してみました。



結果は7228点。公式サイトによれば、同じNVIDIA GeForce RTX 3080だと3567点でした。



つづいてFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」を走らせてみました。

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION Benchmark | SQUARE ENIX

http://benchmark.finalfantasyxv.com/jp/

カスタム設定・解像度3840×2160ピクセル・フルスクリーンで走らせてみたところ、スコアは12422、評価は「非常に快適」となりました。



カスタム設定はこんな感じで、すべて最高設定にしています。「NVIDIA DLSS(Deep Learning Super Sampling)」は4K解像度でレンダリングを行う際に、AIによる自動生成でフレーム間を補完する技術。なお、GeForce RTX 4090はNVIDIA DLSS3対応で、さらにAIの超解像技術によってGPUの負荷を下げながら高解像度・高フレームレートを可能にすることが可能です。



解像度を3840×2160ピクセルに、さまざまなグラフィック品質も最高に設定しているので、表示されるデモムービーもかなり重い動きになるのではないか?と思ったのですが、実際のムービーは非常になめらかで、視聴する上でまったく支障がありません。



カスタム設定でNVIDIA DLSSをオフにするとGPUに負荷がかかるためか、スコアは少し下がって11347。それでも「とても快適」という評価で、プレイには支障がないレベル。



古いベンチマークソフトですが、ゆめりあベンチマークを1920×1080ピクセルに対応させた上で回してみたところ、スコアは24万前後でした。ゆめりあベンチ結果報告スレを見ると、同じASUSのTUF-RTX4090-24G-GAMINGで1920×1080ピクセル・最高画質で42万以上のスコアが報告されていたので、CPUやメモリの性能を上げればもう少しスコアは伸ばせそうです。





そしてGPU単体の演算能力を調べるべく、仮想通貨マイニングツール「XMRig」で、NVIDIA CUDAを使ったRandomXマイニングによるベンチマークを行ってみました。

XMRig

https://xmrig.com/

GeForce RTX 3060を使った場合のハッシュレートは約2000H/sでした。



そしてGeForce RTX 4090だとハッシュレートは約4000H/s、マイニング中の電力は約240Wでした。



次回はゲーミンググラフィックボードということで、実際にゲームを動作させてみます。

<つづく>