男性のプロポーズからちょうど3年後に結婚(画像は『Viktoria 2022年10月2日付TikTok「Thank you to my bestfriend for the video」』のスクリーンショット)

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重度の皮膚障害で命の危機に晒された女性に寄り添い、奇跡を信じてプロポーズした男性がいる。出会いから4年、プロポーズからちょうど3年、2人は夢にまで見た結婚式を挙げた。真実の愛を貫き通した2人のストーリーを『Good Morning America』が伝えた。

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フィリピン出身で2011年に米イリノイ州シカゴ近郊に移住したヴィクトリア・アンジェラ・クペイさん(Viktoria Angela Cupay、26)が運命の人、ニコラス・ウィリアム・バルドさん(Nicholas William Baldo、32)に出会ったのは2018年4月のことだった。

カリフォルニア州サンフランシスコを訪れていたヴィクトリアさんはその日、ナイトクラブでニコラスさんに「ダンスを踊りませんか?」と声をかけ、それに応じたニコラスさんから電話番号を聞かれたという。

「最初は躊躇したの。でもその後、彼が(イリノイ州シカゴ近郊にある)ウェストモントの出身で、2週間後に実家を訪れる予定だと知って、それならば…と連絡先を教えたわ。そして次の晩もデートをしたの」と明かすヴィクトリアさん。こうして運命の出会いをした2人は2週間後にイリノイ州で再会すると、その後は交代で2つの州を行き来しながらデートを重ねた。2人の関係は急速に深まり、ニコラスさんは「出会いから6か月後には、彼女こそ自分が将来を共にする人だと確信していた」と後に明かすほどだった。

そんな2人に2019年6月、大きな変化が訪れた。ヴィクトリアさんが高熱でシカゴの総合病院に緊急入院をしたのだった。

実はヴィクトリアさん、難病に指定されている自己免疫疾患「全身性エリテマトーデス(SLE)」と2016年に診断されており、「発熱はSLEのせいだろう」と思っていたという。しかし全身に紅斑や水ぶくれができ始め、医師は薬剤によって誘発された重度の皮膚障害「スティーヴンス・ジョンソン症候群(SJS)」、またはSJSよりも重症の「中毒性表皮壊死融解症(TEN)」と診断した。

症状は重く、当時23歳だったヴィクトリアさんは皮膚が壊死、まるで火傷したように剥離し、火傷専用の集中治療室で1か月、薬による昏睡状態に置かれた。

一方でヴィクトリアさんが瀕死の状態であると知ったニコラスさんは、サンフランシスコからイリノイ州の病院に駆けつけた。そしてヴィクトリアさんの意識が回復すると、彼女の母の許可を得て集中治療室でプロポーズ、受け入れて頷く彼女に祖母から譲り受けた指輪をはめた。2019年8月19日のことだった。

ヴィクトリアさんは、当時のことをこう振り返る。

「あの日、部屋にいたのは母とニック(ニコラスさん)と音楽療法士だけだった。昏睡状態から覚めたばかりの私は、自分が置かれている状況を全く理解できなくてね。話すこともできず、鏡を渡されて自分を見た時は驚き、ショックを受けた。だって私はまるで別人のように痩せ、皮膚もほとんどが剥がれ落ちてしまっていたの。」

「でも彼はそんな私にプロポーズをし、私と一緒にいることを選んでくれた。私と残りの人生を一緒に過ごすことを選択してくれたの。私はとにかく嬉しさでいっぱいだった。」

その後、ニコラスさんはヴィクトリアさんのケアをするためイリノイ州の両親のもとに移り住み、リモートで仕事を続けながらフィアンセに寄り添った。ニコラスさんは当時の気持ちを「彼女のそばを離れることはできなかった。回復に時間がかかるのはわかっていたけど、彼女には僕がそばにいるってことを知っていて欲しかった」と吐露している。

ヴィクトリアさんは240日間を病院で過ごし、気管切開、胃瘻造設などを含む3度の手術を受けた。髪を失い、やせ細り、何度も死の危険に晒されたヴィクトリアさんは、あまりのつらさに何度も「もう死んでしまいたい」と思ったそうだが、ニコラスさんや家族、病院の力強いサポートを受けて病気と闘い続け2020年2月に退院している。

そして集中治療室でのプロポーズからちょうど3年後の2022年8月19日、2人はシカゴの教会で結婚式を挙げた。「まさかこんな日が来るなんて思いもしなかった」と語るヴィクトリアさん。続けて「3年前のあの日は、とにかく幸せで…幸せで、感謝でいっぱいだった。だから結婚式は、私がプロポーズを受けた日に決めたの! 私は第二の人生を生きることができて本当に幸せよ!」と笑顔で明かした。

ちなみに2人には「これぞ真の愛!」「愛の強さを感じる!」「このカップルに幸あれ!」といった声のほか、ニコラスさんの母クリスさん(Kris)からこんなコメントが届いている。

「私は2人のどん底を見てきた。そして今、彼らは楽観的で柔軟性を持ちながら、強く深い愛で人生の最高の時を楽しんでいる。2人が痛みや困難を乗り越えてこられたのは奇跡! でも2人は奇跡が可能であることを信じて進んできた。そんな2人の結婚式は、友人や家族に囲まれダンスや笑いで溢れていた…。2人がこれまで経験してきた以上につらいことなどないはずよ! これからも2人の幸運を祈っているわ!」

画像は『Viktoria 2022年10月2日付TikTok「Thank you to my bestfriend for the video」、2022年8月31日付TikTok「Exactly a year ago our proposal video went viral!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)