夜の空港に激映えでした!いい色!

「サメ肌」採用でCO2削減?

 ANA(全日空)の新たな特別塗装機「ANA Green Jet(ANAグリーンジェット)」が2022年10月5日の夜、サンフランシスコ行きNH108便でデビューしました。通常機では2色のブルーが入った尾翼デザインが特徴のANA機ですが、この「ANAグリーンジェット」は、2色の緑の尾翼をまとった外装が大きな特徴です。


羽田空港を出発する「ANAグリーンジェット」(2022年10月5日、乗りものニュース編集部撮影)。

「ANAグリーンジェット)」は、ANAグループが持続可能な社会の実現と企業価値向上を目指し立ち上げたプロジェクト「ANA Future Promise」の取り組みをアピールするもの。塗装をまとうのはボーイング787-9国際線仕様機「JA871A」。おもに欧米路線を担当する機体です。

 尾翼は緑ですが、胴体にはANAのコーポレートカラーである青、そして緑の2色で、波線状のラインが引かれ、これらが入り交じるように描かれています。機体左側には「ANA Future Promise」と葉のモチーフのライン、右側には「SAF Flight Initiative」の文字とロゴと水のモチーフのラインが描かれており、左右非対称のデザインが特徴です。

 また外装には、CO2排出量削減に向けた取り組みの第一弾とし「サメ肌効果」が期待される“リブレット技術”を用いた縦35cm×横45cmのフィルムを、数か所に貼り付けて、その効果を検証します。この取り組みは、国内の航空会社では初とのことです。

 この「サメ肌」の表面形状を採用することで、機体の空気抵抗を低減できる効果が期待されているとのこと。仮にANAの全機材にリブレットシートを貼った場合、年間約30万tのCO2排出量の削減を期待できるといいます。

機内に世界初の設備! 目も耳も特別な機内!

「ANAグリーンジェット」の機内には、東レと、青森県発のベンチャー企業appcycle社の2社がそれぞれ開発したヴィーガンレザー(植物由来の成分を使用した人工皮革)を使用したヘッドレストカバーを世界の航空会社に先がけ導入。appcycle社のものは、青森県産のりんごで作ったジュースの搾りかすを使用しているそうです。

 同機の搭乗時のBGMには、自然を想像できる特別なものを採用。機内の照明も、緑系統のオリジナルカラーのものを導入しているほか、CA(客室乗務員)が着用するエプロンも、特別仕様のものが用意されています。


羽田空港を出発する「ANAグリーンジェット」(2022年10月5日、乗りものニュース編集部撮影)。

「ANAグリーンジェット」の初便である3日発のNH108便には141人が搭乗。出発時にはオリジナルの横断幕での見送りも実施され、22時55分に羽田空港を出発しています。

 このほか11月からは、787-8国内線仕様機「JA874A」も同様の塗装に塗り替えられ、国内・国際の両路線で中長期的にこの塗装で運用されるとのこと。ANAではこの特別機の就航を皮切りに、機内サービスや運航オペレーションの面で、さまざまなサステナブルな取り組みを進めていくとしています。


※一部修正しました(10月7日19時00分)。