高架化工事が完成した、西鉄天神大牟田線の雑餉隈〜下大利間。車窓も街の風景も、この日を境に大きな変化となりました。

高架化して約2週間後の現地

 西鉄天神大牟田線の雑餉隈〜下大利間の連続立体交差事業が、約20年の期間を経てついに完成。2022年8月28日から高架線での運転が開始されました。


高架駅となった雑餉隈駅(乗りものニュース編集部撮影)。

 これにともない、雑餉隈・春日原・白木原・下大利の4駅が、地上駅から高架駅に。ホームも広くなり、視界に空が広がる、真新しい駅の風景に生まれ変わりました。春日原駅は優等列車を退避可能な「2面4線」構造を維持。高架化により、大橋駅や西鉄久留米駅などと同じ雰囲気の駅になっています。ダイヤ面では高架化に伴い、最大2分の時間短縮が実現しています。

 また雑餉隈駅の南側には、新駅「桜並木駅」が2023年度後半に開業予定です。ホーム部は高架化工事と一体で行われたため、すでにほぼ完成形。各駅停車に乗っていると、電車が誤通過してしまったと錯覚するほど、開業間近の雰囲気でした。

 ただその下のコンコース・入口部分はまだコンクリート構造体があるのみ。これから駅施設の工事が本格化していきます。駅前には西鉄バスの雑餉隈営業所がありましたが、竹下営業所として2020年に移転しており、敷地が駅前広場として再開発される予定です。

 高架化にともない、朝夕を中心に慢性的な渋滞となっていた、計19か所の踏切が解消。JR南福岡駅へつづく道路も、踏切待ちの大渋滞が嘘のように、高架下を車が通過していきました。

 春日原駅付近のショッピングモール利用客は「電車が駅に停まる前から踏切が閉まっていた。特に夕方はなかなか踏切が上がらないため、イライラしていた。高架化でストレスが無くなる」と話します。

 使用停止した旧地上線は、高架下の薄暗がりにその名残をとどめていました。今後、順次撤去工事が行われ、2025年度をめどに、全ての事業が完了する見込みです。
 
 ちなみに高架化した4駅はそれぞれ「ざっしょのくま」「かすがばる」「しらきばる」「しもおおり」と読みます。