博多近郊の″閑散路線″「勝田線」が開業した日 住宅街の不遇路線 -1918.9.19
104年前の9月19日、福岡市近郊のローカル線「勝田線」が開業しました。
起点駅は博多駅の隣駅
かつて福岡市近郊を走っていた勝田線(画像:宇美町)。
今から104年前の1918(大正7)年9月19日。かつて福岡市近郊を走っていたローカル線「勝田線」の最初の区間である、宇美〜筑前勝田が開業しました。
「筑前参宮鉄道」によって建設され、炭鉱と港をむすぶ路線として、また宇美駅に近い宇美八幡宮への参詣路線として、貨物・旅客の両面で営業が続けられました。翌年には全通を迎えています。
折しも1905(明治38)年には、すぐ隣で現在の香椎線が全通。こちらは西戸崎の積み出し港までを直結しました。両線とも終戦直前に国有化され、国鉄勝田線、国鉄香椎線となっています。
戦後、1960年代に入ると石炭産業は斜陽を迎えます。香椎線と篠栗線の両方と並行していたこともあり、香椎線のほうが運行面で優遇されていました。1978年10月時点のダイヤを見ると、勝田線が1日7往復、香椎線が1日11往復運行となっています。
博多駅へ最短距離へ直結する勝田線でしたが、並行する路線バスに押され、苦しい経営が続きます。国鉄によるテコ入れもなく、他の炭鉱路線などとともに廃止が決定し、1985(昭和60)年に廃止されてしまいます。
「都市型路線」のポテンシャルが高かったにもかかわらず、ほぼ全線に渡ってすぐ隣に並行路線があったがゆえに、不遇を味わった勝田線。今もファンの間で惜しむ声があります。