JR和田岬線が開業した日 休日はわずか2往復「都会のローカル線」 -1890.7.8
132年前の7月8日、兵庫県神戸市のJR山陽本線の支線、和田岬線が開業しました。
昔ながらの通勤「専用」路線
和田岬線を走る103系電車6両編成の普通列車(2019年1月28日、草町義和撮影)。
今から132年前の1890(明治23)年7月8日。JR山陽本線の兵庫駅から和田岬駅までをむすぶ一駅だけの支線、いわゆる「和田岬線」が開業しました。
和田岬線は神戸市の臨海工業地帯、和田岬地区への重要な通勤路線となっています。逆に言えば通勤需要に極端に特化したダイヤで、日中は列車の運行が全くなく、日曜日に至っては朝夕1往復ずつしかありません。さらにはレアな「土曜日ダイヤ」まであります。
鉄道空白地帯にありながら日常的な利用には全く向いておらず、地域住民はもっぱら市バスで三宮など中心街へ出向いていました。それが一変したのが2001(平成13)年の神戸市営地下鉄海岸線の開業です。和田岬や苅藻などの臨海地域とJR神戸駅が鉄道で結ばれ、通勤・通学需要も相当割合が流れたといいます。
さて、もともと和田岬線は貨物線としての開業でした。1911(明治44)年にようやく旅客営業を開始し、翌年には今はなき中間駅「鐘紡前駅」が開業しています。
神戸市内にありながら、1990(平成2)年まで客車列車(機関車が客車を引く列車)が現役で、その後も2001年まで気動車が走っていました。現在も103系電車がのっそりと街角を走っており、つねに「一歩昔の鉄道風景」を今に残す存在となっています。