2扉で転換クロスシート ハイグレードなキハ66・67形が営業運転を終了した日-2021.6.30
わずか30両しか製造されませんでした。
車内レイアウトは117系に受け継がれる
いまから1年前の2021年6月30日、JR九州のキハ66・67形ディーゼルカーが営業運転を終了しました。
キハ66・67形は国鉄時代の1974(昭和49)年から1975(昭和50)年にかけて製造された車両で、1975年3月10日の山陽新幹線博多開業時における北九州地区での接続輸送と老朽化したディーゼルカーを置き換えるために2両編成15本の計30両が登場しました。
国鉄急行色を先頭にしたキハ66・67形ディーゼルカー(画像:写真AC)。
前面は急行形のキハ58系やキハ65形と似ていますが、通勤通学輸送から急行まで幅広く対応するため扉は両開きで片側2ヶ所の配置。座席は出入口付近はロングシートであるものの、それ以外は転換クロスシートを採用し、ディーゼルカーでは初めて集中式の冷房装置を搭載したのが特徴です。エンジンは特急形のキハ181系で採用されたものを改良した高出力エンジンを搭載し、グレードの高い近郊形車両でもありました。
当初は筑豊本線や篠栗線、日田彦山線、久大本線などで使用されましたが、2001(平成13)年に筑豊本線(折尾〜桂川)と篠栗線が電化されたことにより全車が長崎地区に転属。佐世保線(佐世保〜早岐)や大村線の快速「シーサイドライナー」などで使われるようになりました。
しかし、2020年3月14日のダイヤ改正でバッテリーを搭載したハイブリッド式の新型車両YC1系が営業運転を開始したことにより徐々に数を減らし、2021年6月30日をもって運用を終了しました。
キハ66・67形で採用された片側2扉転換クロスシートの車内レイアウトは、1979(昭和54)年に登場した117系電車に受け継がれています。