お茶は熱湯NG!農家直伝【お茶のおいしい淹れ方】その淹れ方では旨味半減!? 決め手は温度&抽出時間!
新茶の季節になりましたが、お茶をおいしく淹れる方法ってご存じですか?実は良い茶葉を手に入れても、淹れ方によっては渋みが強くなり、旨味をほとんど感じられない”残念茶”になってしまうんです…!そこで、お茶をよく知る農家に、お茶の淹れ方をイチから教わりました。ポイントはお湯の温度&抽出時間。みなさんメモのご用意を~!
開封後のお茶は冷蔵保存NG!【お茶農家直伝!緑茶の正しい保存法】茶葉は昔ながらのあの缶に入れるべし
今回お茶の淹れ方を教えてくれたのは、東京都西多摩郡瑞穂町で狭山茶を製造直売している森藤園の森田藤紀さん。狭山茶と言えば、埼玉県産だと思っていましたが、東京都でも狭山茶が栽培されているんです!
「そもそも狭山茶は、埼玉県西部から瑞穂町を筆頭とした東京都多摩地区を含む”狭山丘陵地域”で栽培されるお茶を指します。東京都産のものは東京狭山茶とも呼ばれていますね」(森田さん)
『色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす』と唄われる茶摘み歌にあるように、狭山茶の特徴は何といっても、コクのある深~い味わい。
そんな日本茶をおいしく味わうには、”どう淹れるか”がとても大切なんだそう。
「茶葉を生かすもころすも淹れ方次第。例えば、お湯の温度。熱湯で淹れてしまうと苦み成分であるカフェインや渋み成分であるカテキンが多く出てしまい、お茶の旨味がかき消されてしまいます。また、茶葉に合わせた抽出時間の調整も欠かせません」(森田さん)
では、さっそくおいしい淹れ方を紹介します!
お茶農家に教わる!煎茶のおいしい淹れ方
用意するもの
急須
湯飲み
お湯(約80℃)
茶葉…1人当たり4~5g(浅蒸し)もしくは3g(深蒸し)
淹れ方
1.使用する全ての湯飲みにお湯を注ぎ、量を計る。
「この手順には湯飲みを温め、適温となるようにお湯を5~10℃下げるという意味もあります。飲むタイミングで70℃くらいになっているのがベストです」(森田さん)
2.急須に茶葉を入れ、1のお湯を急須に注ぐ。
3.急須にフタをし、浅蒸し茶の場合は60秒、深蒸し茶の場合は40秒ほど待って、湯飲みに注げば完成。
「湯飲みが複数ある場合は、交互にお茶を注ぎ入れます。お茶の味わいが均一になりますよ」(森田さん)
注ぎ切った後は、2杯目をおいしく飲むために、急須のフタはずらしておきましょう。
ちなみに2杯目を楽しむ場合は、急須の扱い方にちょっとしたコツが。
「注ぎ終わったあとは茶葉が注ぎ口側に寄っています。そこで急須の注ぎ口の反対の側面をポンと叩きましょう。茶葉が真ん中に寄って、2回目も注ぎやすくなりますよ」(森田さん)
ポン、と軽く叩くとこの通り。
こうすれば、茶葉が詰まってお茶が出てこない~なんてことも防げます。
「浅蒸し」と「深蒸し」は風味も違う!
お茶の淹れ方でも記載のあった「浅蒸し」と「深蒸し」。お茶のパッケージに書かれているのをよく見かけますが、これは一体…?
「収穫した茶葉はその日の内に蒸して揉みこみ、乾燥させますが、『浅蒸し』と『深蒸し』は、製造において最も重要な蒸し時間を表しています。蒸し時間の短いものが『浅蒸し』、長いものが『深蒸し』です」(森田さん)
産地によって蒸しの通りやすさが変わりますが、時間が短い順に、「浅蒸し」「普通蒸し」「深蒸し」「特蒸し」と呼びます。同じ茶葉でも蒸し時間が変わると香りも味わいも大きく異なるそうですよ。
「蒸し時間が短いと、大きな茶葉で清涼感のある爽やかな味わいに、蒸し時間が長いと細かな茶葉でしっかりとしたコクを感じる味わいになります。また、蒸し時間が長くなると、淹れたお茶の色も濃くなりますね」(森田さん)
左が浅蒸し、右が深蒸しの茶葉。狭山茶は深蒸しが定番です。
茶器をそろえればお茶がもっと楽しめる!
「勉強のため他産地のお茶を買って飲み比べていますが、買う度に新たな出会いや気づきがあり、お茶の世界の奥深さを実感します。最近は茶器の魅力にも気づいてしまって、もう大変です(笑)」(森田さん)
急須だけでも数種類愛用しているという森田さん。購入の際に注目しているのが、蓋と本体を軽く叩き合わせた時に出る音。鉄分を多く含んだ土で作られた急須は良い音が響き、タンニン(渋み)と反応して味もまろやかになるそうですよ!
急須に含まれる酸化鉄がタンニンと反応することで、お茶の味がまろやかになるのだそう!
「急須はもちろん、湯飲みを変えるだけでも気分が変わります。お気に入りの茶器でぜひお茶を楽しんでくださいね」(森田さん)
【あわせて読みたい】
【東京狭山茶】の中でも最高級品「手もみ茶」飲んでみた!ほぼ無色なのに旨味がすごくて、まるで濃厚出汁⁉
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今回お茶の淹れ方を教えてくれたのは、東京都西多摩郡瑞穂町で狭山茶を製造直売している森藤園の森田藤紀さん。狭山茶と言えば、埼玉県産だと思っていましたが、東京都でも狭山茶が栽培されているんです!
「そもそも狭山茶は、埼玉県西部から瑞穂町を筆頭とした東京都多摩地区を含む”狭山丘陵地域”で栽培されるお茶を指します。東京都産のものは東京狭山茶とも呼ばれていますね」(森田さん)
『色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす』と唄われる茶摘み歌にあるように、狭山茶の特徴は何といっても、コクのある深~い味わい。
そんな日本茶をおいしく味わうには、”どう淹れるか”がとても大切なんだそう。
「茶葉を生かすもころすも淹れ方次第。例えば、お湯の温度。熱湯で淹れてしまうと苦み成分であるカフェインや渋み成分であるカテキンが多く出てしまい、お茶の旨味がかき消されてしまいます。また、茶葉に合わせた抽出時間の調整も欠かせません」(森田さん)
では、さっそくおいしい淹れ方を紹介します!
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用意するもの
急須
湯飲み
お湯(約80℃)
茶葉…1人当たり4~5g(浅蒸し)もしくは3g(深蒸し)
淹れ方
1.使用する全ての湯飲みにお湯を注ぎ、量を計る。
「この手順には湯飲みを温め、適温となるようにお湯を5~10℃下げるという意味もあります。飲むタイミングで70℃くらいになっているのがベストです」(森田さん)
2.急須に茶葉を入れ、1のお湯を急須に注ぐ。
3.急須にフタをし、浅蒸し茶の場合は60秒、深蒸し茶の場合は40秒ほど待って、湯飲みに注げば完成。
「湯飲みが複数ある場合は、交互にお茶を注ぎ入れます。お茶の味わいが均一になりますよ」(森田さん)
注ぎ切った後は、2杯目をおいしく飲むために、急須のフタはずらしておきましょう。
ちなみに2杯目を楽しむ場合は、急須の扱い方にちょっとしたコツが。
「注ぎ終わったあとは茶葉が注ぎ口側に寄っています。そこで急須の注ぎ口の反対の側面をポンと叩きましょう。茶葉が真ん中に寄って、2回目も注ぎやすくなりますよ」(森田さん)
ポン、と軽く叩くとこの通り。
こうすれば、茶葉が詰まってお茶が出てこない~なんてことも防げます。
「浅蒸し」と「深蒸し」は風味も違う!
お茶の淹れ方でも記載のあった「浅蒸し」と「深蒸し」。お茶のパッケージに書かれているのをよく見かけますが、これは一体…?
「収穫した茶葉はその日の内に蒸して揉みこみ、乾燥させますが、『浅蒸し』と『深蒸し』は、製造において最も重要な蒸し時間を表しています。蒸し時間の短いものが『浅蒸し』、長いものが『深蒸し』です」(森田さん)
産地によって蒸しの通りやすさが変わりますが、時間が短い順に、「浅蒸し」「普通蒸し」「深蒸し」「特蒸し」と呼びます。同じ茶葉でも蒸し時間が変わると香りも味わいも大きく異なるそうですよ。
「蒸し時間が短いと、大きな茶葉で清涼感のある爽やかな味わいに、蒸し時間が長いと細かな茶葉でしっかりとしたコクを感じる味わいになります。また、蒸し時間が長くなると、淹れたお茶の色も濃くなりますね」(森田さん)
左が浅蒸し、右が深蒸しの茶葉。狭山茶は深蒸しが定番です。
茶器をそろえればお茶がもっと楽しめる!
「勉強のため他産地のお茶を買って飲み比べていますが、買う度に新たな出会いや気づきがあり、お茶の世界の奥深さを実感します。最近は茶器の魅力にも気づいてしまって、もう大変です(笑)」(森田さん)
急須だけでも数種類愛用しているという森田さん。購入の際に注目しているのが、蓋と本体を軽く叩き合わせた時に出る音。鉄分を多く含んだ土で作られた急須は良い音が響き、タンニン(渋み)と反応して味もまろやかになるそうですよ!
急須に含まれる酸化鉄がタンニンと反応することで、お茶の味がまろやかになるのだそう!
「急須はもちろん、湯飲みを変えるだけでも気分が変わります。お気に入りの茶器でぜひお茶を楽しんでくださいね」(森田さん)
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森藤園
森田藤紀さん
静岡県で2年間茶生産の基本を学び、東京都西多摩郡瑞穂町で両親とともに日本三大銘茶のひとつ「狭山茶」の製造直売をしている。栽培品種は「やぶ北」「きらり31」「さえあかり」など全11品種。森藤園のお茶は敷地内にある販売所のほか、オンラインショップでも購入できる。
森藤園ホームページ:https://morifujien-mizuho.tokyo/
森藤園オンラインショップ:https://morifujien.theshop.jp/