「4年前の2018年W杯に10代で出場した逸材7人のいま」

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世界各地でインターナショナルマッチが行われている。

ここでは4年前のワールドカップに10代で出場した7人の現在地を取り上げてみる(市場価値はTransfermarkt調べ)。

トレント・アレクサンダー=アーノルド(イングランド)

1998年10月7日生まれ(当時19歳、現在23歳)

当時の市場価値2500万ユーロ(35億円)、現市場価値8000万ユーロ(112億円)

いまやリヴァプールでも絶対的存在になった秀英右サイドバックは、当時から現在最も突出した若手の一人として評価されていた。

2018年5月にレアル・マドリーとのCL決勝を戦うと、その翌月にフル代表経験なしでW杯メンバーに抜擢。本大会ではベルギーとのグループステージ最終戦1試合に出場した。

その後の活躍は周知の通り。

23歳にして、リヴァプールで6つの主要タイトルを獲得(プレミアリーグ、CL、FAカップ、英リーグカップ、クラブW杯、UEFAスーパーカップ)。

ただ、EURO2020は故障で欠場しており、主力として代表ビッグトーナメントを戦ったことはまだない。

アシュラフ・ハキミ(モロッコ)

1998年11月4生まれ(当時19歳、現在23歳)

当時の市場価値500万ユーロ(7億円)、現市場価値6500万ユーロ(91億円)

レアル・マドリーで育成された快速サイドバック。

17歳で代表にデビューするなど将来を嘱望されており、2018年W杯では左サイドバックとして全3試合に出場した。

2018年夏にレアルからドルトムントにローンされると大きく成長。インテルを経て、現在はPSGで活躍を続けている。

ヴァヒド・ハリルホジッチ監督が率いるモロッコ代表は2022年のW杯出場権を獲得。ハキミは指揮官から寵愛を受けており、予選突破に貢献している。

ムサ・ワゲ(セネガル)

1998年10月4日生まれ(当時19歳、現在23歳)

当時の市場価値100万ユーロ(1.4億円)、現市場価値150万ユーロ(2.1億円)

長友佑都がそのスピードを賞賛したことで有名になった快速右サイドバック。2018年W杯では3試合に出場し、日本戦ではゴールも決めた。

同年夏にオイペンからバルセロナに引き抜かれるも、それ以降は度重なる怪我に苦しめられている。

PAOKに貸し出されていた2020年末には決死のクリアでチームを救った際にポストに激突。

右膝の外側側副靭帯、後十字靭帯、前十字靭帯の損傷、膝蓋腱を断裂する重傷を負ってしまった。

この怪我で1年以上も離脱しており、この試合を最後に実戦から遠ざかっている(代表戦出場も2020年11月が最後)。

今年4月に練習には復帰したが、現時点ではバルサとの契約は2023年6月末までのようだ。

ホセ・ルイス・ロドリゲス(パナマ)

1998年6月19日生まれ(当時19歳、現在23歳)
当時の市場価値50万ユーロ(7000万円)、現市場価値80万ユーロ(1.1億円)

当時、久保裕也が所属していたヘントのBチームでプレーしていた若きアタッカー。

母国では16歳でプロデビューするなど期待されてきた逸材で、W杯ではベルギーやイングランド戦含めて全3試合に先発した。

2018年10月に行われた日本との親善試合にも出場するなど代表の主力に定着。「El Puma」の異名がつけられるなどパナマのスターになっており、ここまで32キャップを積み重ねてきた。

現在は、原大智と同じスペイン1部のアラベスが保有しており、昨季は2部スポルティング・ヒホンに貸し出されて35試合に出場。

ただ、今大会の北中米カリブ予選はカナダが躍進したこともあり、パナマは予選敗退となっている。

ダニエル・アルザニー(オーストラリア)

1999年1月4日生まれ(当時19歳、現在23歳)

当時の市場価値150万ユーロ(2.1億円)、現市場価値50万ユーロ(7000万円)

イラン生まれながら、7歳でシドニーに移住した選手。2018年1月にプロデビューすると、Aリーグの最優秀若手選手に選出されるなどブレイク。W杯メンバーに抜擢されると、本大会でも3試合に出場した。

2018年夏にマンチェスター・シティに引き抜かれるも、同年10月に前十字靭帯を断裂する重傷で1年以上も離脱。

その後、2020年1月に復帰すると、2021年の東京五輪に出場した。グラハム・アーノルド代表監督は復活を期待しており、昨年もフル代表に招集されている。ただ、代表戦での出場は2018年10月が最後(代表キャップは6)。

保有権を持つシティでの出場はまだなく、4クラブにローンされ、昨季はベルギー2部で斉藤光毅とともにプレーした。

なお、オーストラリアはペルーとの大陸間プレーオフに勝利すれば、W杯出場が決まる(アルザニーはプレーオフのメンバーには選ばれていない)。

フランシス・ウゾホ(ナイジェリア)

1998年10月28日生まれ(当時19歳、現在23歳)
当時の市場価値100万ユーロ(1.4億円)、現市場価値50万ユーロ(7000万円)

196cmという恵まれた体躯を持ち、2013年のU-17W杯には弱冠14歳で選ばれたという逸材。

2018年W杯では19歳の若さでアルゼンチン戦を含めて全3試合に出場してその名を轟かせた。

ただ、2019年10月のブラジル戦で膝に重傷を負うなど、その後のキャリアは停滞気味。

2018年当時はデポルティーボ・ラコルーニャが保有していたが、トップチームでは2試合にしか出場できず。現在はキプロスのオモニア・ニコシアに所属している。

ナイジェリア代表も今大会は最終予選でガーナに敗れて予選敗退。ウゾホはトーパス・パーテイの強烈なシュートを弾き切れずに失点し、戦犯扱いされることに…。

その後、「人生最悪の数日間だった。我が国をカタールに連れていきたかったが、その逆になってしまった」と謝罪のメッセージを出した。

現地メディアは、現状ウゾホの代表キャリアは2018年W杯で停止状態になっていると伝えている。

キリアン・エムバペ(フランス)

1998年12月20日生まれ(当時19歳、現在23歳)

当時の市場価値1.2億ユーロ(168億円)、現市場価値1.6億ユーロ(224億円)

当時、PSG加入1年目だった彼は「世界で最も優れた10代選手」としてすでに大きな注目を集めていた。

2018年W杯では10番を背負うと4ゴールを決め、10代にしてW杯優勝を達成。大会MVPはルカ・モドリッチに譲ったものの、最優秀若手賞を授与された。

その後も代表とPSGで活躍を続け、パリではズラタン・イブラヒモヴィッチを上回る歴代2位の通算得点数に到達(通算200ゴールのエディンソン・カバーニに次ぐ、171ゴール)。

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もはや手にしていないのはUEFAチャンピオンズリーグだけだが、レアル・マドリーへの移籍を封印し、PSGで戦うことを決めた。