ビートたけし、居心地求めて「愛人」と事務所独立! - 渡邉裕二
※この記事は2018年03月19日にBLOGOSで公開されたものです
「オフィス北野ってオレの事務所だよ。オレの事務所をオレが辞めて誰に文句言われてんだよ」ビートたけし(71)の所属事務所「オフィス北野」独立騒動が尾を引いている。
冒頭の言葉は17日夜、TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」に生出演した際のたけしのコメント。さらに「(独立しても)何も変わっていない。仕事を増やすわけでも減らしたいわけでもない」とも言い放っていた。
昨今はSMAPの香取慎吾、草磲剛、稲垣吾郎やのん(能年玲奈)、清水富美加、ローラ、さらには小泉今日子など、何かと芸能人の独立が賑わっていた。しかし、そういった中でも、今回のたけしの事務所退社、独立は、その面々とは違う…何か異彩のようなものを放っている。
確かに、独立に向けて数年前から水面下で準備していたことは確かで、一部には「予想されていた」とする声もあった。しかも、3年前には18歳年下の〝愛人〟と言われた女性と新会社「T.Nゴン」という新会社も設立していた。
ちなみに、社名の「T」は「たけし」で「N」は小説に出てくる主人公の名前。そして「ゴン」は、たけしの愛犬の名前だという。現在、たけしは「小説に夢中になっている」といい、すでに3本が書き上がっているとも。TOKYO MX「オトナの夜のワイドショー!バラいろダンディ」に出演した浅草キッドの水道橋博士は、その小説について「週刊文春」に20ページにわたって掲載されることを吐露している。
男は居心地のいい場所に帰りたい
ところで、ある業界関係者によると「〝愛人〟というのは、4年前に〝100億円の愛人〟と週刊文春に報じられた女性です。100億円というのは、離婚した際に幹子夫人に支払うたけしからの慰謝料でした」。たけしは、その〝愛人〟について当初は「ビジネスパートナー」と説明していた。しかし、その一方では都内で一緒に生活もしていたそうで「手厚く面倒を見ていた」という。確かに、自著「ビートたけしのオンナ論」の中では、彼女を〝オネーチャン〟と呼び同棲中であることを明かしていたほどだった。
曰く、
「オイラは結婚という形にあまりこだわってない生活を送ってきた。自宅に帰らないんじゃなくて、要は居心地のいい方に帰っているんだ。それがたまたまオネーチャンの家ってだけでね」
「オネーチャンの家に戻ると、食事にも気を使ってくれるし、最近なんか、朝起きりゃ、寝たまんまパンツを履かせてくれて〝はい、行ってらっしゃい〟なんて感じになるんだから、居心地よくしてもらえるのは、普通以上のカネを払っているからなんだ」。
何だかねー、って笑っちゃいそうになるが、あるいは、これが男のホンネでもあったりするのかもしれない。
「出会ったときは神戸の大手ホテルでイベントの宣伝とかコンサルタントのようなことをしていたと聞きます。目鼻立ちのハッキリした黒髪の女性でなかなかの美人だと言われていますが、いつの間にか、たけしは彼女にゾッコンになってしまって、彼女の言うことしか聞かなくなってしまった」。
一説には、たけしは、オフィス北野の森昌行社長に対して金銭の問題で不信感を抱くようになり、不協和音が生じるようになっていたという。そういった中で彼女の助言が、最終的にたけしの退社、独立を決意させたと言われる。
「たけしの周りには、誰も自分の意見をたけしに言える人がいなかったんですが、彼女だけは、ズバズバと意見を言っていたそうです。そういった、どこか物怖じしない、気の強い、どこか母親を彷彿させるようなタイプの女性に惹かれちゃったんでしょうね」と芸能関係者。
しかも、たけしは「オレは、まだ一人でやることはあるんだ」と意欲を見せる一方、私生活では、この〝愛人〟と、これからの人生を送りたいと思ったようで「この女性のために、自分の財産を残したいとも思っているんじゃないでしょうか」。
もっとも、彼女との生活を選んだたけしは幹子夫人に、100億円とは言わないまでも十分な財産を渡しているという。2011年に渋谷区内に建てた10億円とも言われる豪邸はもちろん、その他の物件も夫人や長男の会社名義にしている。しかも「T.Nゴン」が入る世田谷区内の物件についても、夫人の持ち分を自ら買い取ったものだという。まさに、たけしならではの美学といったところか。もっとも、現時点では幹子夫人と離婚に関しては明言はしていないのだが…。
結局、オフィス北野からしたら、〝愛人〟にたけしを寝取られてしまった感じもするのだが、どこか蚊帳の外に置かれてしまったのが、たけしを頼って活動を続けてきたガダルカナル・タカ(61)、つまみ枝豆(59)、ラッシャー板前(54)、松尾伴内(54)といった、いわゆる〝たけし軍団〟の面々だろう。
「軍団を含め、これまで背負ってきたものを一旦下ろしたい」と(森社長に)申し出ていたというだけに、当然「殿!オレたちは?」と言いたい気分だったはずだが、たけしは「株をあげたり、何億もやっているんだから。オレは何も貰っていない。本当なら退職金で3億円はもらえたんだよ。(だから)頑張ってくれよ」とTBS系「新・情報7daysニュースキャスター」で、やや突き放したように言っていた。
結局は、森社長に「これまで通り軍団だけは面倒を見てやれ」と言いたかったのだろう。もっとも、この件については、日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」に出演したガダルカナル・タカが「事務所と軍団をのことを考え、株を処分して、運転資金として事務所に残してくれた」「ビックリするぐらいのお金を残してくれたので、運転資金としては心配することがない状況」と吐露していた。
課題は今後の映画製作
それにしても、今回の電撃独立で最も危ぶまれているのが、北野武名義で数々の作品を手がけ、世界的な名声を得てきた今後の映画製作だ。「北野作品は、森社長との二人三脚で、基本的にはオフィス北野が企画から製作のイニシアディブを握り、製作費の調達から、時には配給までの全てを行ってきた。それは、どういったことを意味しているかと言うと今後の北野作品は映画製作の拠点を失うということにもなるんです」(映画関係者)。
要は、今後はたけしが映画を製作する場合、それこそ一監督として企画から資金集め、製作の座組、そして配給まで全てに目を光らせなければならない…ということになる。しかし、そんなことは無理だろう。そうなると現実的には「今まで通りはいかない」と見られている。が、たけし自身は「インドのボリウッドで映画を作る」と豪語もしているだけに、もしかしたら裏で用意周到な準備をしている可能性もある?
ただ、一部の大手映画会社内では「一緒に映画を作ることも考えられるが、監督ということではなく、まずは俳優として彼の才能を生かしていく方が賢明かもしれない」と慎重だけに、今後は注目していきたいところ。
いずれにしても「これからはタレントはオレ1人だから大変だよ。徳光(和夫)さんを誘ってんだけどね」と冗談っぽく言っているが、おそらくそれは本心だろう。
それにしても、常識では考えにくい突拍子もない〝電撃〟とも思われがちな独立騒動ではあるが、よくよく探っていくと、随所に〝飛ぶ鳥跡を濁さず〟といったたけし流の心遣いが見え隠れしていることも確か。が、ここは「たけし、70過ぎても意気軒昂!」と言ったところだろう。