なぜ? 日産「GT-R」が公式HPから続々消えた!? 登場から15年「ゴジラ」は今後どうなるのか

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登場から15年、各種規制への対応が原因か

 最高速度300km/hオーバーという国産車屈指のハイパフォーマンスカーである日産「GT-R」は、日本はもちろん、スーパーカーのメッカである欧州でも一目置かれる存在となっており、一部ファンからは「ゴジラ」の愛称でも知られています。
 
 そんなGT-Rですが2022年3月に入り、欧州各国で販売終了となっていることが明らかになりました。そこにはどんな背景があるのでしょうか。

各国の公式HPから続々消えるGT-R…今後どうなるのか? (画像:日産が製作したゴールド仕様のGT-R NISMO 2022年モデル/2021年発表時)

 現在販売されているGT-Rは、「R35」という型式を持って2007年に登場。R34型の「スカイライン GT-R」が2002年に販売終了して以来、約5年ぶりとなる「GT-R」の名を冠したモデルであったことから、ファンからは大いに注目を集めました。

【画像】めちゃめちゃ金ピカ! 日産が作った黄金の「GT-R NISMO」を実車で見る(27枚)

 R34型までのスカイライン GT-Rは、基本的にスカイラインの高性能版という位置付けでしたが、R35型GT-Rはいくつかのデザイン上の共通性はあるものの、それまでのスカイラインGT-Rとはまったく異なる新型モデルとして登場しました。

 480馬力を発揮する3.8リッターV型6気筒ツインターボエンジンを搭載したGT-Rは、300km/hを超える日本車離れした性能を持ちながら、777万円という破格の値段で発売されたことで、世界中のスーパーカーファンの度肝を抜きました。

 その後は年次改良を重ねつつ、「GT-R NISMO」のようなさらなるハイパフォーマンスモデルも投入するなど、ライバルとしのぎを削ってきたGT-Rは、左ハンドル仕様も用意され、北米やアジア、そして欧州といった海外市場へも積極的に展開されました。

 一方で、年次改良こそおこなってはいるものの、すでに販売開始から15年が経過しているGT-Rには、いくつかの問題点が生じつつあったことも事実です。

 たとえば、オーストラリアでは2021年11月から施行される新たな側面衝突安全基準(ADR85)に対応できないとして販売終了となりました。

 そして、GT-Rの主要市場のひとつである欧州でも各国のホームページからGT-Rの名前が消えつつあり、その背景には2021年7月にイギリスで施行された騒音規制などの影響もあったようです。

 現地メディアの報道によれば、「No.540.2014」と呼ばれる騒音規制への対応が困難であったため、2022年3月31日をもって、欧州向けGT-Rの生産が終了するようです。しかし、欧州でのは騒音規制以外の背景もあったことは想像に難くありません。

 そのひとつの要因としては、欧州市場での販売価格の高さも挙げられます。

 2022年3月16日現在、ドイツの日産公式ホームページにはGT-Rが掲載されていますが、その価格はエントリーモデルで15万2363ユーロ(約1990万円)、GT-R NISMOで30万4383ユーロ(約3970万円)となっています。

 GT-Rの強力なライバルであるポルシェ「911」のエントリーモデルが、11万1231ユーロ(約1450万円)、上級モデルの911 ターボが19万4650ユーロ(約2540万円)であること考えると、GT-Rはかなり割高です。

 これらの背景から、欧州市場でのGT-Rは、かなり厳しい立場にあったと考えることは想像に難くありません。

※ ※ ※

 発売開始からすでに15年が経過しているGT-Rには、次期型の噂が常に絶えません。

 現時点では日産からの公式発表はありませんが、次期GT-Rは電動化することが既定路線といわれています。

 世界のスーパーカーブランドでも、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド(PHEV)、ハイブリッド(HV)などのモデルが登場していますが、電動化されたGT-Rはどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、注目が集まります。