Appleが2001年に発売したHDD内蔵デジタルオーディオプレイヤー「iPod」は、記事作成時点ではiPhoneに準じた仕様のiPod Touchのみが販売されており、クリックホイールが印象的なiPod Classicは2014年に生産終了しました。そんなiPod Classicの第5世代を分解して、内部ストレージとバッテリーを改良した2022年版iPodを、ソフトウェアエンジニアのエリー・ハクスタブル氏が公開しています。

Building an iPod for 2022

https://ellie.wtf/ipod/

ハクスタブル氏が公開した2022年版iPodがこれ。内部ストレージは80GBのHDDから1TBのフラッシュメモリに換装されています。



改造の対象に第5世代のiPodを選んだ理由として、ハクスタブル氏は「前面がプラスチックで、ケースが開けやすいこと」「素晴らしい音質で知られるウォルフソン・マイクロエレクトロニクス製DACチップを搭載していること」を挙げています。なお、iPodに内蔵されているRAMは、80GBモデルが64MBだとのこと。

改造手順は、まずiFixitの専用修理キットを使って、iPodの背面を外し、バッテリーを取り外します。



ハクスタブル氏が持ち上げているのが、80GBのHDD。HDDは振動に弱いので、ウレタン状の耐衝撃素材で包まれています。



ロジックボードからつながっているフラットケーブルは、黒いレバーを持ち上げると簡単に外すことができるとのこと。



HDDと付け替えるのは、SDカードを最大4枚挿入できるiFlashQuadです。ハクスタブル氏によれば、フラッシュメモリはSSDよりも消費電力が少なく、熱放出も少なくなるため、SSDではなくSDカード挿入型のフラッシュメモリを選択したとのこと。また、サイズもHDDより薄いので、空いた隙間を他の改造に使うことが可能になります。ただし、iPodのファームウェアは大容量のストレージと競合する可能性があるため、Rockboxのような非公式ファームウェアを使う必要があるそうです。



iPod Classicのバッテリーは500〜600mAhと、スマートフォンと比べるとかなり小さい容量となっています。そこで、ハクスタブル氏は通販で購入した3000mAhのバッテリーに交換したとのこと。



さらに、「ガジェットの内部構造が見えているスケルトンが好き」とのことで、前面パネルは透明のプラスチックパネルに変更。



裏側の金属ケース部分には「80GB」ではなく「1TB」の文字を彫り込んでいます。



中身はRockboxを導入してから、FreshOSというiPod向けOSをインストールしています。これによって、iTunesを使わなくても、音楽ファイルをiPodにコピーするだけで再生できるようになるそうです。



Rockboxを導入したことで、MacBookにつなぐことでボリュームコントローラーとして機能します。



もちろん「DOOM」もプレイ可能となっています。