「夢に向かって努力」は当たり前か?努力できない人が幸せに生きる道とは

写真拡大

目標を立ててもなかなか意欲が持続しない人。
「こうありたい」という理想があるのに、それを叶えることができずギャップに苦しむ人。

夢や目標、あるいは理想を設定することの大切さを、私たちは子どもの頃から嫌というほど刷り込まれる。

・人生の目標を決める
・その目標を達成するための計画を立てる
・計画を一つずつ実践して、目標を達成する

これらは目標を達成するプロセスとしてまちがってはいない。しかし、多くの人はこれができないから苦しむのである。努力が続かない人、意志が弱い人が自分の人生を嘆いても「それは自分が悪いでしょ」と捨ておかれる。努力ができないのは人として欠陥があるような扱いをされることもある。

努力ばかりがもてはやされる世の中で、努力できない人や意志が弱い人が自信を持って生きるのは難しい。そういう人は満たされない毎日を送っていたとしても「自分の人生なんてどうせ変わらない」と諦めてしまいやすい。

■他人の意図に取り込まれずに夢を見つけるのが難しい時代

人並外れて意志力が強く、どんなことでも実現させてしまうような人がいるのは事実です。しかし、だからといって、それ以外の人は幸せになれないのでしょうか。自分の意志力の弱さを責めて、夢見ることをあきらめなければいけないのでしょうか。

『やりたいことだけやって人生を良くする わがままリスト』(イースト・プレス刊)の著者・山岸洋一さんはこんな問いを投げかける。

結論からいえば、答えは「NO」だ。
そもそも人生規模の目標や夢を「心からやりたいこと」として自然な形で持てる人はごくわずかだし、自分の内面から湧き上がってくる衝動を「夢」と自覚するには、現代は雑音が多すぎる。「こうあるべき」という社会の風潮や周囲からの期待を「自分の夢」と錯覚してしまうことだってある。夢でも目標でも、本当に自分が熱意を持てることでなければ、結局は自分の「意志力」との戦いになってしまう。

さまざまなことに可能性が拓けているように見える現代は、実は他人の意図に取り込まれずに夢や目標を見つけるのが難しい時代だといえるのだ。

■人生を好転させたいなら、まず「やりたいこと」を100個書いてみよう

では、人並外れた意志力も忍耐強さも持っていない人は、こんな時代にどうやって夢や目標を見つけて、実現していくことができるのか。そのために山岸さんが提唱しているのが「わがままリスト」だ。

「わがままリスト」とは、自分が今やりたいことをひたすら書き出すリストのこと。実現可能性も正しさも誰かの役に立つかどうかもすべていったん脇に置いておいて、とにかく自分の心の中にある願望や欲望、目論見、妄想を書き出していく。

「こんなビジネスを興したい」「こんなことで世の中の役に立ちたい」といった立派なものでなくても構わない(本気で思っているならもちろんOK)。「お寿司を食べたい」でも「たくさん寝たい」でもいい。ちょっぴり不道徳なことであってもこの際書いてしまおう。

目標は100個。
そこまで書き出せたら、ここからが意志の力に頼らずに人生を変えるプロセスの始まりだ。本書はよくある成功法則本や自己啓発系のノウハウ本とは異なり「夢詰まり」「不幸の種」「鏡の魔法」といったユニークなワードを使い、夢がかなわない理由や人生が停滞する原因を解説し、そこからの脱却を目指す。そのスタート地点が「わがままリスト」なのだ。

この「わがままリスト」をどう使っていくのかは本書を読んでぜひ確かめてみてほしいが、これだけやりたいことを書き出したら、自分が何者なのかおぼろげに見えてくるはず。自分を見つめ直す意味でも一読をおすすめしたい一冊だ。

(新刊JP編集部)

【関連記事】

「人は目標を適切に設定できない」自己啓発書の落とし穴とは?
人が逃げる職場と人が集まる職場 上司の行動に見るその「違い」