秋の味覚といえばぶどう。特に近年人気が高まっているのが大粒で甘く、香りが良いのが特徴の「シャインマスカット」だ。

そんなシャインマスカットを使った芸術的なスイーツがツイッターで話題となっている。

これは、東京から山梨へとIターン移住した農業研修生「キュア農家」(@precure_farmer)さんが、2021年9月6日にツイッターで

「シャインマスカットの御神体みたいなやつできたから見て」

とコメントを添えて投稿した写真だ。

たくさんのシャインマスカットが集まっている球体は神々しいほど美しい。思わず飾っておきたくなる見た目だが、あくまでこれはスイーツ。ぎっしりと詰まったシャインマスカットの粒をゼリーで固めているものだそう。

この投稿に対し、ツイッターでは

「このままペーパーウェイトにして飾っておきたいくらい美しい」
「これはもうアートです...」
「すごいです。食べてしまうのが、もったいない」
「シャインマスカットの御加護がありそう」

と称賛の声が寄せられている。

「シャインマスカット農家らしく豪快なスイーツを」

それにしてもこのゼリー、いったいどうやって作られているのだろうか。

Jタウンネット記者は8日、投稿者のキュア農家さんを取材し、話を聞いた。

「ブドウの出荷において、重量や形状を出荷規格に合わせ粒を切って調整することがあります。その際出てしまった粒はそれだけでも販売できるのですが、自宅用に持ち帰って食べることもあります。
今回大量の粒が出たので、シャインマスカット農家らしく豪快なスイーツを試したくて作りました」(キュア農家さん)

今回のゼリーに使用したシャインマスカットは1.5キロ以上。ぶどう好きにはたまらない夢のようなデザートだ......。

その製作時間は、「固まるのを待つ時間も含めると2時間くらい」とのこと。キュア農家さんは、

「直径15センチほどのガラスのボールにひたすら粒を敷き詰めて作っています。
外側からキレイに見えるように半分に切った断面を丸く並べています。なかなか難しいんですね」

と調理時の苦労を明かす。

ぎっしり敷き詰めた粒の隙間に、「アガー」という植物性のゼリーの素を流しこんで固めたそう。

アガーも取りあつかっている、お菓子・パン作りの材料器具専門店「富澤商店」の公式ウェブサイトによると、アガーを使って作ったゼリーは寒天やゼラチンと比べ透明度も高く光沢も美しく、素材の色を活かしたものに仕上がるとのことだ。

「採れたてを大量に食べられる農業従事者の特権」

完成した御神体ゼリーは、「出来てすぐに食べてしまいました!」とキュア農家さん。

「ゼリーも果物の味を邪魔しませんし、採れたて素材の鮮度のお陰か案の定美味しかったです」

と述べる。

また、今回の投稿が多くの反響を集めた点については

「沢山の反響を頂きシャインマスカット知名度や人気を再認識した機会でした。
採れたてを大量に食べられる農業従事者の特権を知ってもらい、あわよくば農業にそのまま興味を持ってもらえると嬉しいです!
シャインマスカットは今出荷最盛期です。旬のお味をみなさんも楽しんでください!」

とコメントした。