「ママ、大変だね、頑張って」父親なら絶対に言ってはいけない"5つの地雷フレーズ"
※本稿は、『プレデントBaby2021完全保存版 0歳からの知育大百科』の一部を再編集したものです。
■当事者意識がない他人事フレーズ
あるある! いますよね、こういう夫! 育児や家事を自分の仕事だとまったく思ってない。こういう夫は、普段から掃除も洗濯も妻に押し付けています。悪気もなく、無自覚に!
妻は休む間もなく動いているってのに、夫はスマホを眺めてたりしていませんか? 妻は、そのたびに怒りのマグマを溜めているんですよ!
二人の子どもなのだから、育児は分担して当たり前。家事も夫だけやらなくていいわけがない。もう立派なオトナなんだから、夫も育児や家事に責任を持ちましょう。
夫が大黒柱で、妻が専業主婦で家にいる場合は、妻と同じだけ負担することはできないかもしれません。それでも、「本来二人でやるべきこと」を妻がやってくれていると思えば、発言も変わるはず。
「留守の間、子どもを見てくれてありがとう」と言われれば、「パパこそ、お仕事がんばってくれてありがとう」って答えたくなります。ありがとうの好循環に変えていきましょう。
夫「〜しといたから」
妻(なんで、私の仕事をやってあげたみたいに言っているの? あなたの仕事でもあるだろ)
夫「なんで病院に連れていっていないの? 仕事の方が大事なの?」
妻(このあと連れていこうと、急いで仕事片付けていたんじゃ。そういうおまえはなんで連れていかないんだ?)
■やらないのに「上から目線」の何様フレーズ
「他人事感」の発展形といえるのが、この手の発言。育児や家事は自分の仕事だと思っていないうえに、上から目線で妻を指導する。日々、育児に家事に、そして、共働きなら仕事にも奮闘している妻にとっては、一発でレッドカードもの。離婚を言い出されても仕方ありません。
何が悪いのかピンと来ない男性のために、仕事に当てはめて考えてみましょう。仕事をまったくしない部下がいます。あなたはその尻ぬぐいをして、日々、部下の分も仕事をしています。そんなあなたに対して部下が「仕事のやり方が悪い」と注意してきたら……? あなたがしているのは、そういうことです。
妻が育児や家事の分担について不満を言ってきたときは、夫は自分が責任を果たしていたか省みるべし! もし妻の家事や育児に手が行き届いていないところに気付いたとしたら、まずはア・ナ・タがやるべし! もしくはお金を払ってプロの手を借りましょう。妻はすでにいっぱいいっぱいの状態なんですよ。
妻「夕飯何食べたい?」
夫「鍋でもいいよ」
妻(いいよって何? 作ってもらえるだけで、『ありがとう』じゃない⁇)
夫「おつかれさま」
妻(あなたが私の疲れの原因だけど、わかっている?)
夫「昨日使った鍋がまだ洗い物に残っているって、やばいでしょ?」
妻(そういうこと言っているあなたの方こそ、やばいでしょ)
■「能力不足」と逃げる努力不足フレーズ
「何様感」で紹介した上から目線の夫に比べると、自分の苦手を認めていたり、妻にへりくだるような発言をしていたりするため、まだマシだと思っていませんか? 「苦手なんだよね、へへ」って発言の裏に、「無責任さ」「丸投げ意識」が透けて見えていますよ! ああ、腹立つ。
母だからといってウンチが得意なわけじゃないです! 私もやりたくありません! でもそんなこと言っていられないからやるんです。オムツ替えは、便の様子で体調がわかったりもする大事なお世話だしね。そうやって母親は子育てスキルを上げて、子どもの信頼を獲得しています。その日々の積み重ねを無視して、「さすが母親は違う」と神格化して持ち上げて、自分は逃げようとしていませんか?
育児や家事が「苦手」だという夫の皆さん。それは、ただの「努力不足」に過ぎません! 母親と同じことが、父親にできないわけがない。妻は、早く自分と同じくらい努力をして、得意になってくださいと思っています。
夫「お母さんがいいんだって。マザコンだね」
妻(そりゃあ、これだけ世話していれば当然だよね。マザコンとかいう問題じゃない)
夫「だって、ママじゃないということ聞かないもん」
妻(そりゃあ、普段何もしていない人に言われても子どもはいうこと聞かないよ)
■大変さをわかってくれない無理解フレーズ
子育ての大変さは、誰だって実際にやってみないとわからないもの。赤ちゃんはかわいくて、愛おしくて、食べちゃいたいほどの天使だけど、お世話は本当大変。何をしても泣きやまない日があったり、病気になったらずっとつきっきりで看病しないといけなかったり。歩き出すようになったらなったで、起きている間中ずっと目を離せず、神経が休まることなんてありません。
ワンオペの親業は1日24時間、1年365日お休みなしの超絶ブラック労働です。たとえ、ワンオペでないとしても、親業を休めるのは、誰かが代わりをしてくれる数時間。その数時間にちょっと体を休めたり、美容院に行ったり、子どもがいるとできないことを済ませたりしている。
夫婦なら、その大変さを分かってほしいんです! なのに「ママはよく寝ますね」だと? どの口が言う? もう、怒りを通り越して悲しいです。傷ついた妻たちには、夫に子どもを預けて、一週間くらいバカンスへ出かけることをオススメします。
夫「だってさ、24時間育児やっているわけじゃないでしょ」
妻(何かあったら24時間対応しないといけないのですが‼)
夫「いいなぁ、おまえはずっと○○ちゃんといられて」
妻(じゃあ、一週間くらい代わってもらえますでしょうか?)
■女心・母心をわかっていない無神経フレーズ
出産後の疲労困憊で、顔はやつれているのに、体型はいつまでも太ったまま……。若い頃は、少し節制すれば痩せたのに、なぜ痩せないの? と、一番ショックを受けているのは、妻本人だったりします。
それなのに、夫から浴びせられる女心をわかっていない言葉。妻たちはひそかに傷ついています。
こっちは髪振り乱して育児や家事、仕事をこなしているんです。キレイにまで手が回りません。
そして、残念な話ですが、年齢を重ねるごとに、時間とお金をかけないと妻のキレイは保てなくなっていきます。家事も育児もぜ〜んぶ、あなたが代わってくれるんなら、そしてボーナスをくれるんなら、優雅にエステにでも行きますとも!
今回紹介した地雷エピソードにドキっとしたという夫諸君。どうか改心してください。そして、頼れる「子育てのパートナー」になってくれたら……。優しくかわいい妻でいられるように努力しますので、どうか、そこのところよろしくお願いします。
夫「(離乳食どうせ手作りしたって)どうせ食べへんのやから、楽したらええんちゃう?」
妻(安全なものを食べさせたいって母心、わからないかな?)
夫「もう少しおしゃれしようよ」
妻(私だっておしゃれしたいよ)
夫「髪、ボサボサだよ」
妻(髪の毛まで手が回らないんだよ〜)
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カツヤマケイコ(かつやま・けいこ)
イラストレーター
某百貨店のデザイン室に5年間勤めたあと、フリーのイラストレーターに。女性誌や実用書などで活躍する傍らで、古道具屋「BROCCA(ブロッカ)」も経営する。三児の母。著書に『ごんたイズム』シリーズ(1〜4巻)、『東京アンティークさんぽ』など。
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(イラストレーター カツヤマケイコ 文=プレジデントFamily編集部)