1時間座り続けると余命が22分短くなる。精神科医が警鐘をならす“やりがちな危険行動”
「しっかり休憩を取っているのに疲れが取れない」
「工夫しているのに集中力が続かない」
毎日の仕事を効率よくしたいのに、なかなか思うようにいかない人がほとんどなのではないでしょうか。
もしかしたら、あなたのアプローチが合っていないのかもしれません。
「日々を最適化することによって、あなたの仕事や人生は、もっと楽に、もっと楽しくなる」と精神科医でSNSでも信頼を集めている樺沢紫苑さんは言います。
著書『行動最適化大全』より、脳科学・心理学の観点から意外と知らない体事情をお届けします。
1時間座り続けると余命が22分間短くなる
オーストラリアのシドニー大学の研究では、1時間座り続けていると平均余命が22分間短くなるという結果が出ました。
だからこそ15分に1回は、立ち上がるべきです。
休憩時間にスマホを使っている人は、たいてい座っているので、結果として何時間も座り続けることになります。
長時間座っていると、脳や全身の血流が低下し、脳のパフォーマンスや集中力も下がります。
休憩時間くらいは少しの距離でいいから歩くことが大切です。
パソコン作業などで同じ姿勢をとり続けることは首や肩への負担も大きく、疲労が加速します。
肩まわり、首まわりをほぐす、ストレッチ体操もよいでしょう。
デスクワークの人でもできるちょっとした運動やストレッチの方法は、本でも、ネットでも見つけることができます。
今から少しずつでも行動をはじめましょう。
寝る前2時間以内の食事は睡眠の質を下げる
ぐっすり睡眠をとると疲れがとれるのは、睡眠中に「成長ホルモン」が分泌されるからです。
成長ホルモンは、言い換えると「疲労回復ホルモン」です。
寝る前2時間以内の食事は、睡眠の質を著しく低下させます。
なぜならば、成長ホルモンが出なくなるからです。
成長ホルモンは「血糖値を上げる」効果があるため、血糖値が高い状態では、分泌が低下します。
寝る前に食事をすると、血糖値が上がり、せっかく睡眠をとっているのに、疲労回復に役立つ成長ホルモンが十分に出ないという残念な結果になるのです。
また、寝る前にとったエネルギーは消費されないので、そのまま蓄積され、肥満の原因になります。
仕事で夜帰宅が遅い人は、寝る直前に食事をしている人もいるでしょうが、寝る前2時間以内の食事は、避けたいものです。
眠気が強まったときに布団に入ると、ストーンと深い眠りに入るので、成長ホルモンがたっぷり分泌されます。
逆に、せっかく眠気が出ているのに、「やることがあるから」と眠気を我慢すると、眠るタイミングを逸し、睡眠は深まりません。
「眠気が出たタイミングで、すぐに眠る」というのは、深い睡眠、そして疲労回復のためにとても大切なことです。
つながりを軽視すると“1日15本分の喫煙”と同じ悪影響
人との「つながり」が失われた状態が「孤独」です。
コロナ禍と関連して、「コロナ感染が怖い」と家から一歩も出ない高齢者が増えています。
また大学の授業が全てオンラインになったため同級生と会えない、交流がない学生など、若者の「孤独」問題も深刻化しているのです。
近年の研究から、孤独は心と身体の健康に極めて悪影響を与えることがわかっています。
アメリカのブリガムヤング大学の研究によると、「社会的なつながりを持つ人は、持たない人に比べて、早期死亡リスクが50%低下する」といわれています。
この死亡リスクは、1日15本の喫煙に匹敵するのです。
孤独を感じる人は、正常な人と比べて死亡率が1.3~2.8倍、心疾患が1.3倍、アルツハイマー病のリスクが2.1倍、認知機能の衰えが1.2倍に高まります。
また、うつ病は2.7倍、自殺念慮が3.9倍と、メンタルに対しても甚大な悪影響を及ぼすのです。
「うちは親と同居しているから安心」と思うかもしれませんが、人と多く会っていれば孤独ではないかというと、それも違います。
本人が「孤独」を感じているのかどうかが重要。
人と会っていても、「安心感」や「癒やし」が得られていない人は、みんな孤独なのです。
孤独の対策は「まめに連絡をとる」ということと「直接会う」のが最も効果的です。
直接会うことが難しいのであれば、SNSを活用しましょう。
LINE、Facebookのメッセージやメール、電話、または「ビデオ通話」などで定期的に連絡をとることです。
テキスト(文字)<音声<動画
この順に情報量は多くなり、コミュニケーション効果も高くなります。
だから、電話やビデオ通話などで、まめに連絡をとることで、「孤独」を多少なりとも和らげていく必要があります。
「つながり」を維持するためには、お互いに支え合う。
互いに気遣うことが大切です。
パフォーマンスが上がる行動がわかる
"本書は、人生をもっと改善し、うまく進めたいのに「どうしたらいいかわからない」人たちに対する、「行動指針」であり「答え」でもあります。"
出典 行動最適化大全
と樺沢さんが語っている通り、同書には日常生活の悩みが解決するノウハウが分かりやすく紹介されています。
何かストレスを感じた時、うまくいかないと悩んでいる時に、ぜひ手にとって欲しい一冊です。
同書から、とりあえずできそうな行動を実践してみてはいかがでしょうか?
最大限のパフォーマンスを発揮できるようになるはずです。