まさか!夫が新型コロナ陽性に。ホテル療養の持ち物と、自宅待機中の過ごし方
10都道府県に発令された3回目の緊急事態宣言が再延長されるなか、東京や大阪では高齢者へのワクチンの大規模接種が始まり、新型コロナウイルス収束の希望がうっすらと見えてきたのではないでしょうか。ですが、現役世代へのワクチン接種はようやくこれからで、東京オリンピックを目前に控え、まだまだ心配はつきません。
もしも自分や家族が新型コロナウイルスに感染したら…と不安な気持ちを抱いている方も多いと思います。そこで今回、今年の5月に夫(48歳)が新型コロナウイルスに感染したライターの佐山知佳さん(仮名・46歳)に、家族が新型コロナウイルス感染者になった際の体験談と、そこから学んだことについてつづってもらいました。
ただの風邪だと思ったら夫がまさかの新型コロナウイルス陽性に(※写真はイメージです。以下同)
ことの発端は、ゴールデンウィーク最終日の夕方。夫がなんとなく熱っぽいと熱を測ると37.3℃の微熱でした。食欲あり、味覚・嗅覚あり、倦怠感なしの体調だったので、風邪をひいたかもね〜と気楽に話していました。
翌朝も熱は微熱のまま。子ども(10歳)の小学校から「同居家族が体調不良の場合、登校を見合わせること」と言われているため欠席させ、夫はかかりつけの病院に電話をかけ相談することに。
かかりつけ医に状況を伝えたところ、発熱者がPCR検査を受けられる病院を紹介してくれたので、すぐに1人で車で向かいました。あとで聞いたところ、即時型の検査で、目の前で「陽性」にラインが入ったキットを見せられたそうです。
(※写真はイメージです)
帰宅後は夫は1階、私と子どもは2階で生活する自宅隔離生活に。幸い、1階2階両方にトイレと洗面所があるため、ほぼ完全に隔離することができました(お風呂は私と子どもが寝たあとに入っていました)。
食事は部屋の前に置いておき、食べ終えたら食器を出してもらうスタイルに。保健所の方から「食器や衣類は家庭用の洗剤で洗えば、ウイルスが不活化します」と聞いたので、いつもどおりに洗って使用しました。夫が使用したものを触ったあとは、必ず手洗い・アルコール消毒を行いました。
(※写真はイメージです)
陽性と判明してから数時間後に区の保健所の方から電話があり、現在の体調や発熱前の行動、持病、家族の状況などについて詳しく聞かれました。連休中は近所のスーパーへ行っただけで、家族以外と会うことも外食をすることもなかったため、感染経路は不明ということになりました。ただ、ウイルスの潜伏期間が長い場合もあるので、連休前の出勤時の可能性もゼロではない、とのことでした。
夫は高血圧で降圧剤を飲んでいるのですが、そのことを伝えると保健所の方からホテル療養を勧められました。微熱以外は体調不良もなかったため、高齢の方や体調が悪い方を優先してほしいと伝えたようですが、高血圧は高リスクと判断されるのか、万が一のことと子どもにうつさないことを考えてと改めて勧められ、ホテル療養をすることが決まりました。
(※写真はイメージです)
受け入れホテルが決まり次第、すぐに移動となるそうですが、いつ決まるかははっきりわからないため、準備だけは進めておくことに。このときとても役立ったのが、すでにホテル療養を経験した方のSNSの投稿でした。
SNSは匿名性が高いため、情報の信憑性に不安を感じることも。そこで、実名で発信している方の書き込みを中心に見ることにしました。なかでも、少し前に新型コロナウイルス感染を公表し、Twitterでホテル療養について発信していた会社社長の方の投稿をじっくり読みました。
職業柄、ネットニュース、SNSなども幅広く目を通すようにしているのですが、夫の感染が判明したとき、すぐにTwitterで発信されていた方がいたことを思い出すことができたのはよかったと思いました。
私も濃厚接触者で外出を控えなくてはならなかったため、SNSで情報を集めては、すぐに配送してくれるネット通販で注文をし、置き配にしてもらうという形で準備を進めました。
夫の療養先のホテルで出されたお弁当の一部
ホテル療養を経験された方の投稿を見ると、食事に苦労したという声が多くありました。ホテルにいる間は3食お弁当が出るそうで、それはとてもありがたいのですが、体調が悪く食欲がないときは厳しい、飽きてしまう、ボリュームが多く食べきれないといった声が。
そこで、ホテルに入ってから体調が悪化し、食欲が落ちた場合を考え、インスタントのスープやみそ汁、春雨ヌードルなどを用意。夫は麺類好きということもあり、3食ご飯に飽きてしまったときや倦怠感が強くなったときに役立ったそうです。
いくら大人でも1週間ホテルの部屋から出られないという状況は、ストレスが大きいだろうと思い、好きなお菓子もいくつか荷物に入れました。これも意外に役に立ったそう。というのは、食べ慣れているお菓子を用意したので、毎日1つ食べて味覚や嗅覚のチェックをしていたそうです。
食品系は、水やお茶はホテルに用意されているそうなのでインスタントのコーヒーと、みずみずしいものが食べたくなるという書き込みを見て、常温保存できるゼリーを用意しました(※基本的に、常温保存できる食品は持ち込みできるようですが、果物などの生ものは持ち込みできません)。夫はいつもはほとんどゼリーを食べませんが、ホテルではすべて食べたそうなので、体がだるかったり、部屋が乾燥していたりすると、ちょうどいいのかもしれません。
夫がお世話になったホテルは洗濯機が使えると聞いたので、洗濯用洗剤のミニボトルも荷物に入れました。療養中に熱が上がったようで汗をたくさんかき、持参した着替えではたりなくなり、洗濯をしたそうです。
下着やパジャマ、タオルなど使用したものはすべて洗濯してきてくれたので、帰宅後に「このタオルにまだウイルスが付着しているかも…」と不安になることもなく、荷解きがとてもラクでした。
(※写真はイメージです)
子どもは小学校高学年の男子。まだまだ外で走り回りたい年頃です。いきなり、2週間学校へ行ってはいけない、家から出てはいけない、父親と顔を合わせてはいけないと言われ、大きな不安とストレスを感じている様子でした。昨年の休校中はランニングをしたり、公園で体を動かしたりしていましたが、今回はそれもできません。
息子の運動用に購入した家庭用トランポリン
そこで、昨年の休校中も迷った末に見送った家庭用トランポリンをついに購入。どちらが長く跳んでいられるか競争したり、大好きなBTSの曲を聞きながら飛んだり、楽しみながら跳ぶことでストレスと運動不足解消になったようです。
(※写真はイメージです)
2週間もの間、出席停止となると学習面も心配が。息子の学校でもiPadが配られていますが、宿題のプリントが配信される程度で、オンライン授業はおろか授業ノートのフォローもなく…。今後、ICT(情報通信技術)教育がさらに盛んになり、このような状況に置かれた子どもが取り残されないようになるといいなと思います。この間の勉強は、書店でドリルを選ぶこともできなかったので、ネットの無料の学習プリントにとても助けられました。
自宅隔離期間を入れると10日間近く、父親と顔を合わせて話すことができない状況だったので、ホテル療養期間中は、毎日LINEのビデオ通話をしていました。反抗期に差しかかっているので、特別なにを話すわけではないのですが、背景を変えたり顔にエフェクトをかけたり、たわいのないことで父子で笑い合う時間を毎日楽しみにしていたようです。
ホテル療養の準備期間からホテル療養中も、私自身はライターの仕事を休まずしていました。昨年から打ち合わせや取材もほぼリモートになっていたため、それほど影響を受けずに進めることができました。
ただ、いつもは学校へ行っているはずの子どもが一日じゅういるため、思うように進まないことも。子どももストレスを感じていると思ったので、子どもが勉強しているときに隣で仕事をし、残った分は子どもが寝たあとに片づけるようにしました。
子どもが寝たあと、ひとりになると、自分も感染していたらどうしよう…子どもにうつさずに自宅療養することなんてできるの? と不安に襲われることも。なんとなく体がだるいような感覚を覚えることもあり、ストレスが体調に影響していたのだと思います。
待機中は、買い物はすべてネットスーパーの置き配ですませていましたが、少しでも自宅隔離生活を楽しく過ごせるように、いつもなら買わないような、子どもと私が好きなお菓子も注文し、ビタミン豊富な果物など免疫力を高めてくれる食べ物も意識的にとるようにしていました。
夫がホテルに入った5日後に濃厚接触者である私と息子もPCR検査を受けました。夫のときとは異なり即時型ではなかったので、結果が出るまでの3日間本当に不安でした。結果は母子ともに「陰性」。検査結果が出るまでは、お互いに潜伏期間かもしれないという気持ちで、食事時間をずらしたり、家じゅうをアルコール消毒したりと緊張感のある生活をしていたので、心底ホッとしたのを覚えています。
夫も多少熱が上がったり、倦怠感で一日じゅう寝ていたりという日があったようですが、幸い重症化することもなく無事に帰宅できました。
新型コロナウイルスに関して、これまでは心のどこかで、外食したり繁華街に遊びに行ったりしている人が感染するのでは? と思っていましたが、引きこもりと言っても過言ではないわが家から感染者が出たことで、本当にだれでも感染する可能性がある病気なのだと改めて感じました。
検査がなかなか受けられない、療養先が見つからないなどさまざまな報道を見聞きしますが、わが家は幸運なことにすぐに検査を受け、ホテル療養をすることができました。それはひとえに、親身になって対応してくださったかかりつけの医師や保健所の職員の方、医療従事者の方のおかげだと思います。感謝の気持ちを忘れず、これからもより一層、感染予防を心がけて過ごしていきたいと思います。
<取材・文/ESSEonline編集部>
もしも自分や家族が新型コロナウイルスに感染したら…と不安な気持ちを抱いている方も多いと思います。そこで今回、今年の5月に夫(48歳)が新型コロナウイルスに感染したライターの佐山知佳さん(仮名・46歳)に、家族が新型コロナウイルス感染者になった際の体験談と、そこから学んだことについてつづってもらいました。
ただの風邪だと思ったら夫がまさかの新型コロナウイルス陽性に(※写真はイメージです。以下同)
ちょっとした微熱…念のための検査で、夫がまさかの「陽性」に
ことの発端は、ゴールデンウィーク最終日の夕方。夫がなんとなく熱っぽいと熱を測ると37.3℃の微熱でした。食欲あり、味覚・嗅覚あり、倦怠感なしの体調だったので、風邪をひいたかもね〜と気楽に話していました。
翌朝も熱は微熱のまま。子ども(10歳)の小学校から「同居家族が体調不良の場合、登校を見合わせること」と言われているため欠席させ、夫はかかりつけの病院に電話をかけ相談することに。
かかりつけ医に状況を伝えたところ、発熱者がPCR検査を受けられる病院を紹介してくれたので、すぐに1人で車で向かいました。あとで聞いたところ、即時型の検査で、目の前で「陽性」にラインが入ったキットを見せられたそうです。
<夫が発熱してから隔離が終了するまでの流れ>
[2021年5月5日(水)夕方] 夫が37.3℃の微熱を発熱
[2021年5月6日(木)朝] 再度体温を測定。37.1℃。子どもの学校に欠席連絡を入れ、かかりつけ医に電話で相談。その後PCR検査の結果、陽性が判明。自宅内隔離開始。保健所からの勧めでホテル療養が決定
[2021年5月7日(金)] ホテルに入る日は、8日の昼頃と確定
[2021年5月8日(土)] ホテル療養開始
[2021年5月14日(金)午前] ホテル療養終了。許可が出たため公共交通機関で帰宅
・自宅隔離1日、ホテル療養6日間。子どもが学校を休んだ期間18日間(土日含む)※夫がホテルに移った日が最終接触日となり、そこから2週間出席停止となるため、陽性が判明した5月6日から5月23日まで登校できませんでした
[2021年5月5日(水)夕方] 夫が37.3℃の微熱を発熱
[2021年5月6日(木)朝] 再度体温を測定。37.1℃。子どもの学校に欠席連絡を入れ、かかりつけ医に電話で相談。その後PCR検査の結果、陽性が判明。自宅内隔離開始。保健所からの勧めでホテル療養が決定
[2021年5月7日(金)] ホテルに入る日は、8日の昼頃と確定
[2021年5月8日(土)] ホテル療養開始
[2021年5月14日(金)午前] ホテル療養終了。許可が出たため公共交通機関で帰宅
・自宅隔離1日、ホテル療養6日間。子どもが学校を休んだ期間18日間(土日含む)※夫がホテルに移った日が最終接触日となり、そこから2週間出席停止となるため、陽性が判明した5月6日から5月23日まで登校できませんでした
●夫が病院から帰宅後、すぐに自宅隔離を開始
(※写真はイメージです)
帰宅後は夫は1階、私と子どもは2階で生活する自宅隔離生活に。幸い、1階2階両方にトイレと洗面所があるため、ほぼ完全に隔離することができました(お風呂は私と子どもが寝たあとに入っていました)。
食事は部屋の前に置いておき、食べ終えたら食器を出してもらうスタイルに。保健所の方から「食器や衣類は家庭用の洗剤で洗えば、ウイルスが不活化します」と聞いたので、いつもどおりに洗って使用しました。夫が使用したものを触ったあとは、必ず手洗い・アルコール消毒を行いました。
●保健所の方からホテル療養を勧められた理由は…
(※写真はイメージです)
陽性と判明してから数時間後に区の保健所の方から電話があり、現在の体調や発熱前の行動、持病、家族の状況などについて詳しく聞かれました。連休中は近所のスーパーへ行っただけで、家族以外と会うことも外食をすることもなかったため、感染経路は不明ということになりました。ただ、ウイルスの潜伏期間が長い場合もあるので、連休前の出勤時の可能性もゼロではない、とのことでした。
夫は高血圧で降圧剤を飲んでいるのですが、そのことを伝えると保健所の方からホテル療養を勧められました。微熱以外は体調不良もなかったため、高齢の方や体調が悪い方を優先してほしいと伝えたようですが、高血圧は高リスクと判断されるのか、万が一のことと子どもにうつさないことを考えてと改めて勧められ、ホテル療養をすることが決まりました。
●ホテル療養の準備。参考になったのはSNSでのコロナ体験記
(※写真はイメージです)
受け入れホテルが決まり次第、すぐに移動となるそうですが、いつ決まるかははっきりわからないため、準備だけは進めておくことに。このときとても役立ったのが、すでにホテル療養を経験した方のSNSの投稿でした。
SNSは匿名性が高いため、情報の信憑性に不安を感じることも。そこで、実名で発信している方の書き込みを中心に見ることにしました。なかでも、少し前に新型コロナウイルス感染を公表し、Twitterでホテル療養について発信していた会社社長の方の投稿をじっくり読みました。
職業柄、ネットニュース、SNSなども幅広く目を通すようにしているのですが、夫の感染が判明したとき、すぐにTwitterで発信されていた方がいたことを思い出すことができたのはよかったと思いました。
私も濃厚接触者で外出を控えなくてはならなかったため、SNSで情報を集めては、すぐに配送してくれるネット通販で注文をし、置き配にしてもらうという形で準備を進めました。
●ホテル療養は食事に苦労する?もっていってよかったものは?
夫の療養先のホテルで出されたお弁当の一部
ホテル療養を経験された方の投稿を見ると、食事に苦労したという声が多くありました。ホテルにいる間は3食お弁当が出るそうで、それはとてもありがたいのですが、体調が悪く食欲がないときは厳しい、飽きてしまう、ボリュームが多く食べきれないといった声が。
そこで、ホテルに入ってから体調が悪化し、食欲が落ちた場合を考え、インスタントのスープやみそ汁、春雨ヌードルなどを用意。夫は麺類好きということもあり、3食ご飯に飽きてしまったときや倦怠感が強くなったときに役立ったそうです。
いくら大人でも1週間ホテルの部屋から出られないという状況は、ストレスが大きいだろうと思い、好きなお菓子もいくつか荷物に入れました。これも意外に役に立ったそう。というのは、食べ慣れているお菓子を用意したので、毎日1つ食べて味覚や嗅覚のチェックをしていたそうです。
食品系は、水やお茶はホテルに用意されているそうなのでインスタントのコーヒーと、みずみずしいものが食べたくなるという書き込みを見て、常温保存できるゼリーを用意しました(※基本的に、常温保存できる食品は持ち込みできるようですが、果物などの生ものは持ち込みできません)。夫はいつもはほとんどゼリーを食べませんが、ホテルではすべて食べたそうなので、体がだるかったり、部屋が乾燥していたりすると、ちょうどいいのかもしれません。
●これを持っていくとホテルから帰宅後がラクになる!?
夫がお世話になったホテルは洗濯機が使えると聞いたので、洗濯用洗剤のミニボトルも荷物に入れました。療養中に熱が上がったようで汗をたくさんかき、持参した着替えではたりなくなり、洗濯をしたそうです。
下着やパジャマ、タオルなど使用したものはすべて洗濯してきてくれたので、帰宅後に「このタオルにまだウイルスが付着しているかも…」と不安になることもなく、荷解きがとてもラクでした。
●子どもの運動不足とストレスケアに購入したもの
(※写真はイメージです)
子どもは小学校高学年の男子。まだまだ外で走り回りたい年頃です。いきなり、2週間学校へ行ってはいけない、家から出てはいけない、父親と顔を合わせてはいけないと言われ、大きな不安とストレスを感じている様子でした。昨年の休校中はランニングをしたり、公園で体を動かしたりしていましたが、今回はそれもできません。
息子の運動用に購入した家庭用トランポリン
そこで、昨年の休校中も迷った末に見送った家庭用トランポリンをついに購入。どちらが長く跳んでいられるか競争したり、大好きなBTSの曲を聞きながら飛んだり、楽しみながら跳ぶことでストレスと運動不足解消になったようです。
●学習面、メンタル面のケアにはタブレットやスマホが活躍
(※写真はイメージです)
2週間もの間、出席停止となると学習面も心配が。息子の学校でもiPadが配られていますが、宿題のプリントが配信される程度で、オンライン授業はおろか授業ノートのフォローもなく…。今後、ICT(情報通信技術)教育がさらに盛んになり、このような状況に置かれた子どもが取り残されないようになるといいなと思います。この間の勉強は、書店でドリルを選ぶこともできなかったので、ネットの無料の学習プリントにとても助けられました。
自宅隔離期間を入れると10日間近く、父親と顔を合わせて話すことができない状況だったので、ホテル療養期間中は、毎日LINEのビデオ通話をしていました。反抗期に差しかかっているので、特別なにを話すわけではないのですが、背景を変えたり顔にエフェクトをかけたり、たわいのないことで父子で笑い合う時間を毎日楽しみにしていたようです。
●自分の仕事やストレス対策は?
ホテル療養の準備期間からホテル療養中も、私自身はライターの仕事を休まずしていました。昨年から打ち合わせや取材もほぼリモートになっていたため、それほど影響を受けずに進めることができました。
ただ、いつもは学校へ行っているはずの子どもが一日じゅういるため、思うように進まないことも。子どももストレスを感じていると思ったので、子どもが勉強しているときに隣で仕事をし、残った分は子どもが寝たあとに片づけるようにしました。
子どもが寝たあと、ひとりになると、自分も感染していたらどうしよう…子どもにうつさずに自宅療養することなんてできるの? と不安に襲われることも。なんとなく体がだるいような感覚を覚えることもあり、ストレスが体調に影響していたのだと思います。
待機中は、買い物はすべてネットスーパーの置き配ですませていましたが、少しでも自宅隔離生活を楽しく過ごせるように、いつもなら買わないような、子どもと私が好きなお菓子も注文し、ビタミン豊富な果物など免疫力を高めてくれる食べ物も意識的にとるようにしていました。
●重症化せずに退所&母子の検査結果は…?
夫がホテルに入った5日後に濃厚接触者である私と息子もPCR検査を受けました。夫のときとは異なり即時型ではなかったので、結果が出るまでの3日間本当に不安でした。結果は母子ともに「陰性」。検査結果が出るまでは、お互いに潜伏期間かもしれないという気持ちで、食事時間をずらしたり、家じゅうをアルコール消毒したりと緊張感のある生活をしていたので、心底ホッとしたのを覚えています。
夫も多少熱が上がったり、倦怠感で一日じゅう寝ていたりという日があったようですが、幸い重症化することもなく無事に帰宅できました。
●新型コロナは本当に身近な病気だと実感
新型コロナウイルスに関して、これまでは心のどこかで、外食したり繁華街に遊びに行ったりしている人が感染するのでは? と思っていましたが、引きこもりと言っても過言ではないわが家から感染者が出たことで、本当にだれでも感染する可能性がある病気なのだと改めて感じました。
検査がなかなか受けられない、療養先が見つからないなどさまざまな報道を見聞きしますが、わが家は幸運なことにすぐに検査を受け、ホテル療養をすることができました。それはひとえに、親身になって対応してくださったかかりつけの医師や保健所の職員の方、医療従事者の方のおかげだと思います。感謝の気持ちを忘れず、これからもより一層、感染予防を心がけて過ごしていきたいと思います。
<取材・文/ESSEonline編集部>