仕事を求める人1人に対しどれだけの仕事があるかを示す県内の有効求人倍率は今年3月は0.99倍となり3カ月ぶりに1倍を下回りました。栃木労働局は新型コロナウイルスの影響で雇用情勢は弱い動きが続いていると分析しています。

3月の有効求人倍率0.99倍の中身を見てみますと、3月の有効求職数は季節調整値ベースで前の月に比べて1.6ポイント増えました。一方で有効求人数は前の月に比べて4.8ポイント減少しています。

新型コロナウイルスの影響で職を求める人が増えている反面、求人は様々な形で充足していると栃木労働局は分析しています。

また今回は産業別で新規の求人数に差が出ました。台風関連などの公共事業の増加や人手不足が深刻な建設業、半導体需要の高まりや巣ごもりによる食料品、プラスチック容器製造が好調な製造業、ペット用品やアウトドア用品の需要が高い卸売業、小売業、それに生活関連サービス業、娯楽業で新規の求人数が増えました。

中でも製造業が25カ月ぶり、卸売業、小売業は15カ月ぶりに増加に転じています。

しかし宿泊業、飲食業は宿泊業に復調の兆しが見えますが飲食業は時短、休業などの影響で求人は減少しています。さらに離職者の状況を見ると事業主の都合による離職者の割合は13カ月ぶりにマイナスになりましたが、店の時短や休業などにより先行きが不安になった人が自己都合で職を離れる人が2カ月連続でプラスになっています。

栃木労働局 藤浪竜哉局長コロナの影響で見通し難しい。求職者、求人の動きは予断を許さず注意が必要。