「飲む点滴」を砂糖代わりに!あまこようこさんが教える糀甘酒お菓子3レシピ

糀甘酒でお菓子を作ろう!

ここ数年ブームが続いている糀甘酒。飲んでおいしいのはもちろんですが、近年はお菓子や料理に使う“発酵甘味料”としても注目を集めています。

糀甘酒にはどんな魅力があり、糀甘酒を料理に使うことにどういうメリットがあるのでしょう。日本の調味料研究の第一人者、東京農業大学の前橋教授との共著『砂糖の代わりに糀甘酒を使うという提案』を上梓し、メニュー開発やテレビ番組の料理制作など多岐にわたって活躍しているフードコーディネーター/料理研究家のあまこようこさんに聞きました。

本記事では、あまこさんに教えてもらった、糀甘酒を使って作るお菓子のレシピ3つも合わせてご紹介!どれもとっても簡単で、安心して子どもに食べさせられる、体にやさしいものばかりです。

糀甘酒は魅力いっぱいの発酵調味料

甘味料としての糀甘酒の魅力って?

「古くから健康に良いと言われ、“飲む点滴”なんて呼ばれることもある糀甘酒ですが、飲むばかりでなく、甘味料として見ても魅力的です。その特徴は、素材の旨みを引き立てるような、穏やかで奥深い甘み。砂糖では甘みが前面に出過ぎてしまうと感じるような料理も、糀甘酒を使って作るとほど良い甘さだと感じられます。

糀甘酒は液体なので、粒状の砂糖に比べて食材と混ぜ合わせるときに馴染みやすいところも良いですね。同じ理由で、焼き菓子の生地に使うとしっとりと仕上がるところも糀甘酒を使うメリットです。

なにより注目したいのは、栄養価の高さ。たっぷり使ってお菓子を作ったとしても、健康的と言えるものができあがる。これはやっぱり大きな魅力ですね」

糀甘酒はどんな料理やお菓子に向いていますか?

「仕上がりがパサつきがちな焼き菓子を作るなら、しっとりと仕上がる糀甘酒がおすすめです。また、卵焼きに甘みを付けたいときやプリンに使う甘味料としては、砂糖よりもずっと使いやすいと思いますよ。

健康的という意味では、子どもに食べさせるおやつに使うのも良いですね。また、誰かにプレゼントするお菓子に使うのも良いと思います。相手を思いやる気持ちが伝わる品になりますし、糀甘酒を使って作ったというだけで、会話の糸口になると思うんです」

糀甘酒を上手に使うコツ、または注意点などはありますか?

「比較的使いやすい甘味料なので、注意するようなことは特にありません。コツというほどのことではありませんが、特に素材の味を引き立たせたい料理やお菓子には向いている甘味料だと思います」

糀甘酒レシピ 1|ハートの糀甘酒生チョコ

生クリームの代わりに糀甘酒を使って作る生チョコです。

「生クリームを使った場合はコクが出ますが、糀甘酒を使うとすっきりとした味に仕上がります。調理自体は糀甘酒を温めてチョコを溶かすだけなので、とっても簡単♪」(あまこさん)

材料

生チョコ茶
糀甘酒……大さじ2杯
チョコレート(茶)……100g 

生チョコ白
糀甘酒……大さじ2杯
チョコレート(白)……140g

作り方

1. チョコレートを細かく砕く

2種類のチョコレートのそれぞれを細かく砕いておきます。

2. 糀甘酒とチョコを混ぜ合わせる

糀甘酒を沸騰直前まで温めたら火を止め、チョコレートを入れます(これなら分離しない)。混ぜ合わせ、粗熱が取れたら絞り袋に入れます。
※茶と白のチョコレートを分け、それぞれでこの作業をします

3. チョコレートを絞る

オーブンペーパーを敷いたところへハート形に絞り、冷やし固めれば完成です。
※V字を書くように絞るとハート形を作りやすいです※お好みでココアを振ると、手につきにくく、食べやすくなります

糀甘酒レシピ 2|糀甘酒マドレーヌ

糀甘酒を使うことでバターの量を減らした、油分少なめのマドレーヌ。しっとりとした食感と、素材の風味を強く感じるやさしい味がクセになります。

「このレシピでは大豆粉を使います。大豆粉には水分を吸収しやすいという特徴があり、液体の糀甘酒を使ってもまとまりやすいので。そのままでもおいしいんですけど、チョコレートで半分をコーティングすることで甘みを強めてみました」(あまこさん)

材料

・大豆粉……50g
・ベーキングパウダー……2g
・溶かしバター……50g
・卵……1個
・糀甘酒……大さじ5杯
・バター(型に塗る用)……適量
・チョコレート(コーディング用)……50g

作り方

1. 下準備をする

型にバターをうすく塗っておきます。大豆粉とベーキングパウダーは合わせておきます。オーブンを170度に予熱しておきます。

2. 材料を混ぜ合わせる

卵、糀甘酒を混ぜます。1を加え、溶かしバターも混ぜ合わせます。

3. オーブンで焼く

型に流し入れ、170度に予熱したオーブンで約10分焼きます。

4. チョコをまとわせる

3の半分に湯煎で溶かしたチョコをまとわせ、冷やして固めれば完成です。

糀甘酒レシピ 3|ナッツサブレ

こちらは子どものおやつにおすすめしたいというレシピです。大豆粉とナッツ由来の香ばしさがあとを引き、コーヒーとの相性は抜群。甘味料として使う糀甘酒と合わせてもおいしくいただけます。

「大豆粉は小麦粉と違い、生地をこねすぎても固くならないので、気軽にガシガシ混ぜてOK。生地を冷凍保存しておけば、必要な分をカットしてオーブンで焼くだけで、その日のおやつを手軽に用意できますよ」(あまこさん)

材料

・アーモンドプードル……50g
・大豆粉……50g
・糀甘酒……大さじ3杯
・ミックスナッツ(無塩)……30g

作り方

1. ナッツを刻む

包丁などを使い、ナッツを細かく刻みます。また、オーブンを170度に予熱しておきます。

2. 材料を混ぜ合わせる

すべての材料を厚手のポリ袋に入れ、袋の中で混ぜます。棒状にまとめて冷凍庫で30分寝かせます。

3. オーブンで焼く

5mmの厚さにスライスして天板に並べます。170度に予熱したオーブンで12分焼けば完成です。

今日のおやつは糀甘酒を使ったお菓子に

「糀甘酒を飲んだり料理に使ったりするようになってから、体調が良い日が増えました。特におなかの調子が良くなっているとは強く実感しています」とあまこさん。すでに習慣として糀甘酒を楽しんでいるという人も、今回のレシピをきっかけに料理やお菓子に使うことが増えれば、より健康的な食生活を送ることができそうですね。

今回ご紹介したレシピはお菓子でしたが、糀甘酒はいろいろな料理で甘味料として使えるので、この機会に試して、そのやさしい甘さの魅力を味わってほしいと思います。料理のレシピも知りたいという方は、ぜひこの記事をクリップしていただければ。要望が多いという結果になったら、次はお料理編をお届けします!