プロ野球のドラフト会議で指名を受けポーズをとる、大阪桐蔭高の(左から)日本ハム5位の柿木蓮投手、中日1位の根尾昂内野手、ロッテ1位の藤原恭大外野手、巨人4位の横川凱投手=25日午後、大阪府大東市

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◆ 春のセンバツ高校野球いよいよ開幕!

 新型コロナウイルスに泣いた失意の春から一年…。いよいよ3月19日から2年ぶりの開催となる『第93回選抜高等学校野球大会』がはじまる。

 注目カードに注目選手、プロ入りが期待されるドラフト候補など、大会の主役である高校生の情報が気になるところだが、今回は出場する32校出身の「現役プロ野球選手(NPB)」をピックアップ。学校別の“現役プロ輩出人数”をランキング形式にして振り返ってみたい。

 まずは現役プロ野球選手「0人」の出場校から。

▼ 0人(8校)

下関国際[山口県・3年ぶり2回目]

聖カタリナ[愛媛県・初出場]

大 崎[長崎県・初出場]

宮崎商[宮崎県・52年ぶり3回目]

八戸西[青森県/21世紀枠・初出場]

三島南[静岡県/21世紀枠・初出場]

東播磨[兵庫県/21世紀枠・初出場]

具志川商[沖縄県/21世紀枠・初出場]

 21世紀枠の4校を含め、昨秋の九州王者・大崎など計8校が現役プロ野球選手「0人」だった。

 それでも、宮崎商は赤ヘル黄金時代を担った元広島の水谷実雄や2008年のドラフト1位でヤクルト入りした赤川克紀、下関国際は2018年限りで現役を引退した元ロッテの宮崎敦次(現広島打撃投手)を輩出。八戸西は元日本ハムの中村渉氏がコーチとして母校に戻り、後進の指導にあたっている。

 大崎は全校生徒114人の離島学校だが、コロナ禍で甲子園大会が中止となった昨夏の県独自大会に加え、秋は県大会を2連覇中。満を持しての聖地初参戦で旋風を巻き起こす可能性も大いにある。女学校として設立された創部6年目の聖カタリナなど、これから球史を積み重ねていくチームにも注目だ。

 続いて現役プロ1人の22位タイから同5人の10位まで、15校をチェック。

◆ 今年から「プロ野球選手」のルーキーも続々

☆=2020年ドラフト入団のルーキー

▼ 22位タイ 1人(3校)

上田西[長野県・初出場]

・郄寺望夢(神/2020年度卒)☆

柴田[宮城県・初出場]

・佐藤優悟(オ/2015年度卒)

鳥取城北[鳥取県・2年連続3回目]

・能見篤史(オ/1997年度卒)

▼ 20位 2人(2校)

市和歌山[和歌山県・2年ぶり7回目]

・川端慎吾(ヤ/2005年度卒)

・益田直也(ロ/2007年度卒)

県岐阜商[岐阜県・2年連続30回目]

・三上朋也(De/2007年度卒)

・高橋純平(ソ/2015年度卒)

▼ 15位タイ 3人(5校)

東海大菅生[東京都・6年ぶり4回目]

・郄橋優貴(巨/2014年度卒)

・勝俣翔貴(オ/2015年度卒)

・戸田懐生(巨/2018年度卒世代※中退)☆

東海大甲府[山梨県・5年ぶり6回目]

・高橋周平(中/2011年度卒)

・渡邉 諒(日/2013年度卒)

・郄部瑛斗(ロ/2015年度卒)

智弁学園[奈良県・2年連続14回目]

・岡本和真(巨/2014年度卒)

・廣岡大志(巨/2015年度卒)

・村上頌樹(神/2016年度卒)☆

広島新庄[広島県・2年連続3回目]

・田口麗斗(ヤ/2013年度卒)

・畝 章真(広/2013年度卒)

・堀 瑞輝(日/2016年度卒)

明豊[大分県・3年連続5回目]

・今宮健太(ソ=2009年度卒)

・濱田太貴(ヤ=2018年度卒)

・居谷匠真(ソ=2020年度卒)☆

▼ 11位タイ 4人(4校)

常総学院[茨城県・5年ぶり10回目]

・内田靖人(楽/2013年度卒)

・宇草孔基(広/2015年度卒)

・鈴木昭汰(ロ/2016年度卒)☆

・菊田拡和(巨/2019年度卒)

天理[奈良県・2年連続25回目]

・西浦直亨(ヤ/2009年度卒)

・中村奨吾(ロ/2010年度卒)

・森浦大輔(広/2016年度卒)☆

・太田 椋(オ/2018年度卒)

京都国際[京都府・初出場]

・曽根海成(広/2013年度卒)

・上野響平(日/2019年度卒)

・釣 寿生(オ/2020年度卒)☆

・早真之介(ソ/2020年度卒)☆

福岡大大濠[福岡県・4年ぶり5回目]

・川原弘之(ソ=2009年度卒)

・坂本裕哉(De=2015年度卒)

・浜地真澄(神=2016年度卒)

・山下舜平大(オ=2020年度卒)☆

▼ 10位 5人 専大松戸[千葉県・初出場]

・上沢直之(日/2011年度卒)

・高橋 礼(ソ/2013年度卒)

・原  嵩(ロ/2015年度卒)

・渡邉大樹(ヤ/2015年度卒)

・横山陸人(ロ/2019年度卒)

 上田西は昨季終了時点で現役選手が不在だったものの、郄寺望夢が昨秋ドラフト7位で阪神に入団しランクイン。鳥取城北は5月に42歳の誕生日を迎える能見篤史が阪神からオリックスに戦いの場を移して奮闘しており、今季はコーチ兼任で後進の育成にも携わっている。

 名門校が並ぶなか、近年急上昇しているのが現役4人の京都国際だ。昨年度のドラフトで支配下入団した日本ハム・上野響平に続いて、今年はオリックス育成4位の釣寿生とソフトバンク育成4位の早真之介が新たにプロ野球の門を叩いた。広島・曽根海成も含めて未だ一軍のレギュラークラスはいないものの、近畿圏では着実に存在感を増してきている強豪校の一つ。春夏通じて初の甲子園となる今大会はもちろん、今後も出てくるであろうドラフト候補の育成にも注目だ。

 続いて5位タイの5校も含めた「現役プロ輩出数トップ5」をチェック。

◆ 1位は圧巻!名実ともにトップクラスの超名門校

▼ 5位タイ 6人(5校)

北海[北海道・10年ぶり13回目]

・鍵谷陽平(巨/2008年度卒)

・川越誠司(西/2011年度卒)

・戸川大輔(西/2014年度卒)

・佐藤龍世(西/2014年度卒)

・阪口皓亮(De/2017年度卒)

・大窪士夢(西/2018年度卒)

健大高崎[群馬県・2年連続5回目]

・三ツ間卓也(中/2010年度卒)

・長坂拳弥(神/2012年度卒)

・柘植世那(西/2015年度卒)

・湯浅 大(巨/2017年度卒)

・山下航汰(巨/2018年度卒)

・下慎之介(ヤ/2020年度卒)☆

中京大中京[愛知県・2年連続32回目]

・嶋 基宏(ヤ/2002年度卒)

・堂林翔太(広/2009年度卒)

・磯村嘉孝(広/2010年度卒)

・伊藤康祐(中/2017年度卒)

・郄橋宏斗(中/2020年度卒)☆

・中山礼都(巨/2020年度卒)☆

神戸国際大付[兵庫県・4年ぶり5回目]

・坂口智隆(ヤ/2002年度卒)

・石岡諒太(中/2010年度卒)

・宗接唯人(ロ/2012年度卒)

・蔵本治孝(ヤ/2013年度卒)

・小深田大翔(楽/2013年度卒)

・平内龍太(巨/2016年度卒)☆

明徳義塾[高知県・2年連続20回目]

・伊藤 光(De/2007年度卒)

・石橋良太(楽/2009年度卒)

・岸潤一郎(西/2014年度卒)

・古賀優大(ヤ/2016年度卒)

・西浦颯大(オ/2017年度卒)

・市川悠太(ヤ/2018年度卒)

▼ 4位 9人 仙台育英[宮城県・2年連続14回目]

・松原聖弥(巨/2012年度卒)

・上林誠知(ソ/2013年度卒)

・馬場皐輔(神/2013年度卒)

・熊谷敬宥(神/2013年度卒)

・梅津晃大(中/2014年度卒)

・平沢大河(ロ/2015年度卒)

・郡司裕也(中/2015年度卒)

・西巻賢二(ロ/2017年度卒)

・入江大樹(楽/2020年度卒)☆

▼ 3位 10人 敦賀気比[福井県・5年ぶり8回目]

・内海哲也(西/2000年度卒)

・山田修義(オ/2009年度卒)

・吉田正尚(オ/2011年度卒)

・西川龍馬(広/2012年度卒)

・平沼翔太(日/2015年度卒)

・山粼颯一郎(オ/2016年度卒)

・黒田響生(巨/2018年度卒)

・木下元秀(広/2019年度卒)

・長谷川信哉(西/2020年度卒)☆

・笠島尚樹(巨/2020年度卒)☆

▼ 2位 12人 東海大相模[神奈川県・2年連続12回目]

・菅野智之(巨/2007年度卒)

・田中広輔(広/2007年度卒)

・大田泰示(日/2008年度卒)

・大城卓三(巨/2010年度卒)

・渡辺 勝(中/2011年度卒)

・田中俊太(De/2011年度卒)

・菅野剛士(ロ/2011年度卒)

・小笠原慎之介(中/2015年度卒)

・吉田 凌(オ/2015年度卒)

・遠藤 成(神/2019年度卒)

・山村崇嘉(西/2020年度卒)☆

・西川僚祐(ロ/2020年度卒)☆

▼ 1位 21人 大阪桐蔭[2年連続12回目]

・中村剛也(西/2001年度卒)

・岩田 稔(神/2001年度卒)

・平田良介(中/2005年度卒)

・中田 翔(日/2007年度卒)

・岡田雅利(西/2007年度卒)

・浅村栄斗(楽/2008年度卒)

・江村直也(ロ/2010年度卒)

・山足達也(オ/2011年度卒)

・藤浪晋太郎(神/2012年度卒)

・澤田圭佑(オ/2012年度卒)

・森 友哉(西/2013年度卒)

・香月一也(巨/2014年度卒)

・正隨優弥(広/2014年度卒)

・福田光輝(ロ/2015年度卒)

・高山優希(日/2016年度卒)

・横川 凱(巨/2018年度卒)

・藤原恭大(ロ/2018年度卒)

・根尾 昂(中/2018年度卒)

・柿木 蓮(日/2018年度卒)

・中田惟斗(オ/2019年度卒)

・仲三河優太(西/2020年度卒)☆

 トップ5ともなると全国に名の知られた強豪校ばかり。

 中京大中京は昨年のドラフトで中山礼都が巨人、郄橋宏斗が中日から支配下指名を受けて新たに2人がプロ入り。コロナ禍に泣いた世代の攻守の柱をプロの世界へ送り込み、トップ5に食い込んだ。

 また、東海大相模は昨年クリーンナップを打っていた山村崇嘉を西武のドラ3、西川僚祐をロッテのドラ5でプロ野球界へ。西武の偶数年ドラ3は浅村栄斗、秋山翔吾、金子侑司、外崎修汰、源田壮亮と未来の主力を“当てる”ラッキースポットと化しているだけに、山村の今後の成長にも大きな期待が寄せられている。

 そして、他の追随を許さない圧倒的な数字を積み上げたのが、最多21人の現役NPBプレイヤーを誇る大阪桐蔭だ。

 近年は毎年のようにプロ野球選手を輩出しており、空白の“2017年度卒”は夏の甲子園で仙台育英に劇的な逆転負けを喫した世代。彼らは現在大学4年生の世代で、当時のエース・徳山壮磨(現早稲田大)は大学日本代表候補に選出されるなど今秋ドラフトの指名候補に浮上しており、プロ入りの夢が近づいてきている。

 大学・社会人を含めてもアマチュア球界トップクラスのドラフト候補育成機関となっている“西の横綱”は、今大会も最速150キロ左腕・松浦慶斗に154キロ右腕・関戸康介とタレント揃いの陣容で優勝候補に名乗りを上げている。今年も春のセンバツはもちろん、夏の選手権、秋のドラフト会議でも野球ファンの注目を浴びる存在になりそうだ。