虐待の疑いがあるとして児童相談所に保護された長男との面会を認めない行政指導は違法だとして、両親が県に損害賠償を求めた裁判で、宇都宮地方裁判所は3日、両親の請求を一部認め母親に対し15万円を支払うよう命じる判決を言い渡しました。

この裁判は、2017年に父親からの虐待で児童相談所に保護され、現在も児童養護施設に入所している足利市の男子生徒の両親が、行政指導による面会制限が長期にわたっているのは違法であるとして県に対して660万円の損害賠償を求めたものです。

3日の判決で宇都宮地方裁判所は母親には、身体的虐待を行った事実がなく面会制限の行政指導は違法性があると認め県に対し15万円の支払いを命じました。

一方で、父親は日常的に暴力をふるっていたことなどから制限は妥当としました。

判決後に会見した両親の代理人の高島 惇弁護士は「児相による面会制限の行政指導について違法と判断されたのは初めて。今後の運用に大きく影響するのではないか」と述べています。