体を温めて冷えを解消する「温活」。自己流で行っている人も多いと思いますが、じつは“かくれ冷え”が潜んでいることも!
医師の石原新菜さんと、漢方師の櫻井大典さんに、正しい温活法や効果がアップする方法を教えてもらいました。


“かくれ冷え”チェックリスト

“かくれ冷え”をチェック!あなたはペンギン?それともアルパカ?



まずは日頃の過ごし方をチェック!
体を冷やし気味なペンギンと、温活バッチリのアルパカ。あなたはどちらに当てはまりますか?

●<体を冷やし気味>ペンギンの特徴




ひえひえペンギン

冷たい飲み物やアイスが好き。セーターが苦手で、常に薄着。冬場は寒いので家にこもりがちで、入浴は手早くシャワーのみ。

●<温活バッチリ>アルパカの特徴




ぽかぽかアルパカ

飲み物は常温か、温めて飲むのが基本。重ね着が大好きで、いつもぬくぬく。散歩が日課で、お風呂はゆっくり湯船につかる派。

【かくれ冷えチェックリスト】



客観的に体が冷えていないか確認しましょう。
普段冷えている実感がなくても、チェックリストのうち、ひとつでも当てはまるものがあれば、「冷えている」可能性があります。


□いつも肩がこっている
□いつもだるい、疲れやすい
□頭痛に悩まされている
□こめかみにはり・痛みがある
□目の下のクマが消えない
□腰痛がある
□足がむくみやすい
□足がつりやすい
□手足の指先が冷たい、しもやけになりやすい
□便秘がち、または下痢がち
□月経痛が強め


●寒い冬の不調の多くは冷えが原因かも!



冬は体の不調を感じやすい季節。体が冷えると血流が悪くなり、肩こりや頭痛、腰痛の原因になります。また、上のチェックリストにある症状も要注意。

「不調があるなら、冷えている可能性大。自覚がない“かくれ冷え”のこともあります」と、医師の石原新菜先生。
「冷えて血流が悪くなると、酸素や栄養、水分を臓器に運ぶ血の流れが滞るので、臓器にも不調が出やすくなります。ほうっておくと、生理痛や生理不順、便秘、膀胱炎などにつながることも」

また、漢方師の櫻井大典先生は、「漢方では、“温める”というよりも、“冷やさない”ことを大切にします」と話します。
漢方には“養生”という考え方があり、その時季に合った食事や習慣で、体調を整えます。冬場に元気に過ごすポイントは、なるべく素肌の露出を減らし、体温より低い飲食物をとらないこと。
「普段から冷やさないように生活するだけでも十分です。体を温める食材は、体質によっては合わない場合も。体調に合わせて無理せず取り入れてみてください」

●気づかないうちにこんなところが冷えている!



手足の先が冷たくなっているときは気付きやすいですが、意外な部分も冷えているかもしれません。パソコンやスマホに触れる時間が長い人は要注意です。



・手足の先

手のひら、足の裏にはたくさんの毛細血管があり、体が冷えると、それ以上体温を逃がさないように、手足から放散される熱を止める。そのため、血行が悪くなって冷たくなる。

・肩

パソコンやスマホなどに没頭すると、頭を首だけで支える姿勢になり、血行が悪くなって冷える。

・目の周り

パソコンやスマホなどによる眼精疲労に加え、冬場は冷えて血行が悪くなることが多い。クマの原因に。

・首

「三つの首」ともいわれる、首・手首・足首。筋肉や脂肪が少なく、血管が肌の表面近くにあるので、熱を奪われやすい。

・おなか

臓器がたくさん入っているおなかは、冷えると内臓の働きも落ちてしまう。反対に温めると内臓が活性化し、代謝が上がって血流もUP。

・腰

自律神経を整える「骨盤内臓神経」があり、温めると臓器が活性化する。

・手首

・足首

<イラスト/ハルペイ 取材・文/ESSE編集部>

●教えてくれた人
【石原新菜さん】



イシハラクリニック副院長。漢方医学、自然療法、食事療法により治療を行う。冷えのほか、女性のセルフケア、ダイエットなどについての著書多数

【櫻井大典さん】



年間5000人以上の相談を受ける漢方専門家。著書に『まいにち漢方
』(ナツメ社刊)など。Twitterで発信する、わかりやすい漢方&養生の情報も人気