日光の社寺守る技術 無形遺産に
ユネスコの無形文化遺産に日光の社寺を守る保存会の2つの匠の技が「伝統建築工匠の技、木造建築物を受け継ぐための伝統技術」として登録される見通しになりました。
栃木の文化を未来につなぐ技が国際的に認められたことにもなります。関係者に話を聞きました。
ユネスコが登録を勧告した「伝統建築工匠の技」の保存団体のひとつ日光二社一寺の修理を手掛ける「日光社寺文化財保存会」です。
現在は21人の職人が江戸時代から続く技術を継承し「平成の大修理」では日光東照宮の陽明門や日光山輪王寺の三仏堂、日光二荒山神社の本殿などで匠の技を発揮しました。
保存する技術は対象となった17の分野のうち「建造物漆塗」と「建造物彩色」で、2件ともすでに国の選定保存技術に選ばれています。
建造物や彫刻の美しさを際立たせる漆塗りは漆を塗り重ねて作る下地作りなど 最大で38の工程があります。
漆を塗っては研ぐ作業を繰り返し、均一でまるで鏡のように美しい表面に仕上げます。
建造物や彫刻を色鮮やかに飾る彩色は動物の毛並みや表情などの細かい部分から模様の細部に至るまで繊細な作業です。
文化財の保存修理は使うことができる部分を極力残しながら伝統的な材料と工法で行われます。
江戸時代では20年に1回、明治以降は50年に1回大修理が行われる日光の社寺では前回の修理の時の色や模様を完全に再現することで、なるべく創建当時の趣を継承しています。
来月14日から19日にオンライン開催されるユネスコの政府間委員会で正式に登録が決まる見通しで、登録されれば県内に関係する無形文化遺産は3件目です。