芸術の秋は美術館へ!編集部&ライター注目の展覧会3選/第2回「1894 Visions ルドン、ロートレック展」グッズやコラボメニュー情報も
芸術の秋は美術館へ!編集部&ライター注目の展覧会3選
第2回 三菱一号館美術館「1894 Visions ルドン、ロートレック展」の楽しみ方
芸術の秋は、アートをとことん堪能する休日を過ごしてみては?こちらの連載では、作品の見どころはもちろん、展覧会ならではのグッズ、フードメニューも楽しめる、編集部&ライター注目の展覧会を3回にわたり紹介していきます。
第2回目は、三菱一号館美術館で行われている「1894 Visions ルドン、ロートレック展」。本展は、ロートレック作品約260点を所蔵する三菱一号館美術館の開館10周年と、世界有数のルドンコレクションを誇る岐阜県美術館のリニューアルオープンを記念して共同開催。両館のコレクションを中心に常時約120作品が公開されています。
●取材・文:中村美枝(JAM SESSION) ●撮影:編集部(展示風景)
【1】主役はルドンとロートレック!1894年を軸にした展覧会へ
【2】モデルは“モンマルトルの顔”、アリスティド・ブリュアン
【3】穏やかではないふたりの表情が気になる、版画集の表紙
【4】暗闇の空間でルドンの“色彩”をじっくりと鑑賞しよう
【5】グッズ「原寸トリミングシリーズ」がとびきりおしゃれ!
【6】1894年をしのぶ空間で、大人味のデザートを召し上がれ
主役はルドンとロートレック!1894年を軸にした展覧会へ
“1894年”を軸に構成された本展では、19世紀末のフランスでアートの新たな可能性を模索したふたりの画家、オディロン・ルドンとアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックをフィーチャー。印象派やナビ派の画家、パリにわたった日本人洋画家たちの作品も取り上げ、同時代を振り返ります。
展覧会のキーワードである“1894年”は、イギリス人建築家ジョサイア・コンドルが設計した丸の内最初のオフィスビル「三菱一号館」が竣工した年。レンガ造りの外観など、その姿を細部まで復元した美術館の建物も堪能し、19世紀末という時代をより深く感じ取ってみましょう。
本展では無料で音声ガイドを利用できるスマートフォンアプリにも注目を。会場でダウンロードできますが、チケットの予約が可能で、鑑賞前にチェックしておきたいスペシャルコンテンツも。公式サイトからダウンロードできるので、事前に用意しておくと便利です。
モデルは“モンマルトルの顔”、アリスティド・ブリュアン
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 《アリスティド・ブリュアン 彼のキャバレーにて》 1893年 リトグラフ/紙 138.2×98.5cm 三菱一号館美術館蔵
1884年にパリの歓楽街モンマルトルに移り住み、周囲の人々を描いていたロートレック。1891年、カラー・リトグラフのポスター《ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ》(本展の前期に展示)で本格デビューを果たすと、たちまちパリの人気者に。パリのあちらこちらにロートレックのポスターが飾られていたとか。
本作のモデルは民衆歌手でキャバレーの主人でもあったアリスティド・ブリュアン。ロートレックの下積み時代からの付き合いで、80年代半ばから作品を買い上げ、キャバレーに飾っていたといいます。ブリュアンをモデルにしたそのほかの作品もお見逃しなく!
穏やかではないふたりの表情が気になる、版画集の表紙
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 『レスタンプ・オリジナル』《第1年次のための表紙》 1893年 リトグラフ/紙 57.6×82.5cm 三菱一号館美術館蔵
パリで注目の的となったロートレックは、しだいに美術愛好家のための室内用ポスターなども手がけるようになり、活躍の場を広げていきます。1893年から2年半の間に計10回配布する予定だった(実際は9回で終了)100部限定の豪華な版画集『レスタンプ・オリジナル』に作品を出品しました。
こちらは、その第1年次の表紙を飾った作品。描かれているのは、ロートレックが信頼を寄せていた刷り師のコテルおじいさんと、お気に入りのモデル、ジャヌ・アヴリル。決して穏やかではないふたりの表情……。その謎を読み解きたくなります。
暗闇の空間でルドンの“色彩”をじっくりと鑑賞しよう
オディロン・ルドン 《グラン・ブーケ(大きな花束)》 1901年 パステル/画布 248.3×162.9cm 三菱一号館美術館蔵
1894年、それまで木炭画と石版画で「黒」の世界を表現し続けていたルドンは個展で初めて「色彩」の作品を発表。以降、「黒」の作品と並行して、パステルや油彩の作品を次々と生み出していきました。
《グラン・ブーケ(大きな花束)》は蒐集家ドムシー男爵の城館の食堂に飾るために描かれた装飾画16点のうちのひとつで、所蔵する三菱一号館美術館では年に1度のペースで公開。美術館にとってシンボル的存在のこの作品を、暗闇の展示室に1点だけ展示。その光景は、まるで黒の世界に放たれた、あたたかな光のようでした。
グッズ「原寸トリミングシリーズ」がとびきりおしゃれ!
ミュージアムショップ「Store 1894」でのお買い物も楽しみ。会期中は、展覧会にちなんださまざまなグッズを販売。なかでも目を引いたのは、原寸大でプリントしたロートレックのポスター作品をトリミングして、Tシャツ、トート、ポーチなどに仕立てた「原寸トリミングシリーズ」。
ほかにもルドンとロートレックを刺繍したキーリング、作品をパッケージにしたビーントゥーバーチョコレートなど、さりげなくも、しっかりアートなグッズが目白押しです。
※掲載のグッズは売り切れとなる場合あります。ご了承ください
1894年をしのぶ空間で、大人味のデザートを召し上がれ
ミュージアムカフェ「Café 1894」で恒例となっているのが、展覧会のタイアップメニュー。今回もランチとデザートが各1品ずつ用意されています。写真の「おとなのグラン・ブーケ」990円(税込)は、ルドンの《グラン・ブーケ(大きな花束)》をイメージしたデザート。
ふんわり食感のチョコレートムースが甘酸っぱいカシスのソースや爽やかな風味の柚子ソルベと相性ぴったり。明治期に銀行営業室として利用されていた空間を復元した店内も特別感があって、展覧会の余韻にたっぷり浸れます。
※提供は2021年1月17日(日)まで
※開催期間などの詳細はCafé 1894の公式サイトをご確認ください
DATA
※会期、開館時間、チケット情報などの詳細や最新の開催状況は公式サイトにてご確認をお願いします※
1894 Visions ルドン、ロートレック展
会期:〜2021年1月17日(日)※11月30日、12月28日、2021年1月4日を除く月曜、展示替えの11月24日(火)・25日(水)、12月31日(木)、2021年1月1日(金)は休館
開館時間:10:00〜18:00、祝日を除く金曜と会期最終週平日、第2水曜日は21:00まで(入館は閉館の30分前まで)
施設名:三菱一号館美術館
住所:東京都千代田区丸の内2-6-2
アクセス:JR「東京駅」丸の内南口より徒歩5分、東京メトロ千代田線「二重橋前駅」1番出口より徒歩3分ほか
問い合わせ先:050-5541-8600(ハローダイヤル)
URL:https://mimt.jp/visions/
※観覧チケット(音声ガイド付き)は日時指定券の販売を導入。当日券は会場窓口にて
第2回 三菱一号館美術館「1894 Visions ルドン、ロートレック展」の楽しみ方
芸術の秋は、アートをとことん堪能する休日を過ごしてみては?こちらの連載では、作品の見どころはもちろん、展覧会ならではのグッズ、フードメニューも楽しめる、編集部&ライター注目の展覧会を3回にわたり紹介していきます。
第2回目は、三菱一号館美術館で行われている「1894 Visions ルドン、ロートレック展」。本展は、ロートレック作品約260点を所蔵する三菱一号館美術館の開館10周年と、世界有数のルドンコレクションを誇る岐阜県美術館のリニューアルオープンを記念して共同開催。両館のコレクションを中心に常時約120作品が公開されています。
【1】主役はルドンとロートレック!1894年を軸にした展覧会へ
【2】モデルは“モンマルトルの顔”、アリスティド・ブリュアン
【3】穏やかではないふたりの表情が気になる、版画集の表紙
【4】暗闇の空間でルドンの“色彩”をじっくりと鑑賞しよう
【5】グッズ「原寸トリミングシリーズ」がとびきりおしゃれ!
【6】1894年をしのぶ空間で、大人味のデザートを召し上がれ
主役はルドンとロートレック!1894年を軸にした展覧会へ
“1894年”を軸に構成された本展では、19世紀末のフランスでアートの新たな可能性を模索したふたりの画家、オディロン・ルドンとアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックをフィーチャー。印象派やナビ派の画家、パリにわたった日本人洋画家たちの作品も取り上げ、同時代を振り返ります。
展覧会のキーワードである“1894年”は、イギリス人建築家ジョサイア・コンドルが設計した丸の内最初のオフィスビル「三菱一号館」が竣工した年。レンガ造りの外観など、その姿を細部まで復元した美術館の建物も堪能し、19世紀末という時代をより深く感じ取ってみましょう。
本展では無料で音声ガイドを利用できるスマートフォンアプリにも注目を。会場でダウンロードできますが、チケットの予約が可能で、鑑賞前にチェックしておきたいスペシャルコンテンツも。公式サイトからダウンロードできるので、事前に用意しておくと便利です。
モデルは“モンマルトルの顔”、アリスティド・ブリュアン
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 《アリスティド・ブリュアン 彼のキャバレーにて》 1893年 リトグラフ/紙 138.2×98.5cm 三菱一号館美術館蔵
1884年にパリの歓楽街モンマルトルに移り住み、周囲の人々を描いていたロートレック。1891年、カラー・リトグラフのポスター《ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ》(本展の前期に展示)で本格デビューを果たすと、たちまちパリの人気者に。パリのあちらこちらにロートレックのポスターが飾られていたとか。
本作のモデルは民衆歌手でキャバレーの主人でもあったアリスティド・ブリュアン。ロートレックの下積み時代からの付き合いで、80年代半ばから作品を買い上げ、キャバレーに飾っていたといいます。ブリュアンをモデルにしたそのほかの作品もお見逃しなく!
穏やかではないふたりの表情が気になる、版画集の表紙
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 『レスタンプ・オリジナル』《第1年次のための表紙》 1893年 リトグラフ/紙 57.6×82.5cm 三菱一号館美術館蔵
パリで注目の的となったロートレックは、しだいに美術愛好家のための室内用ポスターなども手がけるようになり、活躍の場を広げていきます。1893年から2年半の間に計10回配布する予定だった(実際は9回で終了)100部限定の豪華な版画集『レスタンプ・オリジナル』に作品を出品しました。
こちらは、その第1年次の表紙を飾った作品。描かれているのは、ロートレックが信頼を寄せていた刷り師のコテルおじいさんと、お気に入りのモデル、ジャヌ・アヴリル。決して穏やかではないふたりの表情……。その謎を読み解きたくなります。
暗闇の空間でルドンの“色彩”をじっくりと鑑賞しよう
オディロン・ルドン 《グラン・ブーケ(大きな花束)》 1901年 パステル/画布 248.3×162.9cm 三菱一号館美術館蔵
1894年、それまで木炭画と石版画で「黒」の世界を表現し続けていたルドンは個展で初めて「色彩」の作品を発表。以降、「黒」の作品と並行して、パステルや油彩の作品を次々と生み出していきました。
《グラン・ブーケ(大きな花束)》は蒐集家ドムシー男爵の城館の食堂に飾るために描かれた装飾画16点のうちのひとつで、所蔵する三菱一号館美術館では年に1度のペースで公開。美術館にとってシンボル的存在のこの作品を、暗闇の展示室に1点だけ展示。その光景は、まるで黒の世界に放たれた、あたたかな光のようでした。
グッズ「原寸トリミングシリーズ」がとびきりおしゃれ!
ミュージアムショップ「Store 1894」でのお買い物も楽しみ。会期中は、展覧会にちなんださまざまなグッズを販売。なかでも目を引いたのは、原寸大でプリントしたロートレックのポスター作品をトリミングして、Tシャツ、トート、ポーチなどに仕立てた「原寸トリミングシリーズ」。
ほかにもルドンとロートレックを刺繍したキーリング、作品をパッケージにしたビーントゥーバーチョコレートなど、さりげなくも、しっかりアートなグッズが目白押しです。
※掲載のグッズは売り切れとなる場合あります。ご了承ください
1894年をしのぶ空間で、大人味のデザートを召し上がれ
ミュージアムカフェ「Café 1894」で恒例となっているのが、展覧会のタイアップメニュー。今回もランチとデザートが各1品ずつ用意されています。写真の「おとなのグラン・ブーケ」990円(税込)は、ルドンの《グラン・ブーケ(大きな花束)》をイメージしたデザート。
ふんわり食感のチョコレートムースが甘酸っぱいカシスのソースや爽やかな風味の柚子ソルベと相性ぴったり。明治期に銀行営業室として利用されていた空間を復元した店内も特別感があって、展覧会の余韻にたっぷり浸れます。
※提供は2021年1月17日(日)まで
※開催期間などの詳細はCafé 1894の公式サイトをご確認ください
DATA
※会期、開館時間、チケット情報などの詳細や最新の開催状況は公式サイトにてご確認をお願いします※
1894 Visions ルドン、ロートレック展
会期:〜2021年1月17日(日)※11月30日、12月28日、2021年1月4日を除く月曜、展示替えの11月24日(火)・25日(水)、12月31日(木)、2021年1月1日(金)は休館
開館時間:10:00〜18:00、祝日を除く金曜と会期最終週平日、第2水曜日は21:00まで(入館は閉館の30分前まで)
施設名:三菱一号館美術館
住所:東京都千代田区丸の内2-6-2
アクセス:JR「東京駅」丸の内南口より徒歩5分、東京メトロ千代田線「二重橋前駅」1番出口より徒歩3分ほか
問い合わせ先:050-5541-8600(ハローダイヤル)
URL:https://mimt.jp/visions/
※観覧チケット(音声ガイド付き)は日時指定券の販売を導入。当日券は会場窓口にて