鳩山友紀夫氏(2010年撮影)

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鳩山由紀夫元首相(73)の長男、紀一郎氏(44)が2020年10月13日、父親の発言を謝罪した。

由紀夫氏が北朝鮮を称賛するかのような書き込みをSNS上にしたとして、「拉致被害者の方々やご家族、そしてその方々を思いやる全ての国民に辛い想いをさせてしまいかねません」と苦言を呈している。

由紀夫氏「これはターニングポイントを示すシグナル」

由紀夫氏は12日にツイッターで、北朝鮮の金正恩委員長が10日の軍事パレードでの演説で「国民に報いることができず面目ない」などと時折涙声で謝罪したことに触れ、「一国の指導者が約束を果たせず国民に謝罪して涙することは滅多にないことだ」と感想をつづった。

その上で、「日本でも米国でもこれをやったあれもやったのオンパレードだが、それなら国民はもっと豊かになっているはずだ」と諸外国を引き合いに出し、金委員長の姿勢を評価した。

投稿は1000以上リツイートされ、注目を集めた。かねてから「友愛外交」を唱える由紀夫氏の主張には共感も集まったが、多くは「ご自分の時はどうでしたか」「拉致被害の方々および拉致被害者のご家族方々の事が少しでも頭におありでしょうか?」などと反発が目立つ。

紀一郎氏も13日にツイッターで反応し、「このツイートは、拉致被害者の方々やご家族、そしてその方々を思いやる全ての国民に辛い想いをさせてしまいかねません」と苦言を呈し、「私が謝罪しても仕方がないのかもしれませんが、大変申し訳ございません」と陳謝。「日本の問題を論じる上で、彼の国を称賛するかのような論法は全く不要です。父にもきちんと話しておきます」と由紀夫氏に忠告する意向を示した。

紀一郎氏は、長岡技術科学大学の特任准教授(土木計画学・交通工学)を務める。20年6月までに一般社団法人日本先進会を立ち上げ、新党結成を目指している。

息子からの"叱責"を受けてか、由紀夫氏は14日にふたたびツイッターを更新し、「拉致被害者のことを思えとご批判を多々受けた。私は称賛するつもりでは無く実に驚いたのだ」と誤解を招いたと釈明。一方で、「これはターニングポイントを示すシグナルかも知れない。制裁一辺倒では全く進展しなかった拉致問題。対話の扉を開く時が来たのではないかと思うのだ」と持論を展開している。