久保建英の活躍以上に現地で話題となったのは、PKを巡るジャッジの問題だ。 (C) Getty Images

写真拡大

 現地時間6月30日に開催されたラ・リーガ第33節で、18位のマジョルカは8ポイント差で追う17位のセルタと対戦して、5-1の大勝を飾った。

 負ければ残留が絶望的となる“裏天王山”で、マジョルカの久保建英は2アシストを含む4ゴールに絡み、降格回避への望みを繋ぐ文字通りの大活躍を見せた。

 だが、試合後、そのサムライ戦士の活躍以上に地元メディアが、大きく取り上げたのは、VAR判定を巡る騒動だった。

 開始早々の7分、サンティ・ミナと接触したマジョルカのMFダニ・ロドリゲスが倒れ、レフェリーがPKを宣告。後者がシミュレーションを取られてもおかしくはない微妙なシーンだったが、5分あまりのVAR検証でもジャッジは覆らずにセルタが先制を許したのだ。

 この失点がその後のゲーム展開に大きな影響をもたらしたことは言うまでもない。それだけにセルタのオスカル・ガルシア監督は、試合後の会見で、皮肉交じりに怒りを露わにした。

「主審だけが、スペイン全土であれをPKにしたんだ。私が見てきたなかでも、最もありえないPKだ。間違いなくね。おそらく主審は自らの間違いを認識するのが簡単ではなかったのだろう。映像で見直して間違いの深刻さがより浮き彫りになったのだからね」
 

 このコメントを受け、スペイン紙『Marca』のラジオ番組のコメンテーターであるアンドゥハル・オリバーは、物議を醸したレフェリングに苦言を呈した。

「VARは本当にジョークだ。マジョルカの選手がレフェリーを欺こうとして図々しく倒れてもPKの判定になってしまうんだからね。意味はないよ」

 また、地元メディアもブルゴス・ベンゴエチェア主審のジャッジには辛辣だ。『El Desmarque』のビーゴ版は、「今日の試合は完全に盗まれた。レフェリーは強盗である」と糾弾した。

 残留を巡るビッグゲームで起きたジャッジ問題。その裁定は、現地で波紋を広げている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部