映画『アングスト/不安』より
 - (C) 1983 Gerald Kargl Ges.m.b.H. Filmproduktion

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 1980年にオーストリアで実際に起きた殺人鬼ヴェルナー・クニーセクによる一家惨殺事件を忠実に映画化し、あまりにもショッキングな内容で世界各国で上映打ち切りや禁止となった『アングスト/不安』(1983)が、7月3日より日本で劇場初公開される。先日、残虐な殺人鬼と共に被害者宅の飼い犬が出てくる予告編が公開されるや、愛犬家たちから「犬がひどい目に遭わないか心配」「劇場で観る前に犬が無事か知りたい」など不安の声が続出したといい、今回“犬の安否を確認できる”特別映像が公開された。

 結論から言えば、“犬だけは無事”とのこと。ただし、刑務所出所後の殺人鬼の異常行動と心理状態を凶暴かつ冷酷非情なタッチと斬新なカメラワークを用いて表現し、狂人自身のモノローグでつづる構造や全編に徹底された陰鬱なトーンなど、作品自体が“異常”な本作。配給は「劇中、倫理的に許容しがたい設定、描写が含まれておりますが、すべて事実に基づいたものであります。本作は娯楽を趣旨としたホラー映画ではありません。特殊な撮影手法と奇抜な演出は観る者に取り返しのつかない心的外傷をおよぼす危険性があるため、この手の作品を好まない方、心臓の弱い方はご遠慮下さいますようお願い致します。またご鑑賞の際には自己責任において覚悟して劇場にご来場下さい」と呼び掛けている。(編集部・市川遥)

映画『アングスト/不安』は7月3日よりシネマート新宿ほか全国順次公開