AFX通信によると、今月27−28日に開催されるFOMC（米連邦公開市場委員会）を初めて率いることになるバーナンキFRB議長の講演が20日夜、ニューヨークで予定されている。１−２月の経済活動をまとめたFRBの地区連銀経済報告（ベージュブック）では引き続き経済活動の拡大が報告されたものの、その後に発表されている経済指標では小売売上高や住宅着工件数、消費者信頼感指数、鉱工業生産、設備稼働率など市場予想を下回るものが相次ぎ、特に先週16日発表された2月のCPI（消費者物価指数）のコア指数は前月比0.1％の上昇と市場予想の0.2％を下回る結果となっていた。このため、市場では金利引き締めのピークが早まる可能性が強まっているとして、バーナンキFRB理事の経済情勢への認識に注目が集まっている。

　　軟調だった同CPIが好感され相場は上伸。これまで6月までの金利5.25％への利上げを織り込んでいたFF（フェデラル・ファンド）レートの先物相場も、5月までの5％観測へと修正されている。ドイツ銀行の資産管理部門のベンジャミン・ペースCIO（最高投資責任者）は、「市場では金融政策の手法論以外に、バーナンキ理事がどのような景気認識を持っているか、特に物価が抑制されているか否かといった点の発言を注視している」と述べていた。そのうえで、仮に5％が金利のピークとの見方がFRBから示唆されれば、先日約5年弱ぶりに上伸した株価指数が再び上を目指す材料になる公算があるとの見方を示していた。　【了】