「アンチ・グレタ」と呼ばれるドイツの19歳少女(右)(画像は『Metro 2020年2月25日付「Teenage climate change denier hailed as ‘anti-Greta’ by far-right groups」』のスクリーンショット)

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昨今、気候変動による温室効果ガス排出などで地球温暖化が懸念されているが、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんが気候変動によってもたらされるリスクを訴えていることで、人々の環境に対する意識がさらに高まっているようだ。しかしドイツの「気候リアリスト」を名乗る少女がこれに疑問を呈していることで、注目を集めている。『Metro』『The Sun』『The guardian』などが伝えた。

ドイツの「アンチ・グレタ」の異名を持つ現在19歳のナオミ・ザイブトさん(Naomi Seibt)は、自身のYouTubeチャンネルで気候変動による問題を訴える活動家やメディアに対して「過剰すぎる」と疑問を呈しており、自らを「気候変動懐疑論者」または「気候リアリスト」を名乗っている。

そのナオミさんに白羽の矢を立てたのが、米イリノイ州に拠点を置くハートランド研究所(The Heartland Institute)だった。同研究所は非営利研究所として運営されている保守系シンクタンクである。同研究所によると、「一部のジャーナリストと科学者の『人類の活動や二酸化炭素が気候変動を引き起こして地球を破壊しているため、若者に未来はなく動物たちは死んでしまう』という考え方は大げさすぎる」そうだ。

ナオミさんは同研究所を通じて今月26日から29日、ワシントン近郊で開催される保守政治行動会議(CPAC)で、トランプ米大統領やマイク・ペンス米副大統領の前で演説する予定だ。一躍注目を浴びることになった彼女だが、自身のYouTubeチャンネルでは次のように訴えている。

「私が幼い頃、学校の教科書やマスメディアは気候変動問題をヒステリックに訴えていました。そんな中で育ったこともあり、私自身が気候変動について危機感を持っていたのです。そして無垢だった私は、樹木にハグすることで地球を救うことができると思っていました。しかし実際にはそうではないことが分かりました。」

「気候変動の警鐘を過剰に鳴らすことは、まさに人道に反する卑劣な思想だと言えます。私達は主なエネルギー源である化石燃料を使うことで多大な恩恵を受けていることについては考慮されることもなく、得られた豊かさにまで罪悪感、羞恥心、嫌悪感を持って見下すように教えられてきました。」

「周りを見渡してください! 私達は急速な進歩と革新の素晴らしい時代に生きているのです。私達がそれを誇りに思うことは許されないのでしょうか。誇りどころか議論することさえ許されず、真の科学者が職を失っているのです。」

ナオミさんは同研究所で活動することで1900ユーロ(約22万8千円)弱の月給をもらっていることを認めており、これはドイツの月平均手取り額とほぼ同じということだ。

同研究所の公式サイトにはナオミさんのメッセージ動画が掲載されているが、その中で彼女は「あなたにとって非常に良いニュースがあります。気候変動によって世界が終わることはありません。実際に12年後にはあなたは“iPhone 18”で何気なく写真を撮っていることでしょう」と話している。

画像は『Metro 2020年2月25日付「Teenage climate change denier hailed as ‘anti-Greta’ by far-right groups」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)