『グッド・オーメンズ』天使アジラフェルと悪魔クロウリーの配役が変わった理由とは?

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何千年も前からの腐れ縁である天使のアジラフェルと悪魔のクロウリーが、力を合わせて世界を破滅から救おうとするAmazonのコメディドラマ『グッド・オーメンズ』。『ドクター・フー』の10代目ドクターとして知られるデヴィッド・テナントがクロウリーを演じているが、その配役に最初Amazonは難色を示していたという。テリー・プラチェットとともに原作を手掛け、さらに本作で脚本・製作総指揮を担当したニール・ゲイマンが、英Digital Spyのインタビューで語っている。

当初はクロウリー役に旧友であるマイケル・シーンを考えていたゲイマン。実際はアジラフェルを演じることになったマイケルの役が変わった経緯についてこう説明する。「そもそも第1話の脚本を書いた時は、クロウリー役にマイケルを考えていたんだ。でも、さらに書き進めていくうちに考えが変わった。マイケルはクロウリーじゃないなって。なぜならマイケルは信じられないくらい優しいからね。こう言って良ければ、まるで天使みたいなんだ。なのになぜか、マイケルはトガった役を演じることが多い。トニー・ブレアやデヴィッド・フロストのような実在の人物を演じる時でも、どこか危険で不安定な要素があるんだ。だから彼が本来持っているスウィートな部分を存分に発揮してもらいたくなったんだよ」

そうして不在になったクロウリー役については、ある日突然"天啓"を得た模様。「第3話でクロウリーとアジラフェルが長い時を一緒に過ごしてきたことをふり返る様子を書いていた時、クロウリーが教会の通路を飛び跳ねながら歩いてくるシーンがあったんだ。悪魔である彼には、教会の通路が日光降り注ぐ砂浜のように熱く感じられるから、そういう歩き方になってしまうんだよね。その時に突然、"そうだ。デヴィッド・テナントなら演じられるかもしれない"とひらめいた。素晴らしいアイディアだったから、その考えが頭から離れなくてね。だけど、デヴィッドのキャスティングをAmazonに納得させるのは難しかったよ。Amazonの重役は、なぜ私がデヴィッドを望むのかうまく理解できなかったんだ」

このままではデヴィッドが他の作品に流れてしまうのは時間の問題だったため、「第2候補はいないし、他の誰にもクロウリーを演じてほしくないから、"イエス"と言わないとダメだ」と、Amazonに電話をして直談判したのだとか。その結果、スタジオからOKが出てデヴィッドが演じるに至った訳だが、実際の彼の演技を見たAmazonは返事を待たせたことを謝っていたそう。

もしかしたらキャスティングの顔ぶれが全く違っていたかもしれないものの、ゲイマンが得た"天啓"と粘りのおかげでぴったりの配役が実現した『グッド・オーメンズ』は、Amazon Prime Videoにて独占配信中。(海外ドラマNAVI)

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Amazonオリジナルドラマ『グッド・オーメンズ』