Jタウンネットの人気コーナー「実録!ご近所トラブル」で2019年によく読まれた記事をピックアップし、「自己防衛おじさん(@tpyclub)」こと占い師の鉄平さんに独自の見解を聞く「ご近所トラブル大賞2019」。

前回に次いで、「町内会トラブル」ついてのエピソードを紹介しよう。今回は年配者が中心の町内会に意見した体験談だ。

町内会費を独占する老人たちへ反旗を翻す現役世代――。はたして、自己防衛おじさんの回答は...。

「現役世代が勝利した瞬間でした」

町内会費を独占していた高齢者たちが、現役世代の「正論」に屈服した話(埼玉県・40代男性)

10月21日に公開したこの記事は、使い道がおかしい町内会費をめぐるトラブルだ。


画像はイメージ

投稿を寄せたのは埼玉県のとある分譲マンションに居住するGさん(40代男性)。ある日、同じマンションの住人が町内会費の納付を拒絶したことがあったという。

すぐに町内会の理事会でこの件が問題に。マンションの管理組合の理事長を通して、この住人に町内会費を拒絶した理由をヒアリングしたうえで、納付を求めることになった。

ところが、その住人は、

「町内会の予算書を見たところ、支出項目のほとんどが老人向けの娯楽予算に振り向けられている...これでは町内会に入る意味がない。町内会が、老人の利権となってしまっている」

と怒りの声を挙げた。これが町内会の理事に知れ渡ると、

「それなら町内会に入らなくて結構だ。その代わり、町内会で受けている便益を受けることもできないように手配するぞ」

と反論。一触即発の事態となった。

すると、Gさんの住むマンションの理事長が、

「うちのマンションの住人のほとんどが、町内会費の資金使途には疑問に思っている...なんなら、うちのマンションの100世帯すべてが町内会から脱会して、独立した町内会を組織しても構わない」

と発言。マンションの世帯主は40、50代の人がほとんどであったため、この発言に町内会の高齢メンバーはだんまり。結果的にマンション側の意見が通ることとなった。

その後は町内会の予算の見直しが実施され、小学生や未就学児向けにも予算が振り向けられるように。

「現役世代が高齢世代に勝利した瞬間でした」

この事件をGさんはそう振り返っている。

自己防衛おじさんの言葉――高齢世代の執着による弊害

勝ち負けの問題と捉える必要はありません。世代間の認識の差はどんな場面でも見受けられます。

電車内でのメイクやベビーカーの問題など、世代によって受け止め方は様々。しかし、共通して言えるのは、物事というのは時代と共に絶対的に変化を遂げる諸行無常のルールの上に成り立っているということです。

ところが、人間は我欲の生き物。その我欲は時間の移ろい、順番に逆らう形のない厄介なものです。今回の高齢者贔屓の町内会予算分配も同じこと。次の世代へ託す、譲るという自然の法則が頭にあれば、予算の分配はこのようなことになっていなかったはずです。

それは、町内会高齢世代の執着による弊害。我欲の一部である執着は破滅をもたらします。その証拠に多くの世帯が町内会から脱会したら、予算不足で高齢世代自身の楽しみすら企画できなくなってしまう、首を絞める行為になることだからです。

時間と共に順番が来たら執着せずに次へと流す。我々自身も何かに執着していないかと振り返らせる一件ですね。