実相寺さんのは極端だけど、でも役者っていうのは両面ないといけない。主観で役の気持ちを演じる事はもちろんだけど、映ってナンボでオブジェに徹する部分もね。それは堀内さんとかと話してるとそういうことを思います。

中丸 なるほど、そうなんですね。

ーーお二人から見て小中監督はどうでしたか。

中丸 本当に穏やかですね、どんな大変な時でも。怒号が飛び交う現場もあるじゃないですか。でもずっと変わらない。飄々と笑いながら、厳しい事仰ったり(笑)。

小中 たま〜に変わるんだけどね、そういうときはテンパってるとき(笑)。(高橋さんに)どうでしたか(笑)?

高橋 基本的にすごく柔らかい方、本当に。いい意味で(自分が)焦らなくていいというか。演じてるときも、ホン読みやリハーサルとかそういうときも、こっちが焦ってても監督は、すごい……

中丸 待っててくれる。

高橋 そう、待っててくれる。すごく待っててくださる方です。

小中 監督によっては追い込むタイプもいるじゃないですか。わりと僕はそっちにはいけないタイプなんだけど、今回は追い込むタイプでやってもよかったかもしれないみたいな内容だったかもしれない(笑)。でもなかなかそうはなれないのが、やっぱり個人的な資質なんでしょう。

中丸 とてもシビアな目線をお持ちなんだと思います。和やかでありながら、こういうことを描くと決めていて、そういう、心の何かを、私は感じます(笑)。二十歳からご一緒させていただいているんですけど、いつも何かある、何かがあるなと。

小中 ウルトラマンと言いながらも、『ウルトラマンネクサス』(2004年〜2005年放送)では(中丸シオンさん演じるリコは)とんでもないヒロインだったわけで、そういう意味じゃ、最初からダークサイドで組んでるから。ただ、その後あんまりそこまでの役はなかったから久々だったという印象かもしれないけど。
元々狂気が演じられる女優としてね、『ネクサス』の斎田リコというヒロインは実は死んでるっていうのが決まってた役だったから、その芝居ができるかどうかのオーディションで選んだので。その力がある人だと最初からわかっていたので、今回一番合ってるかなと思ってお願いしたんです。

中丸 15年振りに、嬉しいです。

ーーアクションも素晴らしかったです。

中丸 楽しかったです。重いシーンがずーっと続いていたから、あの日は身体を動かすだけ! みたいな感じで。もちろんアクションは大変だったんですけど、そういうの、あったよね?

高橋 ありましたね(笑)。

ーー北岡(龍貴)さんもいらっしゃるし。

中丸 そうなんですよ。何をやっても受け止めてくださる。

小中 アクションシーンが最後の撮影だったので。重い芝居が全部終わって、ちょっと開放された感じ(笑)。

中丸 なんかね、そうでしたね(笑)。スタッフの方々も朝までやってたりしましたしね。だから最後の撮影となったアクションシーンは効いてますよね。

ーー最後に本作の見どころをお願いします。

中丸 監督と小中千昭さんが、『VAMP』という作品を作り始めてからものすごく年月が経ってるんですよね。そういう作品をようやく発表できるので、ぜひ皆様には楽しんでいただきたいですし、本当にホラーが苦手な人でも、実はTwitterでいろんな方から「怖そうです」とか「悩んでます」とか「興味があるけど……」ってメッセージをいただくのですが(笑)、本当に8月24日キネカ大森で、私が皆と一緒に隣で見てあげるから、ぜひそういう概念をひとつ隣に置いておいて、一生懸命みんなで頑張って夏に作った作品なので、観にいらしてください。

高橋 本当に、本当に、本当にいろいろな要素が詰まってるので、観終わった後に、すごくいろいろな感情というか、すごく心が動かされると思うんですよ。なので、新しい映画を観たなっていう気持ちになっていただけたら嬉しいですし、本当にエンターテイメントとしても楽しめる作品だと思いますので、8月23日、お待ちしてます。