赤字に陥ってしまった吉野家。カリスマ投資家の内田氏は、同社は十分復活できると考えているようだ(編集部撮影)

再び日経平均株価は2万円を割れてしまうのだろうか。かねてから「警戒モード」に入っていたカリスマ投資家の内田衛氏は複数の株主総会に出向きながら、時折少しばかりトレード。どうやら、この先の株価は下落する可能性が高いと考えているようだ。早速、株日記で内田氏の相場感を見てみよう。

業績が厳しい吉野家の株主総会へ行く

【5月20日 月曜日】先週末の日経225先物は、50円安の2万1220円、NYダウは、98ドル安の2万5764ドル。1ドル=110.02円、1ユーロ=122.79円。クレジットカード大手のジャックス(8584)が、15日の決算発表をきっかけに3日続伸、26円高の1954円となり、高値65円高の1993円まであり、年初来高値更新。高値では期末配当40円を考慮してようやくほぼ含み損解消。5万5000株保有中。GDPが2期連続のプラス成長(実質2.1%増)との報道で、日経平均株価は、51円高の2万1301円と続伸した。

【5月21日 火曜日】日経225先物は、160円安の2万1150円、NYダウは、84ドル安の2万5679ドル。携帯電話のソフトバンク(9434)は、19.5円高の1439.5円と続伸。10時28分には、1445円の高値を付け、期末配当37.5円を考慮すると、1482.5円と売り出し価格の1500円まであと17.5円までに近づいてきた。1500円で3200株保有中。ファーウェイ制裁の余波が広がり、日経平均は、29円安の2万1272円。


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【5月22日 水曜日】日経225先物は、130円高の2万1380円、NYダウは、197ドル高の2万5877ドル。日経平均は、10円高の2万1283円と小動き。

【5月23日 木曜日】日経225先物は、50円安の2万1230円。NYダウは、100ドル安の2万5776ドル。

吉野家ホールディングス(9861)の株主総会出席のため、中野サンプラザへ行く。9時53分着、前から3列目の真ん中へ着席する。前期業績面は、売上高2023億円と2%増、だが、営業利益1億円(前期40億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は、60億円の赤字(前期14億円の黒字)と厳しい決算となった。

牛肉、米を中心とした原材料価格の高騰と人件費の増加が原因で、店舗撤退などによる減損損失51億円を計上したことにより、赤字幅が拡大した。今期業績予想は引き続き厳しく、当期純利益は1億円の黒字を予想している。

期待としては、アメリカ産牛肉の関税38.5%がTPP参加国(カナダ、メキシコ、オーストラリア)の26%台まで下がってくれば、吉野家の復活があるかも。また、マクドナルドのように、キャッシュ&キャリー方式の店舗を現在1200店舗中500店舗は変更可能と見ているそうで、今後、人件費削減に効果が期待できるかもしれない。11時56分終了。お土産はなし。

本日終値は、19円高の1803円。イギリスのメイ首相は、24日に辞任表明と報道、日経平均は、132円安の2万1151円。

【5月24日 金曜日】日経225先物は、240円安の2万0860円、NYダウは、286ドル安の2万5490ドル。日経平均は、33円安の2万1117円と続落。

土曜日に株主総会を開催するパルコに好感

【5月25日 土曜日】日経225先物は、30円高の2万1130円、NYダウは、95ドル高の2万5585ドル。1ドル=109.29円、1ユーロ=122.46円。

パルコ(8251)の株主総会出席のため、渋谷へ行く。土曜日に株主総会を開催してくれるのはありがたい。先日送られてきた株主優待券を使って、5月16日にはシネクイントで『バイス』という映画を見てきた。池袋パルコ50周年ということで、今期は普通配当12円に加え記念配当1円が年2回(年26円配当うち記念配当2円)となるそうだ。また、今年の秋には、現在建て替え中の渋谷パルコが営業再開し、任天堂の直営ショップの出店が決定しているそうだ。出席者約200人、11時27分終了。お土産はなし。

【5月27日 月曜日】アパート経営のTATERU(1435)を260円(前日比44円高)で400株売り、4000円の利益確定。5月23日にNISA口座で買った分だけ売った。12時42分、65円高の281円の高値を付けたが、終値は37円高の253円。平均買値260円で1万2200株保有中。ワタミ(7522)が29円高の1448円と反発。国会議員となった創業者の渡邉美樹氏が役員として戻ってくることになるとのことで、好感したようだ。日経平均は、65円高の2万1182円。

【5月28日 火曜日】日経225先物は、20円高の2万1220円、NY市場は、休場。10時47分、すかいらーく(3197)が、34円高の2006円を付け、年初来高値を更新した。連休前に、1800円から1855円までの間で保有株5000株を売り、利益確定をしたが、ここまで強いとは。終値は、11円高の1983円。

TATERUを275円で1万1800株売り注文を出すが、9時04分、20円高の273円の高値を付け、終値は1円安の252円で引けた。ちょっと欲張ったせいで売れなかった。結果的には、270円でよかったな。レオパレス21(8848)は、80円ストップ安の323円。日経平均は、77円高の2万1260円と続伸。

【5月29日 水曜日】日経225先物は、230円安の2万1000円、NYダウは、237ドル安の2万5347ドル。ジャックスのテレビCMを見た。以前からテレビCMはやっていたが、CMが新しくなっていて、テニスの錦織圭氏が出ていた。ジャックスの業績は増収増益で、CMに使える予算も増えたからなのかなと推測する。日経平均は、256円安の2万1003円と2万1000円の節目で下げ止まった。

日経平均の下値メドは?

【5月30日 木曜日】日経225先物は、40円安の2万0910円、NYダウは、221ドル安の2万5126ドル。世界経済の減速懸念で3カ月半ぶりの安値。

ホームセンター業界首位のDCMホールディングス(3050)の株主総会出席のため、東京プリンスホテルへ行く。増収増益であったが、小売業界は、業態を超えた販売競争で、厳しい経営環境にあるそうだ。出席者は、約150人位、10時53分終了、お土産はなし。

芝浦メカトロニクス(6590)は、49円安の2615円と4月3日に保有株を3650円で売ってから1035円も下げてしまった。中国へ半導体製造装置などを販売しているからだろうか。売っておいてよかった。日経平均は、60円安の2万0942円と2万1000円割れ。

【5月31日 金曜日】日経225先物は、20円高の2万0950円、NYダウは、43ドル高の2万5169ドル。ドナルド・トランプ大統領は、メキシコからの全輸入品に6月10日から追加関税を5%にすると発表。不法移民流入で。日経平均は、341円安の2万0601円と3日続落。

【6月1日 土曜日】日経225先物は、90円安の2万0450円、NYダウは、354ドル安の2万4815ドル。1ドル=108.36円、1ユーロ=121.00円と円高進み、4カ月ぶりの円高水準。

NYダウの5月の月間下落幅は1777ドルとなり、昨年12月(2211ドル安)以来の大きさ。また月間下落率は6.7%と、この10年間で3番目の大きさとなった。元号が令和となって早1カ月が経ったが、この1カ月で日経平均は、1657円(7.4%)も下落した。アメリカの相場格言で「セル・イン・メイ」(株は5月に売れ)と相場格言通りの展開となってしまった。

私は10連休前の記事で、信用取引の建玉は手仕舞っておいたほうがいいこと、また前回には10月まで軟調な展開を予想してきた。この予想は継続し、日経平均の下値のメドは、昨年12月25日に付けた直近安値(終値では1万9155円)の1万9000円前後をみておく必要があるだろう。もしそこまでは下がらないとしても、早めにダブルボトムを形成し反発に転じて上昇することを期待したい。