中国メディアは、中国にはレアアース以外にも「世界第1位」である分野が数多く存在すると主張する記事を掲載し、「世界経済に中国は欠かすことの出来ない存在なのだ」と伝えた。(イメージ写真提供:123RF)

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 米中の貿易戦争がエスカレートするなか、中国共産党の機関紙・人民日報系の環球時報の編集長がSNS上で「中国はレアアースの輸出規制を真剣に検討している」と発信した。レアアースはスマホや電気自動車といったハイテク製品に欠かすことのできない資源であり、中国のレアアース生産量は世界の約8割に達すると言われており、中国は先行きの見えない米中貿易戦争の解決の切り札としてレアアースを使うのではないかと注目を集めている。

 中国メディアの今日頭条は29日、中国にはレアアース以外にも「世界第1位」である分野が数多く存在すると主張する記事を掲載し、「世界経済に中国は欠かすことの出来ない存在なのだ」と伝えた。

 記事は、中国にはレアアース以外にも世界第1位の分野が「200以上もある」と伝え、たとえば2018年の粗鋼生産量は9億2800万トンという史上最高記録を更新して世界第1位になったと紹介。だが、中国の鉄鋼業では生産能力が過剰であると言われていて、多すぎる生産量が世界の鉄鋼価格を下落させていると言われている。それゆえ中国以外の国にとっては「迷惑な世界一」と言えるだろう。

 続けて、中国は金の生産高も401.1トンで世界最多となっていて、輸入原料による生産分を加えると513.9トンで12年連続の世界第1位であると伝えた。さらに、工業製品の分野においては中国が世界最大の産業用ロボット市場であり、自動車は生産台数・販売台数ともに世界一であると強調した。

 他にも記事は、各種電子機器や通信技術、繊維、おもちゃなどの様々な分野において、中国は世界をリードしていると伝え、「世界経済に中国は欠かすことの出来ない存在だ」と主張。米中貿易戦争の最中にある中国には、相手に痛みを与える急所を突くことが出来るカードは多く持っていることを強調した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)