ザクセン王国の栄華を今に伝える、東ドイツの古都ドレスデン。

その華やかな町並みから、「エルベ川のフィレンツェ」「百塔の都」などとうたわれたドレスデンの旧市街には、壮麗なバロック様式の宮殿や教会が建ち並び、重厚かつ優雅な風景を造りあげています。

そんな美しき古都ドレスデンを訪れたなら、食事だって普段よりもちょっと奮発してみたいもの。

今回ご紹介するのは、ドレスデン新市街のバロック地区にある5ッ星ホテル「ホテル・ビューロー・パレ」内にあるレストラン「カルーセル」。

ホテル・ビューロー・パレは、世界各地の個人・家族経営の高級ホテルやレストランが約550軒加盟する「ルレ・エ・シャトー」の会員で、2010年に改装オープンしました。

部屋数は58室と、5ッ星ホテルとしてはやや小規模ながら、家族経営ならではのきめ細やかなサービスやプライベート感、モダンアートを採り入れたクラシカルかつスタイリッシュな空間を提供する、大人のための上質なホテルです。

ホテル・ビューロー・パレの1階にあるレストラン「カルーセル」は、若きシェフ、ベンヤミン・ビートリングマイヤーが率いる優雅なレストラン。

ミシュランの1ッ星に加え、ドイツ国内外でさまざまな賞を獲得している、ドレスデン、さらにはザクセン州きってのグルメスポットです。

カルーセルで提供されるのは、見た目にも美しいコンテンポラリーなフランス料理と地中海料理。

ココナッツやチンゲン菜、ゆずなど、アジアの食材を使ったエキゾチックな料理が出されることもあります。

生産量が少なく希少なザクセンワインをはじめ、選りすぐりのワインとともに、芸術的な料理の数々をいただきましょう。

予約状況によっては違う部屋に通されることもありますが、高級感がありながらも、天井がガラス張りで、自然光や緑を採り入れた温かみのあるダイニングルームがカルーセルの自慢。

高級レストランのなかには、たくさんのテーブルが並ぶ大規模なお店もありますが、ここではこぢんまりとした空間で、落ち着いて食事が楽しめます。5ッ星ホテルのレストランだけあって、スタッフの接客は洗練されていますが、気取りすぎていないのがまたいいところ。

営業時間はディナータイムのみで、メニューはコース料理が基本ですが、6名までならアラカルトにも対応可。5品のコースは一人120ユーロ、7品のコースは150ユーロです。コースの内容は時期によって変わりますが、コースの一例をご紹介しましょう。

最初に登場したのは、真珠を表現したスターター。貝殻の上にソースで作った真珠が載っていて、見た目にも驚きのある一品です。

続いては、ベジタリアンのフォアグラ。肉を使わず、カカオバターをフォアグラに見立てた一品で、甘さとしょっぱさが一皿に同居する遊び心のある料理です。

ハトのエキスを使ったスープを経て、メインディッシュは、キノコソースとチェリーソースを組み合わせた牛ステーキ。

弾力のある牛肉に、濃厚なキノコソースとさわやかなチェリーソースが絡み、意外性のあるおいしさです。料理に添えられたお花の色彩も美しいですね。

最後はコーヒーとアプリコットを組み合わせた、チョコレートデザートでシメ。見て楽しい、食べておいしい料理とデザートに、心も体も大満足です。

ミシュランで星を獲得するグルメレストランともなれば、味が良いのはは当たり前。それに加え、食べる人に驚きや発見を与える創造性があり、ここで食事をすること自体が「経験」になるのです。

美しい料理の数々をさらに引き立てる、器にも注目。カルーセルではすべての料理やデザートが、マイセン磁器で提供されます。

ドイツを代表する名窯として知られるマイセン磁器は、東洋の白磁に憧れたザクセン選帝侯でポーランド王でもあったアウグスト強王が、ヨハン・フリードリッヒ・ベトガーに命じ、18世紀初頭に誕生した磁器ブランド。

現在マイセン磁器は、ドレスデンからおよそ25キロ離れたマイセンにある磁器工場で製造されていますが、発明当初はドレスデンで製造されていたのです。

ドレスデンと縁の深いマイセン磁器とともに、スターシェフが生み出す食の芸術を味わうひとときは、ドレスデン滞在を彩る特別な経験になるはず。席数は35で、有名店のわりには少ないため、早めの予約が確実です。

Post: GoTrip! http://gotrip.jp/旅に行きたくなるメディア

「カルーセル(RESTAURANT CAROUSSEL)」
営業時間:水〜土曜 18時半〜(1〜4月、7・8月)、火〜土曜 18時半〜(5・6月、9〜11月)、火〜日曜 18時半〜(12月)
電話:+49 (0)351 8003-140
メール:info.palais@buelow-hotels.de
公式サイト:https://www.buelow-palais.com/restaurants-bar-2/#restaurant-caroussel